: 今の気分は?
■ 川村亮:気分ですか? なんだろうな、もう…わかんないですけど、気持ちですね。それだけですよ。僕のパンチなんて当たってないですよ全然。倒れても意識あるし見えてたんで、殴り返してやろうと。最後なんて技術じゃないですよ。振ったら当たったっていうパンチじゃないですか? 皆さんが一番わかっていると思うんですけど。僕はあまりわかっていないです。
: 最後の一発、手応えはあったんですか?
■ 川村亮:わかんないです。手応えっていうか、相手が倒れたんで「あ、相手が倒れているな」って思って。殴ろうと思ったら終わってました。一つ言える事は、今まで僕が生きてきて培ってきたものは間違ってないなって思いました。格闘技とか長くやってないですけど、他から見たら遠回りかもしれないですけど、やってきたものが…試合前に言ってたんですけど、川村亮としての人間力、生命力で勝負するって、その通りの試合ができたと思います。(場内拍手)…まぁ、勝者の顔じゃないですけどね。
: 気持ちが途切れるようなことはなかったですか?
■ 川村亮:途中でいっぱいありましたけど、痛いって思ったときは大丈夫なんだな、とか結構冷静なところはありましたね。今日は喜ぶと思うんですけど、先を見据えたらまだ駄目だと思います。技術が足りないって言うか、気持ちがあれば技術がついてくると思うんですけど、上に行くためにはちゃんとした技術を持って、本当に強い力と気持ちで行こうと思います。
: これでアカーシオなりシュート・ボクセに狙われることになると思うんですけど…。
■ 川村亮:そんなことないでしょ(笑)。まぁ、何度でもやりたいですね。自分が選ぶことなく、どんどんやっていきたいです。
: パンクラスを背負うっていう発言もありましたけど。
■ 川村亮:はい。勿論。こんな僕ですけど。僕がどんどん盛り上げていって、僕が一番下なんで、僕が盛り上げれば上の人も絶対盛り上がると思うし、僕を観にパンクラスに来るお客様を増やしたいと思います。(場内拍手)
: 最後これだけお客さんが残ってくれましたけど、その事について。
■ 川村亮:いやもう本当に嬉しいです。勝ったことよりこうやってお客さんが僕の顔を見るために最後残ってくれて…皆さん、本当にありがとうございました。本当に嬉しいです。(場内拍手)ありがとうございます。
: セコンドのismの皆さんも喜んでいたみたいですけど…。
■ 川村亮:お客さんに喜んでもらうのも嬉しいんですけど、いつもお世話になっている先輩方に喜んでもらえるとすごい嬉しいですね。
: 次の目標みたいなものは見えていますか?
■ 川村亮:こうやって残ってくれた人全員次の僕の試合を観に来てくれるのは勿論のこと、もっとパンクラスから発信して、もっともっと僕を観に来てくれるお客さんを増やします。そのために気持ちを強くしてやっていきます。それが目標です。
: 最後白い線は見えたんですか?
■ 川村亮:見えてない。見えたらもっと簡単に勝てますよ。全然見えてない。僕も願っていたんですけどね。まったく見えずに終わっちゃいました。もう見えないんじゃないですか? 神様が「お前はソレ要らない。気持ちで勝てよ」っていうことじゃないですか? …思ったより質問が少ないですね(場内・笑)
: 今日の勝利で、PRIDE参戦っていう道も掴んだと思いますが。
■ 川村亮:僕はPRIDEに上がるためにやっているわけじゃないんで。パンクラスっていうリングがあるじゃないですか。十何年も歴史のある、僕が憧れて、入ったリングがあるんで。ここに出るために練習生として入って、ここまで来ているんですから、PRIDEは…皆さんに知ってもらう手立てかもしれないですけど、僕にはパンクラスのリングがあるんで。パンクラスのリングでやりたいです。そんなに固く考える必要はないですけど、僕にはパンクラスのリングがあるんで。それで皆さんもパンクラスを観に来てくれるんで、そういう皆さんを増やしたいです。
: 最後、場内の皆さんに一言を。
■ 川村亮:皆さん、ありがとうございました!(場内拍手)本当に途中でヤバかったんですけど、皆さん観てくれているんで、負けられないっていう気持ちだけで応えました。だから皆さん、絶対次、覚えていますからね。必ず観に来てください。絶対今日みたいなね、…今日みたいなのばっかりだと僕の体がもたないと思いますけど、気持ちで絶対負けない試合を見せますので、皆さん…どうもありがとうございました!(場内拍手)
: 今の心境は?
