PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.12.19 東京ベイNKホール

メインイベント キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチ 20分1本勝負
  • ガイ・メッツァー
  • vs
  • 近藤有己
○ガイ・メッツァー(20分00秒、判定/2-0)近藤有己×

序盤メッツァ-選手てこずったなという感がありました。近藤選手が構えを若干変えて低い体勢、そして懐をかなり深く相手の攻撃を引きつけてカットするという事。それからメッツァ-選手が出て来ようとする、技を仕掛けようとするところを一手先にカウンタ-を出したり間合いを見切ったり先手を打って行くというような形で近藤選手がメッツァ-選手を懐に入れない作戦に出ました。それがかなり良かったと思います。

左のクロスのロ-はかなり有効な立ち上がりとしての先制攻撃だったと思いますね。しかしさすがメッツァ-選手ですね、その作戦を見取って計算出来た時点でしっかりと組み合ってテ-クダウンを取って行くというメッツァ-選手らしさの充分出てくる試合だったと思います。他の試合を含めてなんですがきちんとテ-クダウンを取って上になってグランドレスリングでイニシアチブを取っていけるかどうかというそこの大切さが8試合全てに共通した部分だと思いますね。

ただチャンピオン・メッツァ-選手に要求するとすればテ-クダウンを取った後の何をフィニッシュにもっていくのかという、フィニッシュのさせかたをきちっともってもらえればと思います。チャレンジャ-はメッツァ-選手のスタンドレスレングをどうやったら打破していくかという、一つ今後チャンピオンに対してチャレンジャ-として要求されるファクタ-だと思いますね。ですから誰でもいいですからメッツァ-選手のスタンドレスリングを制止する人間を待ち望んでいるという形だと思います。

以上8試合、私個人的にこの東京ベイNKホ-ル大会を支えた男は誰かと、一人誰なんだと聞かれたならば私はメッツァ-選手でも近藤選手でも船木選手でもないと思います。陰で支えた本当のMVP、私は山宮選手だと思います。これはファンの皆さんに知ってもらいたい重要な事です。何かと言えば試合も出て渡部謙吾選手や船木選手、近藤選手のスパ-リングパ-トナ-を自分の練習をしながら大会まできちんとこなしていった。その中で石井選手の事を気遣い、鈴木選手の事を気遣い、本当に全てに気を配りながら自分の事もやり、自分の理想も高い所に掲げて本当に心身共にぼろぼろになって血尿が出ながら参戦したわけです。

そういう事を山宮選手は口をつぐんで口外しないけれど、そういう思いをして多くの選手が勇気を彼にもらった、それが大会の成功に繋がったんじゃないかなとそんな思いがして本当に最後の最後今年'98年パンクラスの本当にベストオブイヤ-は誰なんだと言ったら私は今年は山宮恵一郎、彼が一人本当に一番カロリ-を使ってパンクラスを支えた正真正銘の男だったと私はファンの人に伝えたい、そんな思いがしました。

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