2001年2月・後楽園ホール大会以来、2年4ヶ月ぶり、2度目の対戦。佐々木のパンクラスデビュー戦となる前回の対戦は、腕ひしぎ十字固めで佐々木が勝利。昨年11月以降、白星に恵まれない佐々木が、再び勝利をおさめ遂に復活の狼煙を上げるのか?虎視眈々とランキング入りを狙う渡辺が、前回のリベンジを果たすのか?見逃せない一戦。
■ 渡辺大介:結構パンチの距離が難しかったんで、相手の。左ミドルが。後ろ足に体重乗っけての、左ミドルとか、ハイキックとかあるんで。
だから、僕がいった時に相手も打ち合ってくれれば、そこでパンチも打てるようになるんで、その時に自分の形にもっていけるかな?というのは思ってたんですけど、相手が痺れを切らしてタックル来た時に、あの時に痺れ切らしてるなってのがわかったんで、「良く見ていかないと」と思った時に、ローキックを蹴った時にダメージが結構きてるなと。
あッ!ちょっと左手の指が曲がんないですね…脱臼したみたいで。相手もなんか指が曲がったみたいで、これはチャンス!と思ったんですけど、ローキックで痛めたんで。相手が打ってきてくれたんで。見えましたね。見えたっていうか、ちゃんと目を開けて見てたんで。ああなったら、あの場面しか僕がKOで勝つ、一本勝ちはないなと思って。あれ待ってました。パンチの感触はないですね。「パチン」と。ああ、当たって倒れた、みたいな感じで。起き上がってきそうだったんで、そのまま追い討ちかけようと思ったら、レフェリーが止めてくれたんで。
: 6月22日(日)の梅田ステラホール大会で、GRABAKAの佐々木有生選手との対戦が決定している渡辺選手ですが、そのVS佐々木戦のお話の前に、まずは前回の試合、4/12後楽園ホール大会のVS佐藤光芳(パンクラスGRABAKA)戦に関して伺います。おそらく大方の予想に反しての打撃戦になったんですけど・・・
■ 渡辺大介:そうですか? 僕の中では意外じゃなかったですね。何かそんな雰囲気を感じましたね。来るんじゃないかって。
: ダウンを奪うなら渡辺選手というのがあったんですが、これも逆の展開になってしまいました。
■ 渡辺大介:でも、それも予想してましたね。僕がダウンするのは予想してなかったですけど(笑)。殴り合いになるような雰囲気を何となく感じてて、殴り合いになったら絶対勝つ自信はあるけど、向こうも力とか結構強いんで、一発振り回したのがあたっちゃったら倒れるだろうなって。そういう勢いで来るだろうって。予想通りになっちゃったんですよ、いきなり。だからまぁ、倒れて一瞬あわてましたけど、でもすぐに持ち返せたんで。
: 試合前のお話では「勝ってランキング入りを目指したい」とおっしゃってましたが、残念ながら結果的にはドローということになりました。渡辺選手ご自身が望んだVS佐藤光芳戦だったんですけど、結果を含めて、この試合をご本人的にはどう捉えてらっしゃいますか?
■ 渡辺大介:ん~そうですね・・・いろいろありますね。やっぱり勝ってランキングに入って、更に上をって思ってましたし。ん~あの試合を振り返るとしたら・・・まぁ、単純に反省点の多い試合だったなぁっていうのがありますし、欠場していた頃にいろいろやってたことがまた出せた試合だったというのもあるし・・・。少しづつ変わりつつあるなって感じがしますけどね。あと、最初にダウンして、ガァッと息が上がったんですけど、2ラウンドの中であれだけ巻き返せたんで。気持ち負けはしなかったんで。そうですね・・・もうひと踏ん張りかなぁって感じですね。
: 試合の中でご自分の一番良かった点はどんなことですか?
