芹澤健市
パンクラス・ウェルター級戦績、3戦2勝1分けでランキング3位に付ける芹澤健市と初対戦!

PANCRASE 2003 HYBRID TOUR
第5試合 ウェルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3ラウンド

國奥麒樹真、2002年9月・横浜大会(VS長岡弘樹戦)以来、2度目のウェルター級王座防衛戦!パンクラス・ウェルター級戦績、3戦2勝1分けでランキング3位に付ける芹澤健市と初対戦!

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○國奥麒樹真(3R 5分00秒、判定/3-0)芹澤健市×

PANCRASE 2003 HYBRID TOUR 2003.11.30 両国国技館大会結果

ウェルター級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチ調印式

■ 芹澤健市:自分としてはまだ早いかなというのもあったんですけど、ちょっといろいろ身体の調子とか年齢的なものもあって、今やらなければ、次はないんじゃないかと。そういうところまできてましたので、今までのキャリアとか、自分の人生全てをぶつけて挑戦したいと思います。勝てばまた次があると思いますけど、自分としては納得いく負け方であれば、引退する・・・気持ちでいます。よろしくお願いします。
■ 國奥麒樹真:引退をかけて、自分の人生全てをかけて、とおっしゃってますので、それを真っ向から受け止めて、芹澤選手の人間力というか、人としての大きさをしっかりリングの上で確認、受け止められればいいと思います。試合の当日は、チャンピオンとしての自信と誇りを持ってリングの上で戦いたいと思います。よろしくお願いします。

: お互いの印象をお聞かせください。
■ 芹澤健市:印象は、バランスのいい選手、隙がないというか穴がないというか、そういう印象で、今もどう戦おうか考えているんですけど、挑戦者ですので、全部ぶつけて失礼のないように戦いたいと思います。
■ 國奥麒樹真:年齢も自分より上ですし、道場もご自分で持たれているので、背負っているものが違ってくると思うんですよ。そういったものも全部含めて、人としての大きさですよね。そういったものを感じ取りたいです。リングの上で。それがどういったものかということを。それに自分もしっかり応戦して戦っていきたいと思います。

: 前回の後楽園ホール大会(10月31日)で、郷野聡寛選手が試合終了後、「自分の試合はタイトルマッチのどれか1試合よりも面白くなる」という挑発的な発言がありましたが、それについてはいかがですか?
■ 芹澤健市:ああ、オレかなと思いましたけど(笑)。まあ、何て言うんですかね、僕と國奥選手のことじゃないかと思ったんですけど、僕はそういうの聞いて、「見てろよ」という、そういう気持ちになったし、あんまり人のことはとやかく言わないで、自分は黙って勝負してほしいという気持ちがありましたけど、別に気にはしてないですね。逆に燃える材料ができましたね。
■ 國奥麒樹真:自分の方も、冷静に受け止めて、芹澤選手のおっしゃったように、自分のことに集中して。それを観て決めるのは観客の皆さんだと思いますので、それで判断してもらいたいと思いますけど。

: 現段階で試合展開はどうなると思いますか?
■ 芹澤健市:内容っていうのはともかく、周りで「面白くない」だ、何だっていうのを吹き飛ばす試合をね、僕と國奥選手だったらできると思ってますので、回りのヤジを、外野を黙らせたいというのはありますね。
■ 國奥麒樹真:内容はやってみないと、はじまってみないとわからないと思うんですけど、とにかく自分は、チャンピオンとして誇りをもってリングに立とうと思っています。

: フィニッシュのイメージはありますか?
■ 芹澤健市:イメージは沸いてないです、まだ。すいません。
■ 國奥麒樹真:試合の流れですね。流れで極められる時は極めたいし、パンチで倒せる時は倒せればいいと思います。

