●郷野さんの基準では、どのへんにあるんですかね。
郷野:分かりやすいところでいえば、UFC出てベルトに挑戦するとか。それくらいまでは行きたいし、行けると思ってるんで。
●それは、行けるような…手を挙げたらもう。
郷野:多分、近藤に勝ってれば、手を挙げれば行けたと思うんですよ。はい、もう、近藤戦はやっちゃいましたね(笑い)。人生設計がかなり狂いましたね。
●近藤戦の時点では、その先にUFCがあったんですか。
郷野:近藤に勝って、3月のディープでパウロ・フィリョとやって、その先はUFCっていう、自分の中で未来予想図ができてましたね。
●今の予想図はどうなってるんですか。
郷野:そうですねー、全く見えないですね。近藤に負けて、俺がどれだけ価値を落としたのか、それさえも見えない。とりあえず休んでたんで、試合をやって、また現場復帰することですね。
●復帰戦は窪田選手ですが、相手の印象は?
郷野:印象…特にないですねー。
●あくまでも仕切り直しの踏台にと?
郷野:踏台になるのかなあ。何にも届かない踏台じゃ、踏台じゃないですからね。
●(苦笑)またそんな…。
郷野:近藤はたしかに勝ったら踏台になったと思うけど、窪田じゃちょっと…ま、ならないでしょうね。まあチャンスはまた来ると思うんですよ。佐々木だって美濃輪に1回負けちゃったけど、その後ずっと勝ってきて、こないだグスタボ・シムっていう、なかなかやれない相手とやれたじゃないですか。ディープって場はちがうけど。そういうふうに、まあ、何回かに1回山が来ますからね。勝っていけば必ず、また年末くらいにはチャンスくれると思うんで。
●年末になる前に、そもそもの郷野さんの発案というか…
郷野:あ、(ブラジリアン)トップチームですね。
●はい。ディープでの対抗戦の話が進んでるんですよね。これは当然、今年の目標にはなってるでしょ?
郷野:でもなんか漠然としてて自分の中では。5月に試合やって、その次は多分7月くらいになるだろうし。9月にいくまでに2試合あると思うと、なんかまだ実感がないというか、遠い先の話になっちゃってるんで。
●では、いま間近なところでの目標というと、何になるんですか。
郷野:とりあえず、欠場前くらいのコンディションに戻したいですね。いい機会だと思って前から悪かった足首も手術しちゃったし。体全体のバランスがよくないみたいな。うまく言葉で言えないんですけど、何やるにしても欠場前は体の芯に一本力が入って、全身で力を発揮できるって感じだったんですけど、なんかいまウエイトやっててもスパーリングやっても、動かしてる部分部分だけ使ってて、体全体で動けてないような…体は覚えてなくても脳ミソは昔の感覚を覚えてるじゃないですか。だからやっててすごくもどかしいですね。
●練習は普段のものに戻ってるんですか。
郷野:メニューは戻ってます。ひと月くらい前には。
●この大会までには完璧までもってってほしいですね。
郷野:ならないと思いますよ。まあ戻っても80%くらい。それくらいあれば充分でしょ。オープン戦ですよ(笑い)。
●こっちが冷や汗かくトーク…前の話に戻っちゃいますけど、郷野さんのそういう発言には、きっと「プロとして盛り上げよう」という意図もあると思うんですけど、でも半分、いやほとんど本気じゃないですか?まるで思ってもないことを言ってるわけじゃない。
郷野:そうですね、本気で思ってますね。
●でも近藤選手があの試合の後に言ってた「ファン同士が憎みあうような試合はもうやりたくない」っていうのも、本音だと思うんですね。それについてはどう思いますか。
郷野:あれはガクゼンとしましたねー。「俺が積み上げてきた仕事が無にされた」と思いました(笑い)。俺がああやって言わなかったら、あんなには盛り上がらなかったでしょ。盛り上げて最後全部、近藤に持ってかれたけど(苦笑)。
●では、これからもあの調子で?
郷野:まあ、ぼちぼち言いますよ。ちくりちくりと。
●では最後に、この大阪大会に臨む気持ちを。
郷野:いやあー、今んトコまだモチベーションが全然上がってないんで。これからも上がるかどうか分からないけど。でも、ま、上がらなくても問題ないと思いますから、今回は(笑い)。