■ 渡辺大介:四つに組んで倒せたことですね。確か1ラウンド目だったと思うんですけど、四つに組んだ時に「あれッ、これ倒せるんじゃない?」って思っていったら、倒すことができたんで。あれはちょっとビックリしたっていうか、自信がついたかなっていうか。向こうもレスリングをガンガンやってた人ですから、まぁ、倒せるチャンスがあれば倒したいなって感じで思ってたんですけど、結果倒せて上に乗れたことが良かったです。
: わかりました。では、6/22(日)梅田ステラホール大会でのVS佐々木戦、vsGRABAKA2連戦になりますけど、そのお話を。2年4ヶ月ぶり、2度目の対戦で、前回の対戦は佐々木選手のパンクラス初参戦の試合だったんですが、あの時の佐々木選手の印象って憶えてますか?
■ 渡辺大介:憶えてますよ。やっぱ佐々木選手がパンクラス一発目だったんで、すごい印象に残ってますね。GRABAKAっていうのもありましたし、僕が負けたっていうのもありますし。上手いなっていうか、強いなって感じましたね。
: 佐々木選手の何が一番に印象に残りました?
■ 渡辺大介:やっぱり最後のあれ(腕ひしぎ十字固め)が・・・下から、ガードからコントロールして、もっていくのが・・・。力の入れ具合というか、やり方が上手かったんでもっていかれちゃったんですけど。そこですね、その時は。
: 前回の対戦から2年4ヶ月という長い期間の中で、佐々木選手はパンクラスでもたくさんの試合に出場して、昨年はDEEPやPRIDEのリングで世界の強豪と呼ばれている選手たちとも対戦してきましたけど、最近の佐々木選手を渡辺選手はどうご覧になってますか?
■ 渡辺大介:いや、やっぱり強いと思いますね。最近ちょっと負けが続いてますけど、でもそれも強い相手との結果なんで。相変わらず強くなってんなぁっていうのは感じますね。
: 佐々木選手の進歩している部分っていうのは、渡辺選手からご覧になってどういうところでしょうか?
■ 渡辺大介:ん~全体的に上手くなってるんじゃないですかね。打撃もそうだし、グラウンドでのいろんな対処とかもそうですし。柔術的って言うんですか? そういうテクニックも上がってますよね。一本負けしてないじゃないですか。ディフェンスもかなり堅いと思いますし。相当レベルアップしてると思います。
: では、そういう佐々木選手とのリベンジ戦ですが、渡辺選手はどういうことを考えてこの試合に臨みますか?
■ 渡辺大介:まぁ、自分の悪いパターンにならないっていうことと、あと、当たり前なんですけど、佐々木選手の良いパターンに持っていかれないっていうことに気をつけて。ん~2年4ヶ月ぶりですからね。やっとまたできる、このチャンスを逃しちゃいけないなっていうのがあるんで。まぁ、気合は入ってます。
: 何か秘策はあります?
■ 渡辺大介:秘策ですか?(笑) ん~まぁ、一応僕にもいろいろあるんで、そこにハマってくれればいいかなって感じですね。
: 今回5分3ラウンドの試合なんですけど、2ラウンドと3ラウンドでは気持ちの持ち方とか変わってきますか?
■ 渡辺大介:変わりますね。特に佐々木選手は絶対あきらめないと思うんで。結構スタミナもあると思うんですよ。前半僕がラッシュをかけても、それが凌がれたら、後半に佐々木選手がガツッと極めてくると思うんで。5分3ラウンドっていうのは、相当僕には不利かなって最初思ったんですよ。だけどまぁ、やってみないとわかんないですよね、こればっかりは。
: わかりました。では、ちょっと今回のVS佐々木戦から話題を変えて。渡辺選手ももちろんその中の一員なんですが、パンクラスのライトヘビー級戦線に関してです。大きな動きが近々で2つありましたけど、その1つが5/18横浜大会でのタイトルマッチ、菊田VS近藤戦。この試合は会場でご覧になってたと思いますが、この一戦を渡辺選手はどうご覧になりました?