: 芹澤選手に質問です。さきほど引退をかけるという発言がありましたが、これはいつ決めたのでしょうか?
■ 芹澤健市:引退はですね、いろいろデビュー当時から腰とか首とか、今年の6月にはヒザのじん帯を切って、医者からは「ムリだ」と言われたんですれど、気持ち的な部分で、試合に向けて気持ちをもっていくだとか、体調を整えるだとか、そういう部分で、なかなか最近大変になってきて、中途半端な形で試合に出るのも相手に失礼だし、お客さんにも失礼だし、自分で納得いかない、そういう状況が続いたんです。毎試合毎試合、この試合が最後かなと思っているんですけど、試合になると良い感じで動いて、やってこれたので。いつも、毎試合、引退かな?引退かな?と思ってきたんですけど、この試合は良い区切りで、自分の人生の中での区切りとして終わらせても良いかなという気持ちになったので、口に出したんですけど。まあ、本当に納得したらですけどね。本当に納得したら、辞めると。

大会前interview

: ウェルター級調印式の中で國奥戦の結果次第では引退を考えているという発言がありました。それは負けた場合はということですか。
■ 芹澤健市:まあ勝って引退したいというのもあるんですけど、それはパンクラスにも闘った選手にも失礼だし、かっこいいまま終わりたいのは確かなんですけど。まあ仕事残して終わりたくないですから勝って次にやって・・・今は勝ってどうのこうのっていう先のことは考えてないですけど。納得して負けたらですね・・・今漠然と考えているのがKOか一本負けしたらっていうのは考えてますけど、そん時なってみないと・・・例えそうなった場合でも納得しなかったらどうなるかわかんないですけど。

: 引退を考えられたというのは、やはり体の故障とかに原因があるわけですか。
■ 芹澤健市:まあ体が一番だと思うんですけど、やっぱり体が痛いとか動かないとかなると気持ちも萎えてくるじゃないですか。モチベーションも上がんないとか。そういう部分で試合に向けて、いい練習ができてなかったりとか気持ちが固まってないのに試合をして、簡単に負けたりいい試合ができなかったりっていうのはとかお客さんにも失礼だし、自分も納得できないですし。

: 今回の一戦は両国国技館でのタイトルマッチという意味合いもありますが、國奥選手の名前は前々から芹澤選手が対戦したい選手として上げらてました。ようやく念願がかなった試合だと思うのですが、最初に話をこの対戦を話を聞かれた時はどんなお気持ちでしたか。
■ 芹澤健市:二つ頭に浮かんだんですけど、引退のことと(國奥戦が)はやいんじゃねぇかって(笑)伊藤(崇文)君と対戦したいっていうのもあったし、北岡(悟)とも対戦したいし。僕は好きな人と対戦したいんですよ。嫌いな奴とも感情的になって(試合を)できるんだけど、北岡も熱いもの持ってるし伊藤君も仲いいし、あの二人とはやっときたいなと思ったんですけどね。その二人を飛び越えてチャンピオンシップのチャンスをもらったんで、自分の体のことや年齢のこともあるし、ちょっと悩んだんですけどすぐにやりますと返事しました。

: その仲のいいというか認めてる選手と対戦したい言われましたが、そういう選手の顔面を殴ることへの躊躇とかはないんですか。
■ 芹澤健市:リングに上がってしまえば試合だとは思ってないから、喧嘩のつもりで・・・命のやり取りをしてる場だと思って闘ってるから。だからこそ根拠はないですけど、あんまり人間的に尊敬できない奴と試合をしても試合後何も生まれないですし、わけわかんない奴とやっても響くものがないと面白くないじゃないですか。

: 試合前にこんなことをお聞きするのも何ですが、もし國奥戦が最後の試合となった場合、芹澤選手の中でやり残したことっていうのはないですか。
■ 芹澤健市:まあ北岡も(対戦しろ)としつこいし(苦笑)北岡や他の選手も俺に影響された部分があるっていうのは言われたんですけどね。引退しないように脅されたんですけど、もし対戦しないで終わったとしたらそういうめぐり合わせだったんじゃないですかね。

: 今回試合前にあえて引退という2文字を出されたというのは、それだけの決意というか覚悟を持ってこの試合にのぞまれるると思いますが。
■ 芹澤健市:色々親しい人には言ってあったんですけど、調印式の場で言うのは悩んだんですけど、昨日は一睡もせずに悩んで・・・席についても言おうかどうか悩んでたんですけど、自然に出ちゃったっていうか・・・ただ言わないで中途半端に自分に言い訳して「じゃもう一回やろうか」っていうのが嫌だったんで、自分なりにケジメをつけて試合にのぞむつもりです。