■ ダニエル・アカーシオ:今とてもいい気分でいます。ノックアウトはされたんですけどまったくダメージもなくって、その時の意識もちゃんとありました。だから止められてすごく納得いかないです。彼の顔をボコボコにしたのは俺だし、俺の体には彼の血も残っています。だから是非リベンジを11月か12月にリベンジをしたいです。
: 倒れてしまったのは何故でしょうか?
■ ダニエル・アカーシオ:アレがいわゆるノックアウトなんですけど、彼も二回ほど倒れたんです。それも多分ノックアウトと言うと思いますが。
: では、自分の方が先に勝ってた筈だ、と?
■ ダニエル・アカーシオ:彼の顔を見たらわかると思いますが、目も見えてなかったし唇も切れてましたし、鼻血も出していたし足にも痣ができていました。だから間違いなく自分の方が勝っていました。だから何故レフェリーが止めなかったのかまったくわからないです。今からまた試合もできるし、それくらい調子がいいです。レフェリーがちょっと早く止めてしまったのは、反省した方がいいと思います。もう一回、場面でレフェリーが止めないことをお勧めします。何故なら、シュート・ボクセでは「リングで死んでこそ負け」ということがありますので、倒れたから止めるというのはあまりよくないと思います。
: リベンジの機会が組まれたらどのように戦いますか?
■ ダニエル・アカーシオ:タイムも何もなしで、どちらかが倒れるまで延々とやりたいと思います。そこでレフェリーが間違っていたことを証明したいと思います。
: 最後貰ったパンチについて、油断したということはありませんか?
■ ダニエル・アカーシオ:何度聞かれても答えは同じです。そこで止めるべきではなかったし、…本当にそれしか言えないです。止めるべきではなかった。
: 何か、パンクラスに対して提訴をされるつもりは?
■ ダニエル・アカーシオ:そこまではしないです。何故かと言うと、自分が負けてしまった結果なので、それは受け入れると思います。ただ、レフェリーに関してですね、これからパンクラスのレフェリーは感情を入れないで冷静な心で試合を見守って貰いたいと思います。逆にこっちから記者の皆さんに質問をしたいのですが、彼の顔を見てどう思いましたか? 状況を見てどう思いますか? 皆さんも多分見てたと思うんですけど、彼はノックアウトしていましたよね。
: 今まで川村選手を含めて四人と戦ったわけですけど、川村選手のレベルはどうでしたか?
■ ダニエル・アカーシオ:四人の選手と戦ってきたわけですけど、今まで戦った三人はいい選手でした。ノックアウト…倒されてはいましたけど、それはちゃんとしたノックアウトでした。今回のダウンはもう一回言いますけど、審判の方々に話し合ってこれからちゃんとしていただきたいと思います。何故ならこれから他の選手が出てきて、精神的に弱い方だと負けてしまった結果によって選手生命が終わってしまうので、それはちゃんとしていただきたいと思います。
: 川村選手の良かった部分はありますか?
■ ダニエル・アカーシオ:僕が彼の顔をボコボコにするまでは調子が良かったんじゃないかと思います。自分がしたのはダウンじゃないですね。スリップして、それで気は確かにありましたから。その時に彼の目をちゃんと見てましたから。その時に主審の方が入ってしまいました。
: 今回の公開練習の意図は?
■ 川村亮:今回、試合決まって、もちろん相手がいるんですけど、技術も高いと思うし、総合格闘技も強いと思うんですよ。で、そこで果たして今自分がどうしたらいいのかなって考えたときに、技術を向上させるということはもちろんあるんですけど、川村亮という人間としての生命力、人間力で対抗したいと思ったんで。格闘技の練習ももちろんやってますけど、主に走ったりとか、重いもの持ち上げたりだとか、そういうのを多く取り組みました。ですので、今のようなトレーニングとかも。よく考えたらそういうトレーニングって、僕が大学のときやってたトレーニングに近いものがあったんで。走り込みとか、細かいステップとかを多くやってきました。
: 昔を思い出した?