■ 渡辺大介:ん~スゴイ良い試合でしたよね。あんなにお客さんが盛り上がる中で、あれぐらいの試合が普通にできるところまでいかないとなって思いましたね。20代のうちに。まぁ、スゴイなぁ~っていうのと、逆にちょっと悔しかったですね。あれだけお客さんが盛り上がる中で、あれだけスゴイ試合を見せられると。「チクショ~、俺も頑張らないとな」って感じで。俺がやんないとダメだなって。多分みんな思ってると思いますけどね。そういうふうに思いましたね。
: 同じismのメンバーとして、近藤選手の闘いぶりはどうでした?
■ 渡辺大介:いや、良かったですね。相変わらずスタミナが・・・3ラウンド目までいけば、かなりいけるんじゃないかな~みたいな雰囲気だったんで。やっぱり強いですよね。まぁ、練習でやってて強いのはわかってるんですけど、試合であれだけ出せるのはやっぱり強い人の条件ですから。
: わかりました。では、もう一つ。6月7日のディファ有明大会でも、また一人、ライトヘビー級の台風の目になりそうな選手が出てきました。KEI山宮選手を破ったニルソン・デ・カストロ選手(シュート・ボクセ・アカデミー/6位)なんですけど、ヒカルド・アルメイダ選手(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー/2位)やエバンゲリスタ・サイボーグ選手(アカデミーア・ブドーカン/8位)と並んで、そういうブラジル人選手の台等をどうご覧になりますか?
■ 渡辺大介:ん~とうとう来たかって感じですね。そのうち誰か来るだろうなって思ってたんで。だから別に良いんじゃないですかね。一応僕の中では、前回の試合でキッチリ勝って、それから8月の両国大会に出場できるように勝ち続けてたらアピールしたいなって思ってたんで・・・。まぁ、やってやるよって感じですね。同じ人間ですからね。別に見た目が違うだけですから。ハイ。
: ブラジル勢3選手の中で一番興味のある、闘ってみたいなって思う選手は誰ですか?
■ 渡辺大介:何かタイプ的に闘ってみたいなって思うのはカストロ選手なんですけど、一番強いのはやっぱりアルメイダ選手だと思いますね。相当強いと思います。まだ僕じゃ相当厳しいかも知れないですけどね。まだ。でもそのうち闘ってみたいとは思ってます。カストロ選手に関してはこの前初めて見たんですけど、(山宮選手の)セコンドにもついてたんで。
: 山宮選手との試合をセコンドとして見てて、何か燃えるものがありました?
■ 渡辺大介:そうですね。
: 「俺だったらこうするな」ってところはありました?
■ 渡辺大介:僕だったら先に飛び膝(蹴り)を出しましたね(笑)。
: 相手の十八番を(笑)
■ 渡辺大介:ハイ(笑)。それで様子を見て。(自分が)出したら、たぶん向こうも出してきますから。
: ブラジル人選手が台等してきたライトヘビー級なんですが、そこで闘っている日本人選手としては、これは歓迎すべきことなんでしょうか?
■ 渡辺大介:いや、良い事だと思いますよ。そこで日本人選手が勝たないといけないんですけどね。ここでブラジル勢が勝って上にきたら、また昔みたいに外国人天国とか言われちゃうんで。そうしちゃいけないんで、ここでキッチリ日本人選手が勝って、パンクラスのライトヘビー級の日本人選手は世界レベルだっていうところまで持っていかないといけないですよね。まぁ、盛り上がって良いんじゃないですか。やりがいがありますよ。
: そうですね。層が厚くなるっていうことはレベルも上がっていきますからね。では、また話をVS佐々木戦に戻して、これで最後なんですが、渡辺選手を応援していらっしゃるファンの皆さんに試合に向けてのメッセージをお願いします。
■ 渡辺大介:ハイ。多分僕を応援してくれてても、心の中では「佐々木選手、勝つんじゃないかな」って思ってる人たちがほとんどだと思うので、そういうふうに思っている人たちをビックリさせます。そろそろチョット爆発しとかないとダメなんで。もう26(歳)で、次27なんで。そろそろここで、一発ドカンといっとこうかなって感じで。それでそのまま稲垣さんの引退試合に繋げますよ。
: 6月22日(日)の梅田ステラホール大会で、渡辺大介選手(パンクラスism)との対戦が決定している佐々木選手ですが、まずは前回の試合、4/12後楽園ホール大会のVSヒカルド・アルメイダ(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー/2位)戦に関してお聞きしたいと思います。今、あらためて振り返っていただくと、VSアルメイダ戦は佐々木選手にとってどういう試合だったんでしょうか?
