「王者か、エースか。」今年5月横浜での激闘から半年、両国国技館にて完全決着戦が実現!
■ 近藤有己:パンクラスの10年で最高の、今回の試合を一番にして、それで勝ちたいと思います。よろしくお願いします。
■ 菊田早苗:とにかくもう、やると決めた以上は、勝つしかないと思っていますので、一本で勝って、今年を終わりたいと思います。
: 近藤選手から「無制限ラウンドでやりたい」と発言したという記事がありましたが、これに関してはいかがですか?
■ 近藤有己:必ず決着をつけたいという気持ちですね。できたら1ラウンドで決着をつけるように考えているんですけど、もしも、3ラウンドで決着がつかない、お互いに一本取れなかったら、もっとやりたいと思ってますが・・・たぶんそれはムリですね(笑)。必ず3ラウンド以内に決着つけたいと思います。
■ 菊田早苗:僕の方も早期に一本取るつもりでいるので、(延長ラウンドは)考えてないです。
: 前回ドローということで、今回決着をつけるために強化した部分はありますか?
■ 近藤有己:全てですね。打撃もそうですし、グラウンドと言うか、組んでからの展開も強化してきましたので。
■ 菊田早苗:前回やってみてわからなかったことがたくさん見えてきまして。VS近藤選手に対して、前回は自分の甘かったことが随所に見られたので、それが5箇所ほどあるので、それを修正して。前回は得意なパターンに持っていけなかったので。力は出し切ったと思いますが、技術的な部分は2割ぐらいしか出させてもらえなかったので、今回は100%出させてもらえるように自分のペースで持っていきたいと思います。
: 前回の試合の後、お二人とも再戦は時間を置いてから、というようなお話だったんですが、何か心境の変化があったのでしょうか?
■ 近藤有己:僕が挑戦させてもらうには、前回以上の試合をしたいと思っていたので、それには1年ぐらいないと、前回以上の試合は、自分の中の進化がないとできないと思っていたので。でも、今回の両国の話を聞いて、自分の中の感覚としては、十分前回以上の進化を感じていますし、前回以上の試合ができるという自信があるので、やる、という感じですね。
■ 菊田早苗:前回はとても苦しい試合だったので、その直後ではなかなか「すぐに」とは心境的に言いにくかったんですけど、こうして時間が経って、だんだん気持ち的にも盛り上がってきて、肉体的にも調子が良いので、やるなら今しかないと思いました。もちろん自信があるからやるんですけど、「これでダメなら、もうしょうがないや」と開き直ってるというのもあります。
: 今日の試合を振り返ってみていかがですか?
■ 近藤有己:そうですね…良かったと思います。
: 試合当初から近藤選手のペースだったと思うんですが。
■ 近藤有己:そうですね。相手に何もさせず完封できたと思います。何が良かったかって、それが良かったですね。内容ではまだ良かったとは言いがたいですね。3Rだけですね、良かったと思えたのは。今はまだこのレベルですが、これからもっと上を目指していきたいと思います。今回は相手の動きがある程度わかったっていうか、コントロールされないと言う点では良かったと思いますね。
: 近藤選手のプランどおりの試合だったって言うことですか
■ 近藤有己:うーん、そういう訳でもなかったですね。自分なりに相手がこう来たらこうっていう対応は多少はあったんですが、今日は感じるがままに動けたって感じでしたね。
: 前回闘ったときと比べて菊田選手の感じはいかがでしたか?
■ 近藤有己:さほど変わったって言うのはなかったですね。自分でこういうのもなんですが、この半年間で力をつける事が出来たのは自分だったって言う感じでしたね。
: さきほど良くなかったとおっしゃってましたが、それはどの部分ですか?
■ 近藤有己:もう少し動きのある試合にしたかったですね。1Rは固かったですしね。
: 最後リングで「みなさんが期待する場所に出て行きたいと思います。」とおっしゃっていましたが、それは年末ですか?
■ 近藤有己:年末もそうですね。
: それについて近藤選手の中でプランってありますか?
■ 近藤有己:何もないです。それも見ながら考えてもいましたけど、本当に今回が終わってみないと考えられなかったんで。社長からも何も聞かされていないんでわかんないです(笑)。でも(年末に出たい)気持ちはあります。
: 1R、2R共に菊田選手をコーナーに詰める時間が長かったんですけど、勝利のポイントというのは今考えてみてどこにあったんでしょうか?
■ 近藤有己:そうですね。相手にコントロールさせなかったって所じゃないですかね。
: 何度か倒されそうになっていたシーンもありましたが、それは大丈夫だと思ってたんですか?
■ 近藤有己:前回以上に自分の進化を感じましたね。前回以上にバランスが取れました。 次ぎやったらわかんないですけど、終わってみた今だから言えることで、ちょっとでも気を抜いたら寝技にもっていかれるでしょうし。ただ自分の中にある「ここ」を抜かれなければ大丈夫だという感じはありましたから、そこはやらせませんでしたね。前回はそれをやらせてしまったんですけどね。
: 最後の左はどういったパンチだったんでしょうか?