■ 川村亮:そうですね。僕、もともと取り入れてたんですけど、今回、もうちょっとやってみようと思って。いろいろ思い出すたびに『こんなトレーニングがあるな』って。いろいろ考えてみると、今格闘技やってるときに使うものに近いものがたくさんありましたね。スタン・ハンセンのウェスタンラリアットももともとアメフトの技だったんですよね。そういうのとかも考えていくと、捨てたもんじゃねえなって思いましたね。
: アメフトの技術で総合に使えそうなものもある?
■ 川村亮:気持ちの問題ですね。キツいなって思えばいつでもやめれるし、一人の練習だから。そういう気持ちの強さが大事だなっていうのは再確認しましたね。
: 今回、強豪が相手ということで、今までと違うプレッシャーはある?
■ 川村亮:いや、違うっていうか、対抗するにはそれしかないなって思ったんですよね。どこで勝てるかって自分で考えたら、技術とか、細かい動きはもちろんですけど、それは置いといてってことですね。基本的な人間の動きってあるじゃないですか。歩くとか、走るとか。僕という人間の生命力、人間力を高めたって感じがしますね、今回。それで戦いたいと思います。
: アカーシオ選手の印象は?
■ 川村亮:うーん、そんなに深く考えてないですけどね。強いとは思います、明らかに。強いと思いますけど、自信はありますね。僕がまだ出してない力を出せると思うんですよね。自分の見た事ないような力を出せると思うんで、すごい楽しみですね、今の心境ですね。本当に今は緊張とかもなく、すごい楽しみになってますね。
: 今までの試合だと、自分のリミットを超えていないという感じがあった?
■ 川村亮:ありましたね、自分では。もっと熱くなれるんじゃないか、もっとすごいものが見せられるんじゃないかとはいつも思ってましたね。もっともっと上があるんじゃないかって。
: 今回、そのリミットをはずせるんじゃないかという期待感がある?
■ 川村亮:そうですね。それこそ、自分を出さなきゃいけないと思うんですけどね。自分でその力をバッと出せる人が強いと思うんですけど、僕の場合、それがまだできてないんで、できればいいなと思いますけどね。
: どこか冷静な自分がいる?
■ 川村亮:かもしれないですね。それをどこで変えていくかって言ったら、試合しかできないと思うんで、楽しみですね。
: アカーシオ選手は、『ライオンが獲物を食いに行く』というような挑発をしていたが?
■ 川村亮:いいっすね。楽しみですね。どうやって食いにくるのか。そう言っててくれてほうがいいんじゃないですかね。僕としてはやりやすいですね。
: どのような戦いをしたいですか?
■ 川村亮:お客さんが観て、すげぇなって、人間・川村すげぇなって思ってくれるような試合をします。
: 作戦は立てずに、リング上で人間・川村が何を出すかに賭けている?
■ 川村亮:そうですね。もうそこに立って、自分の本能ですね、生きる本能っていうか。僕、強いと思うんですよね、そういうの。
: 自分の生命力が強いと思うことがある?
■ 川村亮:僕、産まれてすぐの頃に死にかけてるらしいんですよね。原因不明の病気で。親も呼ばれて『覚悟してください』って言われたらしいんですよ。でも、特別な治療もせずに点滴打ったら治ったっていう(笑)。それで医者は『この子の生きる力で治りました』って言ったらしいんですよ。それから親は『この子は自由に生きさせてやろう』って思ったらしいんですよ。そしたらこうなったと(笑)
: では、逆境になればなるほど強い?
■ 川村亮:逆境にしたくないですけどね。でも、よく言われてましたね。『お前、何があっても絶対生き残るな』って。いいのか悪いのか分かんないですけど。あと、僕、小・中・高12年間皆勤賞なんですよ、これもすごいですよね(笑)
: このキャリアでアカーシオ選手と対戦するということは期待されているということだが?
■ 川村亮:素直に嬉しかったですね、話をいただいたときは。
: ここを乗り越えるのとそうでないのとではかなり変わってくる。
■ 川村亮:まあでも、そんなに深く考えてないですね。結局は裸の二人がリングに入って、どっちが強いかやるわけですから、その後はどうだこうだって考えないで、そんときは思いっきりやるだけなんで。向こうは技術で来るかもしんないけど、こっちはもう人間としての力で立ち向かうと。同じようにやっても面白くないですしね。
: 久しぶりの日本ですが、調子はいかがですか?
