試合の事に入る前に、皆さん気付かれているかどうかわかりませんが、パンクラスはリングのキャンバスを新しくするとその日に鮮血に染まるというのがあります。今回レフェリングをするにあたっても、Sammyさんにすごく見易すい色のキャンバスに変えていただきまして、そのジンクスが生きなければいいなという気持ちで試合に臨んだ当日でした。
この試合、窪田選手が初めて日本人の先輩に勝った試合でした。序盤こそちょっと堅めにいった窪田選手ですが、何をやるかということが、今回試合の目的がはっきりしていたと思います。要するに、中途半端に倒れて後手にまわらないこと、攻めて行きながら相手に上を取られないように、スタンディングレスリングで中途半端に成らないようにということをこころがけていたことが、すごく印象的でした。これがダメならあれ、あれがダメならこれという、いろいろな形で攻撃していこうという若さあふれる試合を行っていたと思います。
対する長谷川選手としては、今回試合前練習中に右の膝をちょっと痛めまして、ギリギリで試合に間にあった様な状態で、体調としてはあまり良くありませんでした。長谷川選手としては、絶対そういうことは言わないと思います。そうした中で何回かグラウンドでホ-ルドを狙って行く形で入っていくんですが、何か少し、長谷川選手の足の固定が 少し弱かったような気がしたので、試合が終わった後に聞いてみたのですが、痛みとか、そういうことに関しては一切無く、負けたのはそのせいではないというような強気の発言があったのですが、その辺がちょっと試合を見ていて長谷川選手らしからぬ試合の流れだったのかなということが懸念されたところなんですね。
しかし、これは勝った窪田選手のチャレンジャ-らしい青コ-ナ-選手らしい試合での終始した闘い方という事で、この判定は微妙といえば微妙なんですが、ゆるがない勝利だと思いますので、これはもう窪田選手よくやったぞ、という第一試合だったと思います。
PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.10.04 後楽園ホール結果