第6試合 ライトヘビー級戦/5分3ラウンド
×窪田幸生(3R 5分00秒、判定(0-3))郷野聡寛○

郷野選手はおよそ五ヶ月ぶりの復帰だったわけですが、そういう意味では一つ一つ確認をして行き、感覚を取り戻しながらという闘いになったと思います。窪田選手は正面から突っ込んで行くタイプの選手ですから郷野選手としては組み易い対戦相手だったと思います。今のパンクラスリングは欠場が二回起きたり、要するに四ヶ月以上リングから遠ざかると相当浦島太郎的に時代についていけなくなるというのが見受けられると思います。僕らレフェリーでも一試合でも間を空けると試合を裁く感が鈍ったりします。そういう意味で郷野選手は冷静に闘ったと思います。流石だと思います。

窪田選手はGRABAKA何するものぞという気持ちが前に出て行って大変良かったんですが、彼の悪い所は力んでがんばると棒立ちになって技がなくなってしまいます。技術としての進歩が見られなくて気持ち一つで3ラウンド闘ったというのが僕の感じです。顔面にはパンチをもらい、打撃はもらうけれども当てられなくて、タックルは全て切られているし、お客様に窪田の良いところを見せられなかったのは完封された事ですから、気持ちだけでは闘えません。良い相手と闘う時に自分はどうなるのかというスタイルをきちんと作らないと、やっつけの練習をしていると思われても仕方ありません。厳しい言い方をしますが、真面目な事をしていようとも低レベルな事を繰り返しているのであれば、それは練習になってないからメインにふさわしい試合はしていないかもしれません。もう少し技術を見せてもらわないと郷野選手も逆に光りません。そういう意味では苦言をていしますが、技術的なものをきちんと表に出していかないと行けません。単純に3ラウンドがんばって面白い試合といえば、そうなんですがプロらしさというところでは、判定の0-3というのは明らかになってしまいますからうちの判定の中では最大差が梅木レフェリーの3ポイント差、後の小菅、廣戸の2ポイント差がついていますから、ポイント差が開かないパンクラスの試合の中でこれだけ大きく開くという事はこれを窪田選手はきちんと正面から受け止めないと今回は佐藤もアライも北岡も良かった、KENGOも伸びてきている、石川もがんばっているという中で、やはりきちんと提示できるものが無いと窪田選手はだんだん苦しくなってきますから、そういう意味でメインに相応しい様にがんばって練習してもらいたいと思います。

最後にレフリングに関してですが、以前選手側からボロボロになるまで闘わせて欲しいという要望もあり、ストップをかけるタイミングを遅らせていました。それがちょうど昨年10月から12月位辺りですが、その間に郷野選手は怪我をしたり等怪我人が続出してきました。ですからやはりレフェリーの流れをきちんと読んでいって斉唱して行くことが必要だという見解もあり今回試合前もその方向で話が出てますし然るべき形で発表があると思いますが、これからのパンクラスは場合によれば決定的な部分が見られればレフェリーストップというのが多く見られるかもしれません。お客様としたら派手な流血やKOも期待しているのかもしれませんが、選手自身は宝ですから、それを一回一回の闘いの中で捨てて行くというのは団体としては大誤算で凄い損失ですから、そういう事でレフリングがまた変わって行く傾向にありますよという所をお客様も留意して観て行って下さい。 パンクラスは進歩、発展を研究して前に進んで行く団体ですから日々色々な意味で変わって行きます。