前回の試合は9/29・横浜文化体育館大会でのVS今成正和(チームRoken)戦でした。この一戦は大場選手のプロデビュー戦でしたが、まずはこの一戦を振り返っていただけますか?
大場裕司:以前に聞かれた時にも、デビュー戦でどうですか?っていうのがあったんですけど、自分はアマチュアでも試合を多くやってた方なんで、例えば今まで50戦やってれば、51戦目の感覚だったんですけど、やっぱり実際試合をしてみると、リングに上がってみると「あぁ、なんかデビューなんだな」って気がしましたね。アガリはしないですけど、パンクラスのプロのリングに上がるっていうことで、相手もいきなり今成選手だったんで、やっぱりあの〜、中途半端な練習とかではいけないなと。とにかくずっと(パンクラスを)見てたじゃないですか。面白くない試合っていうのも、どの団体でも何でも1試合はあるじゃないですか。そういう、自分が見ててつまんないような試合はしないように、なるべく止まらないように動くと。そういうのは試合中も思いましたね。

結構冷静に闘ってらっしゃたんですね。
大場裕司:冷静・・・、とにかくこの間の試合は特別な試合だったと思うんですけど、デビュー戦というよりも、やっぱりVS今成戦というのがすごくあったので、自分の一瞬のスキとか、油断とか見せられないなっていうのをずっと考えながら。スタミナに関しては結構バテバテっていう感じだったんですけど、実はスタミナよりも気力ですね。ずっと緊張してたんで、その精神的な疲れの方が大きかったですね。結構バテバテな感じでしたけど、あの試合が3ラウンドだったら、3ラウンドできましたよ。

その精神的な疲れというところに、やはりプロデビュー戦ということもあったのでしょうか?
大場裕司:ん〜、そうですね・・・、プロっていうよりかはやっぱり今成選手というのが・・・。もともと好きな選手だったんで。佐藤ルミナ選手とか、今成選手とか特に。今、流行っているようなスタイルとはちょっと違う、柔術系の人ではないので。もともと一本に拘る選手というのは好きでしたから。とにかくリングに上がった時は怖かったですね、今成選手が。

もともと好きだった、その今成選手と実際闘ってみていかがでしたか?
大場裕司:よく聞かれるんですけど、例えばイチローとキャッチボールするのとは違うじゃないですか(笑)。やっぱり強さは感じましたね。今まで闘ってきた人とは一枚も二枚も違うというのは闘ってて感じました。とにかく気持ちが強かったですね。負けられないし、変な試合はできない、あきらめないっていう気持ちの強さを感じましたね。

そのVS今成戦から約3ヶ月を空けての第2戦が12/21(土)ディファ有明大会で決まりました。対戦相手の西野聡選手(和術慧舟會東京本部)の試合はご覧になったことがありますか?
大場裕司:あります。パンクラスゲートで一緒でしたからね(02年5月・後楽園ホール)。自分の次の試合、富山(浩宇)君との試合ですね。

西野選手の試合をご覧になって、西野選手にどういう印象をお持ちですか?
大場裕司:もう、生粋の柔術家って感じですね。高瀬大樹選手の下についてる人っていうイメージですね。

アマチュアを含めても初対戦ですよね?
大場裕司:そうですね。

試合のイメージ、大場選手ご自身が勝つイメージというのはもうできてらっしゃいます?
大場裕司:あんまり勝ちのイメージ、まぁ、もちろん負けのイメージもないですけど、ん・・・、西野選手には失礼かも知れませんが、同じくらいじゃないですか?僕と。

それは実力がってことですよね。
大場裕司:ええ。タイプは全く違いますけどね。力的にグラフにしちゃうと、一緒ぐらいじゃないかなって思いますね。あの〜、全くヴァーリトウードに対する考え方も違う人だと思うので、面白い試合ができるんじゃないかなと。お互いに。西野選手も良い所を出せると思いますし、自分も出せるように頑張ります。JTC(2001年9月・第1回全日本総合格闘技オープントーナメント)の時の決勝もP'sLAB東京のジャック(植村龍介)だったじゃないですか。それも見てますし。やっぱりもう柔術がベースというか、柔術の中で闘う人ですよね。

では今回のVS西野戦以降のことになりますが、パンクラスの軽量級、ライト級やフェザー級でも、今後ランキングやベルトといったものが形になってくると思います。現在ライト級で闘ってらっしゃる大場選手ですが、今後新設されるであろうライト級のランキングやベルトへの拘りってありますか?
大場裕司:ないですね(笑)。いや、もうないですね。アマチュア根性がついちゃってるかどうか分かんないですけど、やっぱり今はそれよりも、とにかく次の試合ができるっていうことが大事ですよね。9月の時もあの一戦で終わっちゃう可能性もあったわけじゃないですか。でも今回、それほど間隔を空けずに年内に試合をさせてもらえるということで、ホント有難いと思ってます。で、次にまた声をかけてもらえるように、あの〜何て言うんでしょう? 「勝つ」ということよりも、ある程度自分のカラーですとか、何かがこう上手いとか。9月の横浜の時に鈴木(みのる)選手に言われたんですけど、もう勝敗うんぬんよりも、まず光るものを見せられるようにしろと。だから今ホント特に思いますね、終わってから。プロのリングに上がりたい人なんかいくらでもいるじゃないですか。僕なんか完全に一世代違いますからね、他の選手とは。高すぎますからね。それでチャンスもらってるんで、なお更ホント頑張んないとっていうイメージで頑張ってますけどね。

今後の展望というよりかは、本当に一試合一試合っていう感じですね。
大場裕司:そうですね。もちろん試合をする限りは誰でもそうですけど絶対に勝つつもりで、練習積んで試合に臨みますけどね。

分かりました。それでは最後に大場選手を応援していらっしゃる方や、大場選手の試合を楽しみにしていらしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。
大場裕司:そうですね・・・、前回もそうだったんですけど、やはり「パンクラスism」ではなくて、「P'sLAB」所属ですから、練習させていただく、手伝っていただくのがP'LABの会員の方じゃないですか。そういう方にハードなルールに付き合ってもらったりとかしててすごく有難いですし、またホントそれがなかったらデビューしたりとか、今回の2戦目も絶対なかったと思いますし。そういう人たちのためにも、きっと会場に観に来てくれるでしょうから、そういう人たちの分も、思い切った、思いっきりの良い試合をできるように頑張りたいと思います。

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