: 以前お話をお聞きしたときに、自分の教えている子供たちに自分の闘ってる姿をみせたいとおっしゃってましたが、今回それほどの決意でのぞまれる試合という意味では、よりこの試合を通して伝えたいことがあるんじゃないですか。
■ 芹澤健市:最後に印象に残るような、パンクラスの歴史の中でもこの試合は凄かったって語り継がれる試合にしたいですね。僕の弟子とか子供たちとかに対してもそういう・・・でもあんまりそういう風に考えちゃうと硬くなっちゃうから(笑)普段どおりいきますよ。

: では対戦相手の國奥選手に関してお聞きしたいのですが、どのような印象をお持ちですか。
■ 芹澤健市:國奥さんも何でもできる選手ですし、穴もないし精神的にも強い選手だと思うんで、あの人がつまんない試合をしようと思えばそうなるでしょうし、僕は挑戦者だからどんどん前に出ようと思ってますから。あの人が守りに入らなければ面白い試合になるでしょうし。できればフルラウンド寝技したり殴り合いしたりして、最後ラスト1秒ぐらいでKOなり潰すなりしてくれれば僕はやめますよ。交通事故みたいに最初にやられちゃったり、ドロドロの判定とかになったらやめないっすよ、悔しいじゃないですか。そこで怨念がリングに残っちゃうから。

: 調印式の時に國奥選手から「芹澤選手の人間力をリング上で受けとめたい」というコメントが出ましたが、國奥選手にも芹澤選手の決意が伝わっていると思います。
■ 芹澤健市:やっぱり勝っても負けても面白い試合をしないと観てる方もつまんないし、やってるほうもつまんないし。こんな狭い格闘技の世界だからほんと選ばれた人たちは一生懸命やんないと。こんな不景気だから頑張らないといけないといけないですよ。普通の社会と一緒ですよ。僕も30歳まで社会人だったからわかるけど、ほんとにね上の人がおかしくて下の人間が痛い目みちゃうようなねそういう会社じゃもたないですよ。そういうのが凄い嫌だったから首になったし。人のことを若いというだけで否定する奴とかいるじゃないですか、18ぐらいの時によくそういう目にあったんで。同じ発言をしても年が若いというだけで聞いてもらえなかったり。そうやって俺のことを見下してきたやつらを見返してやりたいですね。俺は昔と何にも変わってないから。俺がやってきたことは間違ったと思ってないし。空手をやってるときに極真の大石代悟師範と芹澤竜一先輩という方に何に対しても前向きになれる心を教えていただいたというもあって、何に対しても自分の姿勢は変わらないですね。年くっても意地はなくしてないですから(笑)

: では、最後に11月30日両国国技館でのウェルター級タイトルマッチ、対國奥麒樹真戦への意気込みをお願いします。
■ 芹澤健市:最後になるかもしんないし、もし最後にならなくてもいつもそのつもりでやってるし、まわりの人には僕の体のことで心配かけてたりするから、そういう部分で恩返ししたいと思っているし、はじめて僕のことをみるお客さんに対してはこの両国の1試合がずっと印象に残るような選手でいたいというか・・・「俺の生き様をみろ」と。そして俺のことを認めなかった奴等には「ざまあみろ」と。あと俺を助けてくれた人には「ありがとう」「これからも宜しくお願いします」と(笑)

試合後interview

■ 芹澤健市:どうなんだろうな・・・? 今はわからいないけど、自分でビデオを見てみたいですね。倒されてから何も出来なかったというのは、基礎体力なり、動きなり、プロのレベルではないのかなと自分で思いましたけど。

: 実力差を感じたという事ですか?
■ 芹澤健市:実力差、感じましたね。僕の技術を持って、下になったら殴るとか、動きを作る、作れるというのが自分の売りでした。それが全く出来なかったという・・・・・。本当にバランスも良いし、チャンピオンですね、やっぱり。

