高阪剛 vs ロン・ウォーターマン
“世界”を相手に活躍してきた両者が、その全てを賭けて雌雄を決する、至福の大一番!!

2004.11.07 PANCRASE 2004 BRAVE TOUR
セミファイナル 初代スーパーヘビー級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3ラウンド

今年5月の後楽園ホール大会で、3連勝のかかった高森啓吾(パンクラスMEGATON)を、その驚異的なパワーから繰り出すアームロックで秒殺葬。そして8月に行われた『PRIDE GP 決勝』大会では、ミルコ・クロコップを破ったケビン・ランデルマンを同じくアームロックで斬って落とし、その実力を満天下に見せつけた“ハイパー・タックル・マシーン”ことロン・ウォーターマン。
一方、昨年10月に行われた新日本プロレス『ULTIMATE CRUSH』で、身長差24cm、体重差22kgもある“巨大怪獣”ヒカルドンと対戦。圧倒的な体格差を、その不屈の精神と類まれなる技術で跳ね返し、終始積極的に攻め続けた末、見事勝利を飾った高阪剛。
【初代スーパーヘビー級キング・オブ・パンクラス】の栄誉と称号をその手に掴むのは、知的なパワーファイター、ウォーターマンか? それとも、勇猛なテクニシャン、高阪か?“世界”を相手に活躍してきた両者が、その全てを賭けて雌雄を決する、至福の大一番!!

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○高阪剛(3R 5分00秒、判定/3-0)ロン・ウォーターマン×

PANCRASE 2004 BRAVE TOUR 2004.11.07 東京ベイNKホール大会結果

記者会見インタビュー

■ 尾崎社長:本日ここにおられます高阪選手は、経歴、成績、ともに皆さんご存知のように、素晴らしい実績を持たれた選手です。この高阪選手が、パンクラスのリングに上がっていただくこと、また、タイトルマッチで試合をしていただくことを、非常に、大変嬉しく思っております。高阪選手には、パンクラスのリングをかき回していただきたいなと、そのように思っております。

■ 高阪剛選手:先ず最初に、この試合を組んでいただいたパンクラス、並びに尾崎社長に感謝の気持ちを述べたいと思います。どうもありがとうございます。今回、11月7日の東京ベイNKホール大会で、ロン・ウォーターマン選手とタイトルを賭けて試合をすることになりました。自分としては、とにかく日本人の中でも、ヘビー級の選手、世界のヘビー級の選手と互角に渡り合えるという自信があります。渡り合えるだけでなく、それを凌駕してトップに立つっていう、最大の夢、希望がありますので、その世界への新しい挑戦の第一歩、礎となる試合になると思います。もちろん激しい試合になると思いますし、厳しい戦いになると思いますけれども、必ず勝利して、ベルトを自分のものにしたいと思いますので、応援よろしくお願い致します。

: 総合の試合は1年ぶりですが、練習の方はいかがですか?
■ 高阪剛:練習はほぼ毎日、ヘビー級の選手を相手にずっとやっています。体調の方も、すごくここ最近、20代の頃を思わせるような身体の動きであったりとか、その気持ちの面であったりとか、充実していますので、自分自身すごく調子が良いと言えると思います。

: 改めて、対戦相手のウォーターマン選手の印象は?
■ 高阪剛:そうですね。彼と一番最初に出会ったのは『U.F.C.』の会場だったんですよね。彼は、確かあれが『U.F.C.』初戦だったんじゃないですかね。自分が試合していたかどうかっていうのはちょっと覚えてないんですけど。当時からものすごいパワーファイターで、自分の力に対して自信を持っているような印象を受けました。当時はそれほど技術的なところは見えなかったんですけど、ここ数年、その成長ぶりっていうんですか、皆さんご存知の通り、彼の試合自体がもうアグレッシブであり、力強い闘い方で勝利をもぎ取るっていう、パワーファイターの上に技術を兼ね備えたという状態になってきていますので、すごく強い選手だと思います。

: どのような攻略法を考えていますか?
■ 高阪剛:いや、攻略法っていうのは特に。もう細かいことをやってもしょうがないと思っているので、真正面からぶつかろうと思っています。現状としては、ヘビー級の世界ですよね。世界で闘っているヘビー級の選手というのは、たとえばロン・ウォーターマン選手にしてもそうだし、『PRIDE』や『U.F.C.』で闘っているヘビー級の選手であってもそうだし、あれだけの身体があって動ける、しかも技術を持っているというのが当たり前になってきているんですよね。だから、その小さなところを見るのではなく、大きなところで、括りで見て、なおかつそれを上回るような、技術、体力、そして気持ちの面を持っていないと勝てないと思います。だから、そういうところを中心に、自分は考えて練習してきましたし、まぁ、完成しつつあるところですから、それをそのままぶつけようと思います。

