パンクラス
 
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update:2004.02.19

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タイトル戦が決定しました。最初は蝶野選手との試合だったのが、急遽変更で天山広吉選手になりました。
鈴木みのる:言ってみたら通っちゃったって感じかな。蝶野の試合見てたら、あんなにコンディションの整っていない、状態の悪いレスラーと試合をする気になれなかったんだよね。(2/15・両国大会のVS天龍源一郎戦は)あきらかにアクシデントじゃないもん。あきらかな練習不足。それは肉体的にも技術的にも。肩透かしというか、「何じゃこりゃ」って感じっすね。それが最初にあって、あと、みんなが忘れないうちに天山とは決着つけたかったから。アイツが血をダラダラ流しながらベルト獲ったから、だから「コレはオレとやる舞台を作ったんじゃないか」って勝手にそう思って。いいステージじゃないですか。たくさんの人間の前で、メインイベントで、惨めな姿をさらす舞台が整ったわけじゃないですか。天山にしてみれば。経緯も何もないですね。パッとひらめいて。蝶野とはやる気が起きません。天山とタイトルうんぬんってのはオレの中ではどうでもいいんだけど、天山とやらせてほしいと。アイツと決着つけることがオレの中では先だと思ったんで、そういうふうに自分で切り開いていかないと、なかなか(試合を組んでもらえない)。外の人間なんで行動を起こしていかないと。それがたまたま向こうがタイトル賭けてもいいぞってことになったんで(タイトル戦になった)。それだけですね。

先日の(2/15)両国国技館でのIWGPトーナメントでの天山選手の印象は?
鈴木みのる:いやぁ、頑丈だなと。頑丈なだけでしたね。誰よりも頑丈っていうのはよくわかりました。

天山選手の攻撃に関しての印象はない?
鈴木みのる:攻撃? いっしょじゃないのかな。それまでと何ら変わったわけじゃなく、チャンピオンベルトに対する執念が誰よりも上回ってたから、ラッキーを呼び込んだんじゃないですか、たくさん。見ててラッキーだなと思ったのは、天龍源一郎がパワーボムか何か狙った時に、崩れて倒れた時があって、あの時、血で滑ったんじゃないかな。その時に「ああ、こいつラッキー」って。そしたら、そのラッキーが決勝の最後の最後まで重なっていきましたよね。運はあるんじゃないかな。

現在の鈴木選手の鼻の状態は?
鈴木みのる:鼻は折れてましたね。

痛みはどうですか?
鈴木みのる:あんまり練習してないからわかんないですね(笑)。

練習はまったくしていないんですか? 蝶野選手のことを「練習していない」とおっしゃってましたが?
鈴木みのる:全くしてないよ。オレと蝶野と比べたら? オレの方がしてないんじゃないの?(笑)

何で練習していないんですか?
鈴木みのる:してるって言うのがイヤだから。別に練習は、これからVS天山戦に向けてどうするってことはないからね。アイツはアイツで「オレが新日本を守る」とか「新日本を引っ張っていく」とか言ってるけど、アレはウソだよね。ウソじゃない。新日本を守ってもいないし、引っ張ってもいないじゃん。アイツが守ってるのは自分だよ。自分がチャンピオンのベルトにしがみついてないと認めてもらえないから、ベルトにしがみついてるだけじゃん。チャンピオンという肩書きがなければ発言もできない。人に絡むこともできない。強気にも出れないってそれだけじゃないですか。それが、新日本を守るとか引っ張るとかよく言えるよな。アイツが一番好きで、アイツが一番守りたいのは自分自身なんだよ。そういうことは良くわかってるけどね。