■ 佐々木有生:あ~まだまだ自分は甘いんだなって思いましたね。そういうのが良くわかった一戦でした。
: それはどのへんで一番感じたことなんでしょうか?
■ 佐々木有生:いや、1つ1つの細かいことだったり・・・ん~・・・何だろうな? 辛いことは当たり前で、でもそこで一番やっちゃいけないことは逃げることと・・・ん~辛いことを辛いって言っててもしょうがないんですよね。そこに入っていかないと。まぁ、そういう甘さがあったんじゃないかと思いますね。今の自分はあんなもんじゃないかなって思いましたね。どんなに一生懸命練習しても、どんなに努力しても、あの時点ではあんなもんだと思います。それはどうしようもない、どう変えようもない事実っていうか・・・。
: あの試合、やっぱり私も、会場のお客さんもそうだと思いますけど、佐々木選手とアルメイダ選手の寝技の攻防を予想していたと思います。ですが、実際はその予想に反して、アルメイダ選手がグラウンドを含めて打撃をどんどん繰り出してきたんですが、そのことを、佐々木選手はある程度予想してましたか? それとも全く予想外のことだったんですか?
■ 佐々木有生:いや、予想外でしたね。予想外でしたけど、やってる最中っていうか、最初に組んだ時に「あ~強いな」って思いましたね。すごく率直な意見ですけど。「コイツ強いな」って思って。予想外だったけど・・・ん~自分がただ純粋に技を競いたいとか、まぁ、そう思いすぎてたというか。勝つということがどういうことなのかって部分で、真剣みが足りなかったかも知れないですね。一生懸命やって、努力するってことは大事なことですけど、真剣にその物事に取り組むってことに比べたら、遠く及ばないっていうところが出たんじゃないですか。ん・・・僕はそう思いますけどね。
: では、純粋に技を競いたかったという、寝技の攻防に関してなんですけど、実際アルメイダ選手と闘ってみてどうでした?
■ 佐々木有生:いや、多分、寝技で攻められるのかなって思ったんですよ。でも、絶対チャンスが自分に来る。そのチャンスをモノにしようって思ってたんですけど、結果的にはチャンスはあったんですけど、でもそれはいけない考え方ですよね。凌いで凌いでワンチャンスをモノにしようっていうのは、ある意味、宝くじと一緒なんですよ。でも、そういう次元にもういちゃいけないんだっていうのがわかりましたね。例えば、お客さんからしたら、面白い試合をしてさらに一本勝ちしたらそれが一番良い試合ですよね。その次が面白い試合で判定勝ちだったり。でも、そうじゃなくて、間違いなく判定勝ちできるところから始まらないと、この世界ダメなんだなって思いましたね。何て言うんだろう・・・手堅くっていうか、手堅くキッチリ勝てる上に一本勝ちがないと、やっぱりやっていけないんだなっていうのがわかったというか。
: では、そういうVSアルメイダ戦を経ての『アブダビ・コンバット』だったんですけど、ご自分から出場を希望してらっしゃったところもあって。今回、初出場ですよね。そこでまずお聞きしたいのが今回の会場の雰囲気なんですけど、どんな感じでした?
■ 佐々木有生:会場はやっぱりブラジル一色でしたね。盛り上がりもスゴくて。試合の笛が鳴ってるんだか、客席の笛がなってるんだかわからないって状態でもありましたけどね。でも、良い感じだったと思いますよ。
: 自ら望んで出場して、実際その場に立ったときの心境っていうのはいかがでした?