: 試合間隔が1年間空いた理由は?
■ 高阪剛:え~、体調不良とだけ。あとは、やっぱりもうちょっと何か足りないという部分がありましたし、それを補うためのトレーニングに時間が必要だと思ったからです。

: パンクラスという団体に対する印象はいかがでしょうか?
■ 高阪剛:自分と一緒に練習している仲間も、リングに上げていただいてるんですけど、非常に日本人選手の中でも凌ぎを削りあっている、そして世界に目を向けて何かを掴み取ろうとしている、前向きな気持ちがすごく感じ取れる団体だと自分は思います。

: 具体的に、練習相手のお名前は?
■ 高阪剛:今、自分と同じチームでやってる横井宏孝であったりとか、あとはパンクラスさんの高橋(義生)選手、それから藤田(和之)選手。昔からの友達でジョシュ(・バーネット)なんかは、日本に来た時は練習に来てくれたりだとか、あとボブ(・サップ)もそうですけど。あとは吉田(秀彦)選手であったりとか。とにかく自分が昔から交流があった選手とかは、お互いの利害が全く同じことを考えていたので、要はヘビー級で試合するにあたって、とにかく力のある選手、体格のデカい選手と練習を積み重ねていかないと今後は勝てないということをみんな考えているところがあったので、それで「練習しましょう」という話をすると、素直に来てくれるという状態です。

: 練習場所は『Gスクエア』ということでしょうか?
■ 高阪剛:そうです。

: 高阪選手が「パンクラスのリングに上がりたい」という希望を持ち始めたのはいつ頃でしょうか?
■ 高阪剛:いつ頃というのははっきり覚えてないですね。9月の中頃、いや、もっと前でしたかね。

: どういうきっかけだったのでしょうか?
■ 高阪剛:きっかけは、ロン・ウォーターマン選手と対戦したいという気持ちが強かったので、それで自分の方から「試合をさせていただけませんか」という話をさせていただきました。

: かつての団体同士のこともあって、抵抗感はありませんでしたか?
■ 高阪剛:抵抗感というのは無いし、あの~何て言うんですかね、そういうことを言ってる場合じゃないと思うんですよね。今の自分は、もうヘビー級の1選手であって、そこで世界を見た場合、どうしても日本人のヘビー級の選手はたいしたこと無いとか、あと、力のある外国人選手には勝てないと言われてしまうのが現状で、技術的にも体力的にも足りないんじゃないかと、世界に出てると言われてしまうんですよね。それがちょっと自分としては許せないところがあって。話を遡ると、自分が最後に出た『U.F.C.』で、リコ・ロドリゲスに完膚なきまでに叩きのめされて、それで、その時に思い知ったんですよね。これで(日本人の)ヘビー級が弱いと言われるのは当たり前だなって。それならば、俺が世界で一番強いと言われる男に、ヘビー級の世界でなってやろうじゃないかと思い立って、それで自分は前に進み続けているんですけど。それで、新しい、もう一回スタートを切る最初の試合がパンクラスさんであったと。そういうことです。

: スーパーヘビー級という、カテゴリーに関してはどう思ってますか? 高阪選手であれば、ヘビー級でもいけると思いますが?
■ 高阪剛:いや、もう自分の中では、ヘビー級というのは140kgもいれば、160kgもいるので、とんでもないヤツがいたりだとか、化け物みたいなヤツがいたりだとか、そういうのが自分の頭の中のヘビー級なんですよ。だから、ハードロックとヘビーメタルの違いみたいなもので、自分の中では同じなんですよね。だから、その中でトップに立てるかどうかっていうのが自分の中のテーマなので、そこはそんなに気にしてないです。

: 最終的には無差別級の王座も狙いたいと思っていますか?
■ 高阪剛:そこはまだ考えてないですね。今はとにかく一歩一歩やっていくしかないので。こういう試合は。何回も言いますけど、世界に通用する選手というのを目指してずっとやって来ているわけで。だから、そのやらなきゃいけないことの中で自分は試合をやっていこうと、これからもやっていこうと思ってます。

: 尾崎社長は、高阪選手から試合の希望があった時にどう思われましたか?
■ 尾崎社長:単純に嬉しかったですよ。僕は高阪選手の試合も、ビデオなり何なりで見てましたし、『U.F.C.』では実際目の前で試合を見させてもらってますし。日本人でこれだけの体格で、あれだけ動ける選手というのは本当にいないと思うんですよね。その高阪選手が「出たい」と言って下さったというのは、すごい単純に嬉しかった。その一言ですね。

