●いま課題として持っているのは?
近藤:やっぱ一生懸命やるってことですよね(笑い)。具体的にはないですね。…ちょっと難しい話になるかもしれないですけど…打撃とレスリングって、別に切り離して考えてないし、自分の体をどう使うかってことだと思うんですよ。そこが自分の中でいちばん興味のあることなんですよ。テクニックは、例えば柔術は「ここをつかんで、こうすると引っ繰り返る」とか、そういうのはあんま興味ないんすよね。練習してて、ちょっと人と観点が違うなとは思いますね。技術に対しての目の向け方っていうのが。打撃だったら、ワンツー打ったらこっちに逃げるから、こっちフックを打つとか、そういうコンビネーションをつくろうとするじゃないですか。要するに、そういう形に基づいた計算ですよね。でも僕はそういうことよりも、どうやったら体がうまく運べるか、対応できるかってほうに意識があるんです。…言葉じゃ難しいかもしれないけど。自分のバランスをどう保って、体の軸をどう回転させるかっていう…全然わからないですよね(笑い)。
●はあ…難しいなあ。で、それは近藤理論なんですか?
近藤:僕の理論ですね。格闘技ってこういうもんなんじゃないかなって、自分で感じてやってることですね。
●近藤選手が師匠と呼んでいるのが船木さんですけど、船木さんからのそういったアドバイスは?
近藤:ありますよ。ただ船木さんは、僕の反対側の人間なんです。僕の印象ですよ。その、計算ですよね。だから相手のビデオ見てよく研究する。
●反対の人から教えてもらうことも、身につくんですか?
近藤:あくまでアドバイス程度ですけどね。船木さんは、僕の試合が終わると、その試合で僕が気づいてないところを教えてくれるんです。船木さんは形で教えてくれるじゃないですか。僕はその形を自分の中でイメージとして捉えて、僕の理論の中で消化するんで、だから正反対でも構わないですね。