■ ダニエル・アカーシオ:また日本でやれることがすごい嬉しく思います。日本にもたくさんのブラジル人が働いていますので、日本にいるブラジル人の為にも日本で戦いたいと思います。本当は『JP』という大会のオファーを受けていたのですが、そっちを止めて日本のファンに是非見せたいので日本で試合をすることを決意しました。
: 日本でのプロモーションがパンクラスというリングですが、パンクラスのリングに対する思いはあるのでしょうか?
■ ダニエル・アカーシオ:特別にどうこうという気持ちが変わるわけではなく、リングに上がるということはどこでやっても気持ちは一緒なのでどこでやろうと特別という気持ちはないんですけど、日本でやるということはすごく嬉しく、日本でやる試合はパンクラスでも他の団体でも他の国、他のイベントに比べてもとてもいいのでそこはとても嬉しいです。
: 対戦相手の川村選手の印象、ビデオなどをご覧になっての感想はいかがでしょうか?
■ ダニエル・アカーシオ:特に見ていないです。対戦相手が誰であろうとビデオは見てきていませんし、これからも見るつもりはありません。彼が僕の前の試合、三崎選手や郷野選手との試合をもし見ていて、それを基準に練習していたならとても驚くと思います。何故なら、多くの点が変わっているので、彼にはサプライズがたくさんあると思います。
: その変わった点がたくさんあるというのは具体的にはどのようなところでしょうか?
■ ダニエル・アカーシオ:色んなところが変わりました。今までは試合をしてきて十分に発揮できなかった点がたくさんあって、自分のよさがブラジルのファンはわかっているので、今度は日本のファンに新しい点や発揮できなかった点を見てもらいたいと思います。ブラジルの諺があるんですけど、どこの国にもあると思いますが、ライオンがすごくお腹を空かせている状態でエサを目の前に置くと、物凄い勢いで飛びつきますよね。今の僕はその状態です。
: どんな試合をしたいと思いますか?
■ ダニエル・アカーシオ:とにかく乱暴な試合をしたいと思います。アグレッシブな試合です。今ここで10分くらい(練習を)やったと思いますけど、その10分間を短縮した5分で全てを出せると思いますので、楽しみにしていてください。
: 相手の川村選手も打撃に自信がある選手ですが、その辺はどう思いますか?
■ ダニエル・アカーシオ:打撃がいいのは俺も一緒なので、あと今まで聞いた話なのですが今まで戦ってきた中で自分みたいな選手はいなかったと思うので、さっき言ったライオンみたいな感じでやっつけます。
: その川村選手にメッセージみたいなものはありますか?
■ ダニエル・アカーシオ:グッドラック。そして、よく寝て試合に向けて体調を整えてからリングに上がって欲しい。そして、いい夢を見れることを。リングに上がったとたん、悪夢が始まりますので。
: 日本のファンにメッセージを。
■ ダニエル・アカーシオ:ファンの皆さん、いっぱい、たくさん応援してください。自分も精一杯戦いますので。そしていい試合、いいイベントに仕上げるために自分の精一杯でリングで戦います。そして、自分の先輩であるシウバみたいに皆がよく思えるような選手になりたい。そして、血を流しても、何が起きても自分はずっと戦いますので、応援をお願いします。
: 今話にもあったシウバ選手が一昨日ミルコ・クロコップ選手に敗れましたが、同じシュート・ボクセのシウバ選手が敗れたことをどう受け止めているかということと、あの一戦を受けてアカーシオ選手自身が次の戦いに向けてどういう意気込みで臨むのかを聞かせてください。
■ ダニエル・アカーシオ:自分は一ヶ月くらい日本にいるのですが、それを伸ばした形で日本に滞在しているんですが、仲間たちの試合を見るためにそのようなスケジュールにしています。そして、前回シウバの試合を見てとても悲しかったです。何故なら仲間だし家族みたいなものなので悲しくなるのは当然です。負けたけれど、自分は負けたと思っていません。自分の胸の中ではシウバ選手はいつもチャンピオンだと思っています。次の試合は彼はいい試合を見せて勝つと思います。自分は常にシウバ選手を心に抱いて目標として試合に臨んでいます。