PANCRASE 268
7.05 東京・ディファ有明
第9試合 獅庵 vs リルデシ・リマ・ディアス
第7試合 北方大地 vs ハイミソン・ブルーノ 両試合の裁定について
キング・オブ・パンクラス・コミッション
コミッショナー 廣瀬 隆司
コミッショナー 廣瀬 隆司
裁定事項の訂正
2015年7月5日PANCRASE268ディファ有明大会で行われた、
第9試合獅庵対リルデシ・リマ・ディアスで、2R終了後噛みつきにより受けた獅庵選手への口頭注意を取り消すものとする。
第7試合北方大地対ハイミソン・ブルーノの試合結果1R0:49北方大地のローブローによる反則勝ちの裁定を1R0:49アクシデントによるノーコンテストに変更するものとする。
1.理由(検証の結果)
(1)について- 当日の担当レフェリー、サブレフェリーに事実関係を確認
コミッションは同試合のメインレフェリーを務めた審判員、並びにサブレフェリー1名に、噛みつきの行為を試合中確認できたか聴取したところ、確認はしていないと言っていた。 - なぜ噛みつきと判断し口頭注意を出したのか
噛みつきがあったとアピールしたディアス選手の前腕を確認したところ、歯形が確認できたため。しかし審判員自身が噛みつき行為を確認してなかったので、イエローカードではなく口頭注意にとどめた。 - レフェリー、サブレフェリーが噛みつきを確認していないのに、なぜ歯形はついたのか
試合映像を確認したところ、ディアス選手がフロントチョークを仕掛け、腕を獅庵選手の首に巻きつけ絞りあげた際に、開いた状態の獅庵選手の口に巻きつき絞りあげた為であった。
- 補足
自分の腕が見えない状態で歯が強く腕に当たっていた為、ディアス選手が噛みつかれたと判断してしまった事は虚偽のアピールにはならず過失はない。また噛みつかれたとのアピールを受け歯形を確認した為、獅庵選手に注意を促したが行為自体を確認はしていなかったので、勝敗に影響の無い口頭注意にとどめた審判にも過失はないと判断する。
- 当日の審判団の判断
構えていた北方選手に蹴りを出したブルーノ選手の脛が股の下から垂直にあたっており、インターバルをとって本人も回復を試みたが回復せず。医師の判断もこれ以上の続行は不可能というものだったので試合は終了した。故意では無い偶発性のローブローであるとは判断されたが、ローブローという反則をブルーノ選手が犯し、北方選手が続行不可能となった為ブルーノ選手の反則負けの裁定を下す。 - 従来のパンクラスルールにおいての解釈
昨年5月より以前のパンクラスルールでの解釈において、アクシデントというのは両選手に過失がない場合のみという判断であった。よって一方の攻撃で蹴りを放ちローブローとなり、受けた相手のダメージが大きく試合続行不可能となった場合に、反則裁定を下してきた。 - ユニファイドルールにおいての解釈
現在のユニファイドルールにおいての解釈では、一回目の故意ではない偶発性のローブローにより試合続行不可能となった場合「アクシデント」と判断するのが妥当である。
- パンクラス審判部長にはルールの文言だけでなく、その文言の解釈もユニファイドルールに則り施行していく為の改善と、審判員への指導の徹底を求める。
- 北方選手、ブルーノ選手ともに想像を絶する努力をして臨んだであろう試合が、この様な結果になってしまった事は大変残念に思う。また裁定をめぐりこの様な混乱を招いてしまった事も大変申し訳なく思う。今後また両選手のファイトをパンクラスでご披露いただけるよう切にお願い申し上げる次第である。
以上