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: それでは今年のパンクラスの具体的な展開をいくつか教えていただけますか? 他団体のリングへパンクラスの選手が上がっていくっていうのはどうなんでしょうか? あと例えば、DEEPさんとかは今後後楽園ホールでもやっていくようですが、その辺はライバル意識とかどうなんでしょうか?
■ 別にライバル視っていうのはないですね。僕はプロモーターっていうのは多い方が良いと思っています。そうじゃないと選手が上がるリングが少なくなっちゃうんでね。例えば今後ウチから見てライバル団体っていうのが出てきたとしても、そこのお客さんの数っていうのは多い方が良いですよね。興行戦争っていうのがあるとしても、全部の興行にお客さんが入った方が良いですね。
選手もこの10年でかなり増えましたし、かなり底辺も広がってきたんで、プロモーターは多い方が良いと思うし、興行の数も、そこに行くお客さんの数も多い方が良いです。自分の所だけが良いなんてプロモーターはもういらない。ある宗教的みたいに「私以外の神を信じてはいけない」なんてプロモーター、団体は必要ないです。
: それでは今年の展望として、大会場でのビッグマッチというのはどうなんでしょうか?
■ ちょっと場所はまだ言えないんですけど、1万人以上入る会場で5〜6月頃って考えてはいたんですが、ちょっと場所が空いてなくて。7月中旬か8月になりそうですね。それでも無理に6月頃やっちゃうこともできるんだけど、いろいろ準備不足のままやるより、準備にいろいろかけて面白い大会にして夏休みに一発やりたいかなと。その代わり、4月頃には文体なんかで大きい試合を組まないとね。やっぱりそろそろ菊田と近藤を対戦させないといけないかなぁとかね。その辺も調整しないといけないですね。あと隠し玉もそうですが、既に表に出てきていて、実力も人気もあってっていう選手をもっとウチのリングに上げて闘わせたいっていうのがありますね。
: ロン・ウォーターマン選手とか、ヒカルド・アルメイダ選手とか、海外の大物選手も上がってきてますが、そういう海外の隠し玉っていうのもあるんでしょうか?
■ えぇ、あるでしょうね。海外だけじゃないですけどね。まだちょっと言えないです(笑)。まぁ、この数年全方位外交っていうのを続けてきた訳ですけど、それが最近になって実を結び出したというか、道ができてきたって感じですね。
: パンクラスが魅力的だと思うのは、佐々木選手や郷野選手は修斗から来た訳じゃないですか。でも実力さえあれば上にいける訳じゃないですか。竹内選手なんかもそうですよね。あと和術慧舟會GODSの星野選手もタイトルマッチができたりとかって、他団体で格闘技をやっている選手から見れば「実力さえあれば自分も(パンクラスに)上がれるんだな」っていう目標になりますよね。
■ それが競技としての完全実力主義をパンクラスが明確に追い求めてきた方の結果だと思うんですよ。
: 今年はタイトルマッチを多くやっていくんですか?
■ そうですね。でもターゲットが多いでしょ。例えば国奥が総合に乗り込んできたムエタイの選手とやらないといけないかも知れない。それじゃぁ、こちらはその試合にターゲットを絞って盛り上げて興行を打っていく訳です。そうなるとウェルター級のタイトルマッチは行われないですよね(笑)。でも例えばそのムエタイの選手が、ウチの上位ランカーを倒してランキング入りしていれば、国奥との試合はタイトルマッチになって一番いい訳だけど(笑)。
それで、船木に言わせれば外敵という言葉になってしまうんだけど、お客さんが望む異種格闘技戦的なパンクラスの試合があったりとか、大物選手なんだけどランキング外でタイトルマッチは組めない、でも興行的には盛り上がる試合とか、そしてチャンピオンが行うタイトルマッチとか。我々がターゲットとして追っていく試合は多い訳です。だから我々としてはプロとしてお客さんが望む試合、お客さんが盛り上がる試合であるということを前提にして、その試合の一つとしてタイトルマッチを考えていきます。無理矢理タイトルマッチをやっても面白くないでしょ? 例えばセーム(・シュルト)はウチの無差別級チャンピオンですから、ウチのリングには上げれますけど、お客さんが望んでないのにただ単にランカーだからっていう理由で選手をぶつけて試合を組んでいっても面白い試合にはならないしお客さんは沸かないでしょう?
: タイトルマッチ至上主義ではないと。
■ ありません。だから僕たちは何年か前に作った「6ヶ月に一度タイトルマッチをやらないといけない」という規約を変えた訳です。タイトルマッチに拘ってると失うものも多いですから。でも、そういう時代、タイトルマッチを中心に興行を回していく時代は、必ず来るだろうと思ってますが、それが今年であるとは思ってません。
: それでは新たに新設の階級のベルトをつくるとかはやっていかないんですか?
■ それはやります。だって二兎を追うわけだから(笑)。ライトとフェザーは年内に絶対につくります。競技を求めていくパンクラスとしてはやっていかなければならないんです。だから大変なんですよ(笑)。
: 今、パンクラスの選手でその階級に該当する選手っていうのは誰になるんですか?
■ それがですね、フェザー級には砂辺がいるけど、ライト級には見事にウチの選手は一人もいないんですよ(笑)。それでもやります。ライト級はウチにはいないんですけど、ウチのリングに上がっている他団体の選手とか、ウチとお付き合いのある他団体の選手とか、外にはいるんですよ。ただ、砂辺のような認可ジムの選手とか、P'sLABの選手で上がってくる可能性はあります。どちらにしても必ず実行します。大事な片方の兎の新しい出産ですから(笑)。
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