■ 近藤有己:あれが「ブルート」です。まぁフックですね。ボクシングトレーナーがいう僕の必殺技なんです(笑)。ポパイに出てくるブルートが使うようなパンチということで名付けられました(笑)。
: 手ごたえのほうは?
■ 近藤有己:バッチリでしたね。
: いつから狙ってたんですか?
■ 近藤有己:いや、セコンドのトレーナーが「ブルートいってみれば」って言ってたんで(笑)。
: 当たった後に菊田選手が首投げにいこうとしていましたが?
■ 近藤有己:そうですね。でも多分パンチが目に当たったと思うんですよね。眼球の部分に。かなり腫れていたようですし、それでやめたと思います。まぁ、だから手ごたえはありましたけど、(パンチの)威力のほうはちょっとわからないですね。
: 外に出て行く話ですが、体重は増やしたりとかって言うのは考えていないんですか?
■ 近藤有己:考えていますけど、もっと長いスパンで増やしていければと思います。今急に増やしても脂肪しかつきませんから。
: 今度出て行くときは、パンクラスの代表となってしまうわけですが、そのあたりはどう考えますか?
■ 近藤有己:そうですね。代表というのを自覚して出たいと思っています。
: 対戦相手の体重に関してはどう思いますか?
■ 近藤有己:うーん、対戦相手の体重なんかより、相手そのものですね。どんな相手と闘えるのかって言うほうが大切ですね。そっちのほうがテーマだと思います。
: 具体的な名前は挙がりますか?
■ 近藤有己:そうですね。一番やってみたいのはシウバですね。ヴァンダレイ・シウバ。それが一番(お客さんが)見たいと思えるんじゃないかと思いますね。でも、わかんないですね(笑)。
: 今回の10周年で感じたことは?
■ 近藤有己:自分は1年目に入ってきたんですけど、自分がいろいろ感じながら培ってきて、作り上げてきたものそういういろいろな物を感じますね。この10年で良かった事、悪かったことを含め、今一番充実して練習できているんじゃないかと思います。
: 久しぶりのベルトですが、実感はいかがですか?
■ 近藤有己:うれしいですね。菊田選手を倒して巻けたっていうのが何よりも嬉しいです。
■ 菊田早苗:完敗ですね。前回やって、お互いの弱点を見付けていたと思うんですけど、あっちが根本的な所を突いて来た、というか、そこまでさせてもらえなかったですね。要するに3Rのラッシュというのを、自分のスタミナさえ切れなければ、あ~いうラッシュは貰わない、というのが1番のポイントだったんですけど、セーブするとか、しないとか、そういう間合いを取らせて貰えなかったですね。スタミナがあるっていのは、やっぱり武器ですよね。崩れた所を狙ってくるのがあれだったんですけど、崩しに今日来たんで。ま~完敗ですね。何も出来なかったですね。
: 1Rからおかしいな、という感じだったんですが。
■ 菊田早苗:それほど調子が悪いとかでは無かったと思うんですけど、その~・・・、作戦がバラバラだったのかな・・・・・・。ちょっと痛いところを突かれましたね、本当に。レスリングの部分の、なんだろうな? 最終的に、組みですね。前回以上に細かくなって戻って来ましたね。寝技にいけないので、もうどうしようもない。3R目でワンチャンス、どっかで投げれればな~、というのはあったんですけど・・・・・。パンチが目に入っちゃったんで。
: 最後のパンチは見えなかったんですか?
■ 菊田早苗:見えなかったっていうか、もう目の中に入って、それでもうグニュっとなって・・・・・。やられた瞬間に目の前が見えなくなったんで、これもう駄目だなと。もう腫れてますからね。ワンパンチ。
: 2Rまで膝を胴に食らってましたけど、どうでしたか?
■ 菊田早苗:ん~~~、1発1発はそんなにでも無いんですけど、たまに良い所に入って来るので、効いてるのもありましたね。なので、余計にこう、組みが疎かになっちゃったという部分もあるし。ん~~~~何だろうね・・・・。まぁ~とにかく、本当に強くなって戻ってきたというか、そういう感じで。僕も今回は、この世界で8年やってきて、24からやってきたんですけど、今日初めて日本人に負けちゃいましたね。もう、完敗なんで。どうしようも出来なかったんで、ま~気持ち的にはすっきりしてますね。
: 年末は?
■ 菊田早苗:いや~、厳しいでしょう、もうこれ。
: 目の方は残りそうですか。
■ 菊田早苗:残るでしょうね。現時点では判らないですけからね。ちょっとどうなのか。ま~厳しい闘いでしたね、本当に。最初に何だろうな、やっぱり展開作れなったのが全てでしたね。下になっちゃったし。タックルきちゃったし。いや~、もう苦手なとこ、苦手なとこ、むこうに突かれた感じですね。ま~本当になんか、こう・・・・。とにかく今日は近藤選手が強かったんで、本当に、あの~、敬意を表したいというか、それのみで、何にもないですね。