: 気持ちの部分ではいかがですか?
■ 芹澤健市:そのレベルにいってないから、プロでやる資格が無いんじゃないですかね。そりゃ~、ケガとか言い訳としてあるんですけど、そんなケガしてまともに試合が出来ないなら、(リングに)上がるなって話しですからね。ちょっと今自分で、納得したとか、しないとか、わからないんで、テレビを見ます、自分の試合。まぁ、また考えます。面白くなかったんじゃないですか。もっと、総合だから殴って、殴られて、下になったら動いて、極めにいって、極めにいくなり殴るなり。下になりっぱなしで、殴られっぱなしで、レベルがやはり違うんじゃないですか? それ考えると俺と良い試合してる奴というのは、まだベルトに挑戦するようなレベルじゃない、と僕は思うんですけどね。(ウェルター級の)1位、2位もそうゆう事が言えるんじゃないですか。國奥さんにはリング上で(引退は)まだ早いって言われましたが、今日の自分の体調は良いつもりでいたんですけど、最初の1Rで足をたたまれた時に何か抜けそうになっちゃって。膝が・・・・。闘うレベルの身体じゃないんじゃないかと・・・・・・。身体は・・・・、手術すると思いますけど。それで、もし、半年なり1年休んじゃって、気持ちが持つのであれば、やるとしてね。治るのであれば、気持ちが持続すれば良いんですけどね。難しいんじゃないですか、そいうのって。長い間休んじゃって、練習しないで・・・・・。これで若きゃいいんですけどね。なかなか厳しいと思うんですけどね。まぁ、ちょっと、第3者的意見で言ってますけど。自分の気持ちは今言えないですよ。複雑ですよ。何もやらせてもらえなかったから、納得したというか、どっちかといったら、してるし・・・・・・、ちょっとわからないですね。でも、まぁ、効いた攻撃は無かったですね、腫れてますけどね。殴られて、そういう効いたパンチは無かったですね。タックルは効きましたね。精神的に(笑)。また入られたよ、また入られたよって(笑)。なんで反応出来ないんだよ自分で。いつもの自分の距離ではなくて、相手の距離に合わせてしまったと言われたんですけど、それも気づかなかったから、テンパってたのかなっていう。自分では冷静でいたつもりでいたんだけど・・・・・、自分ではね。まぁ、でも、格闘技界で、ダラダラこうやって、いつまでもやっている奴とかいると思うんですけど。俺が辞めたって影響が出るか判らないんですけど。スパッと辞めてね、また違う世界に行くのも、あれじゃないですかね、リアリィティー出すっていうか、他の世界でアピールするのも良いんじゃないですかね。プロレスにしたって50年、60年やって、ずっとやったり、普通考えられないじゃないですか。俺ら本当、真剣勝負で1分、2分でかたつくような、そういう勝負しててね。1分、2分前は凄く元気だったのに、 1分、2分後は動けなくなっている可能性って、本当にあるから。1分、2分後に格闘技出来ない可能性もあるから。だからそういうのは外にアピールするのは良いんじゃないですか。格闘技として。総合格闘技の世界として。練習も出来ない、身体痛いのにやってるって、格好良いかもしれないけど、失礼でしょ。今はそういう気持ちです。

: パンクラスに参戦してからずっと言ってきたじゃないですか、ベルトを自分の勲章として欲しいと。その舞台に立って、今回は取れなかったんですど。
■ 芹澤健市:まぁ、でも他の人より早くチャンスを貰って、チャンスがあって、両国でタイトルマッチをやるって、凄い優遇されたチャンスを貰ったと思うので。それは本当に嬉しかったですね。自分の夢が叶えられて。でも、まぁ、満足はしてないです。納得したかな、しないかなというのと、満足はしてないですけどね。ずっとやりたいですけどね。でも、まぁ身体が動かなくなる時もあるし、気持ちが続かなくなる時もあるし、そういう時期が来ると思うから。年を取って。

: 極真時代の先生とか、ご自分のWKの後輩とか、自分の教え子とか色々な方がいらっしゃったと思うんですけど、何か伝えたい事はありますか。
■ 芹澤健市:まぁ、やはり気持ち的な部分ですね。自分では最後まで諦めなかったつもりなんですけど、それが伝わったかなという。もし伝わってなかったら、申し訳ない気持ちでいっぱいですね。

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