: 今回の試合にあたって、ロン・ウォーターマン選手から何かメッセージはありますか?
■ 尾崎社長:直接は聞いてないんですけど、もちろん彼も高阪選手のことを知ってますので、「嬉しい」とは言ってなかったかなと(苦笑)。だから高阪選手を強いと思ってるんじゃないですか? 目の前で試合を見てますからね。ハードな試合になると思ってると思います。ただ、「タイトルマッチという場で、高阪選手と闘えるのは嬉しい」というのを伝え聞いています。

: 昔からのファンの人たちは、リングス出身の選手がパンクラスのリングに上がることに対して感慨深く思ってる人も多いと思いますが、高阪選手もそのあたりを感じることはありますか?
■ 高阪剛:まぁ、自分は知っての通り、リングスでデビューしてリングスで育った選手ですから、例え自分が「こういうことがやりたいな」とか、「こういう形でやれたら」とか、「こういう技術を取り入れたら」といくらやっていっても、芯にリングスがあることはもう一目瞭然なんですよね。試合のやり方を覚えたのはリングスですから。ですから、そういう見方をしていただくことは自分としては当然だと思いますし。今回の試合に関しては、自分はいろんなものに挑戦しなくてはいけないと思ってます。もちろんロン・ウォーターマン選手に対する挑戦、タイトルに対する挑戦、パンクラスさんのファンに対する挑戦、自分自身に対する挑戦、リングスファンに対しての挑戦でもあるし、とにかくそういういろんなものに対して、まず全部、全ての面で納得させなければいけないと思ってるんですよね。何故かと言うと、この試合は自分が望んだ試合なので。納得させて当たり前だと自分は思っています。だから今、こうやってこれから試合をやるにあたって、今までに無い緊張感と、気持ちの昂ぶりって言うんですかね? それがあります。それを乗り越えて、なおかつその観ている全てのお客さんに納得していただき帰っていただくっていう、そういう大きな仕事を成し遂げないといけないなと。そんな気持ちでいっぱいです。

: 世界への再挑戦の第一歩になるとおっしゃってましたが、この試合に勝つとパンクラスの王者となります。その上でやりたいことが何かあるのでしょうか?
■ 高阪剛:とりあえず、自分は目の前の事を一歩一歩やっていく、やっていかないと整理がつかないので、先ずは目の前の試合に勝つことしか考えてないんですけど、もちろんタイトルを獲れば、自分に挑戦したいという選手も出てくるでしょうし、それを受けるのがチャンピオンとしての責任でもあると思いますので、それは当然考えています。でも、とりあえずは目の前の試合をやらないことには始まらないし、まだ始まってもいないので。だから、それをしっかり自分のものにするっていうのが、自分の頭の中で一番大きく占めていることです。

: 高阪選手に関しては、継続参戦ということでよろしいのでしょうか?
■ 尾崎社長:してもらいたいと思っています。

: パンクラスとしては、今回が東京ベイNKホールでは最後の大会になると思いますが、高阪選手は何かNKホールに思い出はありますか?
■ 高阪剛:確か5回ぐらい試合してると思うんですよ。もっとかな? あの~、記憶に残ってるのはそれぐらいあるんですけど、その当時は試合することだけで精一杯で、何も考えることはなかったんですけど・・・。NKホール、なくなるんですか? 完全になく なるんですか? そこで試合が出来なくなるってことを聞いて、ビックリしたんですどね。まぁ、どっちにしても自分のNKホールでの最後の試合になると思うので、感慨深いものはありますね。

: なおさら勝ちたいですね。
■ 高阪剛:もちろんです。

記者会見インタビュー

: 初代スーパーヘビー級王者を決めるビッグマッチに出場が決定しました。現在の心境はどうですか?
■ ロン・ウォーターマン:試合が決まってから興奮がおさまらないほどさ。自分が勝つと信じているし、ずっと待ち続けたチャンスだから絶対にモノにするよ。

: 対戦相手の高阪 剛選手は、リングスで6年間レギュラー出場し、U.F.C.にも6回、DEEP やアルティメット・クラッシュにも出場するなど「世界のTK」と呼ばれる強豪です。
■ ロン・ウォーターマン:素晴らしい実力を持った決定戦に相応しい相手だと思う。でも彼の最近の戦績を見ると8試合で5敗 しているそうだね。俺はU.F.C.でアンドレ・ロバーツ、PRIDEでミルコ・クロコップに負けただけで2敗しかしてないし、勝機は十分自分にあるよ。

: どういう勝ち方をイメージしてますか?
■ ロン・ウォーターマン:特に何も対策は立ててないよ。いつも通り関節技で一本勝ちさ。

: 最後に高阪選手へメッセージをお願いします。
■ ロン・ウォーターマン:TKは過去に大型ファイターとの試合経験はあっても、自分ほどの身体能力と技量を持った選手とは対戦していない。過去最強の相手との厳しい戦いになるから真っ向勝負で向かって来い!

PANCRASE CHRONICLE | パンクラス年代記
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