設立記者会見

1993年5月16日に株式会社ワールドパンクラスクリエイトは設立した。この日の午前10時より、東京・千代田区のダイヤモンドホテルにて設立記者会見が開かれた。

■出席者
船木誠勝、鈴木みのる、冨宅祐輔(現・飛駈)、高橋義生、柳澤龍志、稲垣克臣、國奥将竜(現・麒樹真)、ウェイン・シャムロック、尾崎允実、廣戸聡一、上笹功

■ 尾崎允実:
この団体をはじめることになる前に、今まで友人であった船木選手以下、レスラーの皆さんと何度も話しをし、彼らの熱意と夢を確認し、さらに認識した上で、この重責を務めさせて頂くことになりました。このパンクラスは、一応、私が代表者ということになっていますが、選手会代表である船木選手他、選手のみんなが主導権を握り、私たちスタッフが、これをサポートしていきたいと思います。みんな若いですけど、すごい夢があって、熱情があって、素晴らしい選手たちと自負しています。

■ 船木誠勝:
自分は15歳でこの世界に入って以来、9年間ずっと「将来有望な船木」と言われ続けてきました。9年間いろいろな体験をしてきました。失敗もありました。でも、今まで続けてくることができて、本当に良かったと心から思っています。 何度か人生を左右するような選択をいろいろな人に迫られたこともあります。自分はその都度、自分の本心を貫いてきました。今、この場所にいることに悔いはありません。いろいろな人との別れもありました。その反面、理想を共鳴出来る仲間を得ることが出来ました。とても大切な仲間です。その仲間たちと一緒に貫いてきたファイトスタイルで、信念を守るために団体を起こすことにしました。
団体名、“パンクラス”の名付け親はカール・ゴッチさんです。この先、自分たちの相談役としてこの団体に協力して頂くことになっています。
相手をいかに倒すか。自分がどこまで強くなれるか。リング上は完全実力主義です。その時一番強い者が勝ち残っていくリングにしたいと思っています。そしてこのスタイルを世界最強の格闘技にするため、あらゆる分野から技術を学び、進化していきたいと思っています。
自分たちは絶対にあきらめません。やり続けていけることが一番大切なことだと思います。船木誠勝の21世紀への挑戦。自分の将来が有望か、有望じゃないか。これからが勝負だと思います。新しい闘いがはじまります。ぜひ注目して下さい。

■ 鈴木みのる:
誰に対してでも、絶対に曲げなかった自分たちの夢と情熱が、やっと形になって出来ることになりました。これは僕だけの力では絶対に出来なかったことですし、ここにいる全員の選手の気持ちと皆さんの応援があったから、こんな僕たちを見捨てなかった皆さんがいてくれたおかげでここまで来ることが出来ました。ありがとうございます。すごく嬉しいです。よろしくお願いします。

■ ウェイン・シャムロック:
この度、この様な主旨のもとにはじまったパンクラスに参加出来たことを大変嬉しく思っています。このナチュラルスタイルの格闘技を、(現在私は)アメリカでトレーニングしているんですが、活躍する機会が日本で出来ることを非常に楽しみにしています。

■ 冨宅祐輔:
個人的なことなんですけど、僕はみんなより約半年ぐらい試合から遠ざかってまして、こういう場には合わないんですけど、昨日でちょうど欠場して一周忌ということで。ちょうど一年たって喪が明けたので、また新しい気持ちで、次の試合が再デビュー戦と思って頑張っていきます。

■ 高橋義生:
自分は一生懸命練習して、誰よりも強くなって、この団体で一番強くなれるように頑張りたいと思います。

■ 柳澤龍志:
僕はいろんな相手と、いろんなルールでいろんな団体の選手とかとも闘っていきたいし、それをやることがこの団体で一番強くなれる道だと思っているので頑張ります。

■ 稲垣克臣:
パンクラスは皆さんが情熱と熱意を持って一生懸命作った団体です。自分が今ここにいられることにとても感謝し、誇りに思っています。

■ 國奥将竜:
一生懸命練習して、早く選手になりたいです。

■ 廣戸聡一レフェリー、上笹功リングドクター紹介

質疑応答
ルールはどのようになりますか?
■ 鈴木みのる:基本的には今まで闘ってきたルールを基にしていきますが、一番大きな違いは、今までロープエスケープ自体、すごく安易に考えられていて、ロープに逃げるということは、僕たちの判断では一回腕を折られているということなので、これからはロープエスケープ1回とダウン1回は同じ価値とします。それでいて、今まで通り5ノックダウン制とします。その他の細かいことは、いろいろとこれから決めていきたいと思います。
ラウンド制の採用は?
■ 船木誠勝:他の分野の格闘技とかとやる場合はあり得ますけど、パンクラスのルールの中では30分1本勝負を基本としてやっていきます。
パンクラスはプロレスとは一線を画すものですか?
■ 船木誠勝:それは皆さんで見て、判断して頂きたいと思っています。自分たちはプロレスにこだわるつもりもないですし、だからといって全然違う格闘技を目指しているわけでもないので、それは見る人にお任せします。
船木選手自身は、どういう風に考えていますか?
■ 船木誠勝:自分も9年間プロレスをやって生きてきたわけですから、その延長という気持ちで。でも全く同じではなく、ちゃんと進化させて新しい自分の理想に向かっていきたいと思っています。プロレスの進化した姿と受け止めてもらえば結構です。
シャムロック選手の参戦の理由は?
■ ウェイン・シャムロック:今までやってきたスタイルではなく、パンクラスではじめられるスタイル、船木さんの考え方が自分の考えに合っていたからです。
他の格闘技選手の参加はありますか?
■ 船木誠勝:自分たちのパンクラスのスタイルに共鳴して、自分の力を試したいという人がいれば、誰でも拒みません。
シャムロック選手以外の他の外国人選手の参加は?
■ 船木誠勝:アメリカに関しては、全てシャムロックに任すということで、他の国に関しては、今のところは考えてないですけど、世界中に自分たちのスタイルに共鳴する選手がいると思ってますので、今後自分たちで探していきたいと思っています。

会見終了の挨拶
■ 船木誠勝:若い人間が集まってやっていくことになりました。未熟ですがよろしくお願いします。

団体概要(1993年5月16日設立時点)
社名:株式会社ワールドパンクラスクリエイト
通称団体名:パンクラス(PANCRASE)
代表取締役:尾崎允実
スタッフ:広報=三矢久美子、岸葉子。営業=坂本靖
資本金:1000万円
所在地:東京都港区赤坂9-5-29赤坂ロイヤルマンション209
所属選手:船木誠勝、鈴木みのる、冨宅祐輔、高橋義生、柳澤龍志、稲垣克臣、國奥将竜、ウェイン・シャムロック
選手会長:船木誠勝
レフェリー:廣戸聡一
リングドクター:上笹功