■ 佐々木有生:ん~心境ですか? いや、もうそういうのはなかったですね。バタバタしてて。会場について、もうすぐに試合がはじまるよって言われて。何かバタバタしてたっていうのがすごいありますね。
: 実際に『アブダビ・コンバット』に出場して、サウロ・ヒベイロという本当に世界トップの柔術家との対戦を終えて感じたことってなんでしょう?
■ 佐々木有生:ん~何でしょう? まぁ、普段いかに自分が適当に練習しているかってことと、一生懸命やったりだとか、努力するということが、いかに・・・まぁ、無駄なことっていうんじゃないですけど、真剣にやるってことに対して、意味のないことっていうのがわかったというか。そういうことがすごいわかりましたね。あと、あの中で勝っていくっていうのがどういうことかというのが、すごいわかった。
: 今回『アブダビ・コンバット』に出場して、何が佐々木選手にとって一番の収穫だったのでしょうか?
■ 佐々木有生:ん~まぁ、日々、1日を適当に過ごしたら、その適当が自分に返ってくるってことがわかったことじゃないですか。練習も一生懸命やって、「やりました。努力してます」って言っても、意味がない。真剣にやらないと、ツケとして自分に返ってくる。まぁ、そういうことが良くわかったなって。だからまぁ、ちゃんとやらないといけないんだなって思いますね。
: どうでしょう? 2年後にまた開催されたら。
■ 佐々木有生:そうですね。まぁ、プレッシャーはありますけど、また出たいですね。その時に出れるような実力を持っていたいって思いますけどね。
: わかりました。では、4月、5月と、本当に世界の強豪と呼べる選手と闘ってきた佐々木選手ですが、6月のVS渡辺大介戦。2年4ヶ月ぶりの対戦で、一度目の対戦では佐々木選手が勝利してますから、今回、返り討ちにしなければいけない相手だと思います。前回の対戦というのが、佐々木選手のパンクラス第1戦だったんですけど、その時の渡辺選手の印象っていうのを憶えてますか?
■ 佐々木有生:ん~わかんないですね。自分が緊張しててわかんなかったですね。相手のことは。
: パンクラス初戦ということで見て、あの試合は佐々木選手的には合格点をあげられる試合でした?
■ 佐々木有生:あの時のレベルで、あの時の自分っていうのがあって、まぁ、あんなもんじゃないかなって思いますけど。
: 初対戦から2年4ヶ月という月日が経っているわけですが、最近の渡辺選手をご覧になってて、どういう印象をお持ちですか?
■ 佐々木有生:いや、強いと思いますよ。ランキングに入っててもおかしくないと思いますし。佐藤(光芳)君と引き分けてますし。まぁ、そういう意味では強いと思いますし。粘り強い選手だなって印象があります。
: この2年4ヶ月の間で、自分の方が成長してるっていう自信はあります?
■ 佐々木有生:ん~そんなこともないですけど。ただ、今、自分が持ってるモノ、感じてることや、こういうふうにやらなきゃいけないんだなっていうのをリング上に出して、それが正しかったらきっと勝つと思うんですよ。形になる。でもそれが間違ってるんだったら負けると思います。ん~それが、自分でも正しいのか、間違いなのかわからないからやってみるしかないし。ただ昔と違うのは、もっと細かくなったと思うんですよ。自分自身が。身体で言うと、僕はパンクラスの中でもデカい方じゃないし、むしろ力もない方なんで。じゃぁ、どうしたら勝てるのかっていうのを、別に誰よりも考えてきたわけじゃないですけど、自分なりにこういうふうにした方がいいんじゃないかなってやってきたんで。自分がこの2年半ちかくで何をやってきたのか?っていうのをただ出すだけですね。自分の気持ちだったり、技だったり。どういう試合をしなきゃいけないのかっていうのを、それを出す。それがダメだったら、それは僕が弱いっていうだけです。勝ったなら、それは僕にとって財産になって、先に繋がりますから。
: 今回の試合っていうのは、渡辺選手にとってはリベンジ戦になりますから、それですごいモチベーションも上がると思うんですけど、佐々木選手にしてみれば一度勝った相手、しかも佐々木選手はランカーで、渡辺選手はランク外ですから、渡辺選手の挑戦を受ける立場になるんですけど、そういう状況の中で、佐々木選手は何をモチベーションに変えて試合に臨むのでしょうか?