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IWGPのシングルのベルトに関して何か思い入れはありますか?
鈴木みのる:最初はあったけど、なくなっちゃったね。最初来る時は、チャンピオンが一番強い人間だと思ってたけど。新日本に参加するようになって、徐々に、あのタイトル自体が、「強い者が巻く」っていう謳い文句があるけど、オレにはちょっと違うような気がしないでもない。ヘンな話、オレがちょっとでもケガしたら、さっさと返せって言うはずだよ、ベルト。オレが強かろうが弱かろうが必ず言うはずだし。天山も(ベルトを)獲るのは、高山から獲った時もそうだけど、いいと思うんだけどさ。ベルト自体が歴史があって、重いものだとか、凄いものだっていうけどさ、ベルトがそういうのを持ってるわけじゃないじゃん。その当時、その当時のチャンピオンが凄い闘いをしたから、そう思ってるだけであって。別にベルトが凄いわけじゃないじゃん。でも、いつしか目的がベルトを獲るとか巻くとかになっていって。だから、長く続いたヤツがいないしさ。凄い戦いをしました、その次凄くないって、そんなの多いじゃないですか。だから、チャンピオンベルトをどうしたいってのは特にないけど。アレを持っているといろんなところに自分が出ていける、いろんなヤツが挑戦してくる、そんなすごいベルト、最強の証、ということであれば、それは持っててもいいかなと思うけど。正直、獲ったことによってオレだけができるプランっていうのもあるけどね。IWGPっていうのはオレが子供の頃からあるベルトだから。今は、IWGPっていう新日本プロレスのチャンピオンベルトだけど、オレはフリーの立場だから、ベルト持って、このベルトが欲しいってヤツとか、統一戦がやりたいってヤツらとか、そういうのと闘うために、いろんなところに出て行けるわけじゃないですか。新日本が認めれば、の話だけど。だからIWGPが当初持っていた、世界中のベルトを1つのベルトに集約するんだ、っていうのをできるスタンスにいるのはオレの方かなって思うけどね。どうせ天山は獲ってもやんないじゃん。

勝った場合、次の対戦相手は佐々木健介選手ということがウワサされていますが?
鈴木みのる:勝たなくてもやるよ。ベルトを持ってるからやるとかじゃないもん。ベルトはあくまでもヤツらが欲しい欲しいって言ってるエサみたいなもんじゃん。日本人って、結局そういう土壌に産まれて無いじゃん、何気に。本気で物が欲しくて頑張ってるヤツらなんて、他の国にはそういう文化とか、生活環境とかがある国はたくさんあるけどさ。日本はそうじゃないじゃん。そう言ったほうがかっこいいから言ってるヤツらがたくさんいるじゃん。そういうの嫌いなんだよね。五体満足に学校も出て、親から小遣いももらえて、好きな物買ってもらって、その上に、強いと言われている証であるベルトがある、だから欲しい。だから頑張ります。アホかって。ホントに一生懸命頑張って、もっと純粋に闘ってほしいなと思いますね。だからオレが獲ることがあったら、ベルトを手にしたら、元の姿に戻したいと思いますね。アレじゃただの飾りだもん、あそこの団体の。よそも持ってるからうちも持ってるぐらいの存在でしかなくなっちゃうよ。まあ、人それぞれの考え方があるから、オレの考えが100%正しいとは思わないけど、オレの中ではオレの考えが100%正しいと思ってる。

試合展開は考えていますか?
鈴木みのる:最低限お返しはしたいですけどね。なんか「目ン玉くり抜くぞ」って言ってるらしいので、くり抜かれないように、ゴーグルでもして試合しますよ(笑)。オレが新日本守りますって言ってるんだったら、あんな髪型してないで、七三分けにしろって(笑)。まあ、新日本ではこのベルトが一番権威があるらしいんで・・・。でも、高山に聞くとそうでもないらしいね。扱いもたいして良くないし。チャンピオンになったからって何も変わらないって。ベルト巻いてないヤツより先にリング上がって、名前コールされるのも先で、って言ってたね。ちょっとした待遇も何も変わらなかったって言ってたよ。別にオレはその待遇どうのってのはいいけどね。ベルト持ってるからって何?って感じだったね、高山から聞いただけの話だと。それを考えると、みんなが目指す最強の証じゃなくて、新日本の中での新日本チャンピオンのベルトなんじゃないですか。インターナショナルなんて言葉は外しゃあいいんだよ。オレが獲ったらとにかく元の正しい姿に戻したいとは思いますけど。

