point of view/廣戸レフェリー全試合解説
：PANCRASE CHRONICLE | パンクラス年代記

PANCRASE 2001 PROOF TOUR 2001.10.30 後楽園ホール

序盤から自分の形で打撃をベースに組んで行こうとする岩崎選手のスタイルに対して、佐藤選手は無手数流と言いますか、一つの型にはまらない閃きの中で闘うというような形に終始しました。ストライプルの練習の賜物ではないかなと思うのですが、試合はリードパンチをきちんと打ち、自分の身体を終始崩さない岩崎選手の強さが見えていたと思います。KOの前の段階で佐藤選手はの結構良いパンチを貰って、もしかしたら鼻の骨が折れるくらいの状態だったと思いますが、一度時間を止めてドクターチェックの入る位、岩崎選手の打撃が完全にヒットしていたという事だと思います。

その中で佐藤選手は自分はどの様な闘いをするというベースを持たないと、以前から言っている十得タイプの選手になってしまいますから、ここは一つ、打撃が嫌いだとか苦手だとか組むのが嫌いだとか何とかそういう事をイメージするのでは無くて、何をベースにして、どういう風に闘って行くのか、という組み立てというのがスポーツには絶対必要です。

一瞬一瞬で何となくやってしまうという事が一番波のある選手になってしまいますので、そういうところでの佐藤選手の一つ目標が出来たなと思います。もうデビューして日も経って来ましたから、いつまでも新人の気持ちで臨むのではなく、後輩選手が佐藤選手に触発される様にもう一回り発展した形に進んでもらいたいです。