第8試合 ミドル級/5分3ラウンド
×ネイサン・マーコート(3R 5分00秒、判定/0-3)竹内出○

竹内選手はパンクラス初出場、修斗からの参戦という事になるのですが、実力者ですから良い試合が期待出来ると思いますし、タイトルマッチでは負けてしまいましたが、実力、年齢ともまだまだ返り咲きを狙っていける十分のマーコート選手ですから、どのような試合が行われるのかな、と楽しみにしていた試合です。

竹内選手はパンクラス初参戦にして、金星を獲得した試合でした。序盤の第1Rは私は文句無しにネイサンは良いスタートだったと思います。第1ラウンド自体が、岡本レフェリーにしても梅木レフェリーにしても竹内選手は1ポイント失っていますので、これは当然マーコート選手が第1ラウンドは取ったと思います。なんですが第2ラウンドでガクッとマーコート選手の動きが落ちました。おかしいなと。スタミナのない選手ではないし、何かあったのかな思っていたのですが、試合後わかった事ですが、左の拳をちょっと壊してしまいました。そういう点はちょっとマーコート選手としては不運だったと思います。多分、竹内選手の顔面、もしくは頭部をクリーンヒットした時に傷めたと思います。左手が使えなくなくなってしまったので、そこでちょっと粘りのある闘い、掴む事も出来ないし、左のパンチも出せないという中で、マーコート選手は闘わなくてはなりませんでした。逆にそれだけのパンチを受けながら前に前に出ていった竹内選手は流石だなと思います。そこから2R、3Rと徐々に徐々に盛り返していってポイントを奪取したという事では流石、元修斗のランカーだったという事で、やはり面白い試合だったと思います。息がぬけませんでした。後半は、3R目はもう竹内選手がグラウンドでもマーコート選手を翻弄するような形になりましたので、この判定は仕方ありません。この後すぐにミドル級チャンピオンに挑戦という事もあるのですが、その前にもう一人二人と試合をして竹内選手の能力を見てみたいです。そういう点では第7試合のライトル選手との一戦というのも、ちょっと楽しみな気がします。その辺のマッチメークは今後どうなるのか、という事だと思います。

今回の試合全体を総評して感じることですが、セコンドの大切さというものが私はすごく見て取れました。というのはアマチュアのセコンドとプロのセコンドというのは私は違うと思います。アマチュアのセコンドというのはマウスピースを渡す、水を飲ます、氷で冷やすという事だと思うのですが、プロのセコンドというのは、作戦参謀です。要するに会場でその日に顔を合わせて、じゃー、お願いしますというものではありません。日々の練習から、試合に出る選手の闘う意思決定、そういうものをきちんと培っていて適切な指示を出していけるというのがプロのセコンドです。頑張れとか、効いてる効いてないとか、そんな事はセコンドから言われるよりも前に選手が十分に判っている事なので、そうではなくて、今何をすべきか、という事の選手の迷いを消すのがセコンドの助言です。そういう事も含めて、GRABAKA選手のセコンドワークであるとか、ismであれば鈴木みのる選手がセコンドについたときの、セコンドワークであるとか、たいへん的を得ていて面白い。ですから会場に足を運ばれるファンの皆様は、実はそんなところも見所ですよ、と思います。逆にセコンドに付く機会が多い選手は、単に水を飲ます、そんなの当たり前です。そうではなくて、なるべく勝てる要素を増やしてあげる為の部分だと思います。逆に言うと意思決定が出来ていないと、セコンドからの指示が選手に伝わりません。選手が言うことを聞かないで闘うということであれば、セコンドなんていらないわけですから、その部分、そういう思いのある選手は改めるべきだし、お客様はそういうところを見て普段の練習の内容、そういう事も窺い知れると思います。その辺も楽しみに会場に足を運んでみてください。