元のっていうのは、いつ頃のIWGPのベルトでしょうか?
鈴木みのる:いつ頃の・・・いや、何のために作ったのかっていうのを、もう一度考え直した方がいいんじゃないのかな。そういうベルトあった方がいいと思うしね。野望のベルトじゃん。もともとできたのは。自分達が世界を統一するんだっていう。(今は)違うじゃん。枠の中で「これ欲しい人」って集まったヤツらで争ってるだけのベルトじゃん。落ちたビスケットに群がるアリの中で、でっかいのが持ってってるってだけの話だよ。現にIWGPって名前のついているタッグのベルトに誰も挑戦してこないじゃん。上がってきたの、星野さんだけだよ。「やってやる」って。ホントに星野さん上がってきたら、どうするんだよ。実際、そうじゃないですか。そういうのがすごいイライラするんだよ。かっこいいことはいろいろ言うんだよ。すごい幼稚な発想ではあるけれど。夢や希望や未来だとかよく聞くし。現実をほっぽっといて、そんなことばかり言ってる。若い選手もそう。そんなことはどうでもいいんだよ。リングの上でもっと自分をアピールして、自己主張して、闘えばいいじゃない。もっと単純にさ。それを言わせないように押し込めてる、上の方の体質なのかも知れないけどさ。そのうちの1人が天山かもね。天山であり、蝶野であり、ヤらがそういうのを仕切ってるのかもしんない。崩してやんないと。まあ、別にオレは人助けのために試合するわけじゃないから。自分は自分の野望のために闘いたいなと思うけど。さっき健介の話が出たけど、健介とはベルトがあろうとなかろうと、清算しなきゃいけない相手だから。とにかく闘ってケリをつけないと。あの時止まったまんまのものをね。それだけは忘れることなく、毎日頭の中にありますよ。ずっと。

先日の両国大会のトーナメントで、新日本の選手は全員1回戦で外敵と言われる選手たちと闘いました。ご覧になっていかがでしたか?
鈴木みのる:あんま、そんなの感じなかったね。みんな、個人の欲のために闘ってるじゃん。新日正規軍VS外敵じゃないもん。みんな、個人の欲で、キラキラ光ってるあのベルト欲しさに闘ってるだけじゃないですか。だから、全然そういう見方はしていない。一番欲しいというのが見えたのが天山かな。すごい執着心があるんじゃないかな。

健介選手は?
鈴木みのる:別に3回獲ったからいらねぇやって顔してたけどね(笑)。・・・まあ、でもこうやって自分がIWGPに挑戦する日が決まったんで、天山とか新日本とかにしてみれば、冷めないうちに良いカードを組んで盛り上げていこうなんて気持ちがあるかも知れないけど、悪いけど、このベルトは獲りますよ。申し訳ないけど。獲って好き勝手に使わせていただきます。とにかく天山と決着つけたいってだけですね。そしたら、ベルトはあっちからこっちに勝手に来るし。それだけのことなんじゃないですかね。天山とか、もっと素直に言えよって思うもん。「僕は自分の欲のためにやってます」って。「オレは新日本を守ったぞ」って、ウソつけ。「オレはオレのこと守ったぞ」って何で言えないんだって。もっと自分に正直に生きろって。誰も責めたりなんかしないんだから。みんな、そうやって生きてんだからさ。だけど、かっこつけて言ってしまう。だから、客にもバカにされる。こないだもバカにされてたじゃん、天山。あいつがポーズ取ると「シューッ」って言うんだよ、客が。バカにしてんだよ、あれ。明らかに客は「オレが金払ってやってんだ。オレの要求通りに動け」って言ってるんだよ、客が。オレの感覚からしてみたらね。で、天山がそこでモンゴリアンとかやらないと客が「あーーっ!」って言うんだよ。何だそれって。バカにされてるんだよ。本人気付いてないの、それ? そういうのもおめでたいやつだなって思うし。こんだけ次から次へとオレの口から出てくるのは、これも全てあの時の借り、じゃないね、恨みは晴らさせてもらいたいのがあるから。お前の首だけはもらうぞって。

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新日本プロレス『HYPER BATTLE 2004』名古屋レインボーホール大会
2月29日(日)試合開始:午後4時 名古屋レインボーホール
■ 10大スペシャルシングルマッチ/IWGPヘビー級選手権試合
第35代IWGPヘビー級王者:天山広吉 vs 鈴木みのる:挑戦者(第46代IWGPタッグ王者)