■ 佐々木有生:ん・・・ただ自分が強くなりたいと思った時に、1日1日をどう過ごしたのか? ただその1日1日をどう過ごしてきたのか?っていうことが、渡辺選手との試合で出ると思います。心が、モチベーションが上がんないっていうのはしょうがないことだと思います。でも、じゃぁ、それで負けるのか?それは言い訳にならないじゃないですか。そこで、アルメイダに負けたり、アブダビで負けたりしたことで、自分がどういう思いをしてきたのか。この先自分はどうしていかなきゃいけないのか。それでここで負けるようだったら、その程度の思いしかなかった。悔しいとか、屈辱だったなって思った心が、多分その程度だったんだろうなって。僕は先に行きたいから。渡辺選手は、僕に勝って、僕へのリベンジだとするじゃないですか。僕は、自分がいかにこの先、先にいけるか? そのためにここで確固たるものができるかっていう、そういうものを築いていかなきゃいけないんで。そういう闘いだと思います。別にナメてないし、丁寧に丁寧に闘おうと思ってます。昔以上に。
: わかりました。では、今回のVS渡辺戦から話題を変えて。佐々木選手がアブダビで闘っていらっしゃる時に日本で行われた、5/18横浜大会の菊田VS近藤戦に関してです。試合の映像はご覧になってると思いますが、菊田選手の闘いぶりは佐々木選手にはどう映りました?
■ 佐々木有生:ん~らしくなかったなって思いますけどね。
: それはどのへんでそう感じました?
■ 佐々木有生:いや、全てにおいて。1ラウンド、2ラウンド、3ラウンド、全てを通して、ペースは近藤選手だったと思います。近藤選手のペースだったにも関わらず、引き分けまでもっていける菊田さんの地力っていうんですか? それはスゴイなって思いました。
: 1ラウンド、2ラウンドは菊田選手のペースには見えませんでした?
■ 佐々木有生:いや、そこまでもっていける菊田さんの地力がスゴイなって。1ラウンド、2ラウンド、どう見ても僕から見たら、みんなからは菊田さんのペースに見えるかも知れないけど、僕から見たら近藤選手のペースにしか見えないんですよ。でも、普通の選手だったら、あそこで負けちゃうんですよ。でもそれを断ち切るだけの実力があるっていうのはスゴイなって思いました。そこで粘れる強さっていうのはスゴイなって。らしくないのに。全然らしくなかったですね。菊田さんの良さって、もっと・・・ジワジワ、あわてないでゆっくりゆっくりやる。何かに焦っている、そういう展開でしたね。ん・・・浮ついてたっていうのが良い表現じゃないですかね。何かすごい浮ついてた。もっとこう、菊田さんは座っているような感覚でやるタイプだと思います。もちろんそれは、近藤選手がそうさせたのかも知れないですし。
: わかりました。では、最後に今回の試合にまたお話を戻して。佐々木選手を応援していらっしゃるファンの皆さんに試合に向けてのメッセージをお願いします。
■ 佐々木有生:そうですね・・・大阪で総合の試合をするのは初めてなんで(昨年8月・梅田大会でのVS大石幸史戦はキャッチレスリングルール)、ホントに自分の持ってるものだったりを極限まで出せたらいいなと。それは細かいことだったり、いろんなことだったり。15分間で出し切れればいいと思います。それを観て、みんなが、お客さんが楽しんでくれれば良いなって。みんなが面白いなって思ってくれるような試合をしたいなと思います。