昨年10月・後楽園ホール大会でのVS港太郎(K.I.B.A.)戦から、3ヶ月を空けての試合が1月26日(日)後楽園ホール大会で決まりましたが、まずは北岡選手の昨年最後の試合になったそのVS港戦を振り返っていただきたいと思います。
北岡悟:そうですね〜、すごい良い言い方をすれば完勝だったと思います。で、一番悪い言い方をすれば、自分に妥協した一番ダメな試合とも言えるし・・・。まぁ、複雑な試合だったんですけど、試合終わった直後に思ったのは、「やっちゃった」「失敗した」って思ったんで、ダメな部分は多かったんですよね。

自分に妥協したというのはどのへんですか?
北岡悟:媒体とかにも出たんですけど、途中で別にこのままでも勝てるって思ったところですよね。でも、一本とる姿勢がないって言われるのはちょっと違うんじゃないかなとは思うんですけど。ゲームメークに関して、僕はパスガードという選択肢を無理やりは狙わなかったというだけで、足関節もとりにいったし、殴る、手は出し続けたし。でもお客さんのニーズに応えられるものを僕が提供できなかったっていうのはやっぱ骨身にしみて感じてるので、それはまぁ、いろいろ他の試合を見ても思うし、自分に足りない部分もはっきり分かってきたんで。まぁ、(自分に)力がついてきてるんじゃないかなっていうのは実感したんで、ダメな部分と良い部分がハッキリ出た試合だったと思います。

昨年、2002年を一年間というスパンで振り返ってみていただくと、2002年は北岡選手にとってどのような年でした?
北岡悟:2002年はそうですねぇ、勝ち星も増えてきて、だけどやっぱり自分の弱さとか未熟さを感じる一年でしたね。それはもう、試合に限らず、私生活とか、人間的にとか・・・。弱いっていうよりも、未熟だなっていうのをすごい思いましたね。試合でも勝ってるし、ネオブラッドでは決勝であっさり負けましたけど、決勝までいったことはすごい自信にもなったし。その決勝での、5秒で負けたってことじゃない部分での弱さっていうのも自分自身で気付いてるので。で、港選手との試合は完勝と、且つ不甲斐なさというのがあるので、まぁ、そこの部分ですよね。未熟さっていうのを感じる一年だったのは。でもまぁ、成長は絶対してるっていうのももちろん思ってますね。しかも、勝っていく上で一番大事な部分が成長してると思うので、自信はあるんですけどね。

では、その2002年を一言でまとめるとするとどういう言葉で表現できますか?
北岡悟:そうですね・・・ん・・・難しいですね・・・。2001年はもっと未熟だったんで、それよりかはマシかなって感じですかね。あとまぁ、ネオブラッドと港戦につきるとは思うんですけどね。上半期のことはあんまり憶えてないっていうか、ネオブラッドのためにあった上半期だったと思うので。ん・・・ちょっと難しいですね・・・。「不完全スピリット」っていうことにしときましょうか?(笑)。

分かりました(笑)。それでは1月26日(日)後楽園ホール大会でのVS長岡弘樹(ロデオ・スタイル)戦に関してお話をお聞きします。長岡選手とは2001年12月に一度対戦してますので、約1年3ヶ月ぶりの再戦ということになりますが、長岡選手の最近の試合をご覧になっての印象というのを教えて下さい。
北岡悟:そうでうすね、去年9月のタイトルマッチ(横浜文化体育館・ウェルター級タイトルマッチ・VS國奥麒樹真戦)は、まぁ、頑張ってましたね。

2001年12月に北岡選手と試合をした時と比べていかがでした?
北岡悟:いや、あの時より強いんじゃないですか? ん〜、何とも言えないんですけどね。國奥さんの試合相手になってたって感じですかね。でもあれは基本的には國奥さんの試合で、長岡選手はほとんど立ってるだけだったんですけど、それはそれで立派なことだと思うので、僕のあの試合の感想は長岡選手は立派だったなって。まぁ、長岡選手がやったことはパンチを一発当てただけだったんですけどね。僕なら國奥さんを相手にもっとやれるっていう自信はあります、ハッキリ言って。ありますけど、それを差し引いても長岡選手は頑張ったと思います。

その長岡選手との今度の試合で北岡選手が心掛けることって何でしょう?
北岡悟:そうですね、まぁ、まだ引きずってるのかよって感じですけど(笑)、2002年の落とし前をつけたいなっていうのがあるんですよね。僕はホントは12月に試合をしたかったんですけど、試合を組まれなかったので。10月のVS港戦が不満の残るものだったから、ホントはもう1戦したかったんですけどできなかったので、今回の試合では今年のはじまりと、去年・2002年の終わり、落とし前みたいなのをつけたいなと思うんですよね。去年はネオブラッドのこととかもあるし、私生活の面でのこともあるし、自分の未熟さで人に迷惑? 迷惑という言葉は適切ではないかもしれませんけど、人をいろいろと巻き込んでるわりに結果を残せてないので・・・。ん〜、雑念じゃないですけど、スカッとしたいっていうのはありますね。ん〜、ちょっと穏やか過ぎる部分が自分にはあると思うんですよね。ホントは結構もっとピリピリしている人間なんですけど、それをチラチラ出すからカッコ悪いっていうか、しまりがつかないと思うんです。それを試合中ずっと、5分2ラウンド、3ラウンドは出せるはずなんで、草食ではなく肉食な感じが出せたらなとは思いますけどね。今度の長岡戦で。

今度の試合でこういうところに気をつけたいっていうのは何かありますか?
北岡悟:そうですね・・・、自分の記憶を振り返ってみると、全力を出し切った、ホントにヘロヘロになったのは、2回目のアライとの試合(2002年7月/ネオブラッド・トーナメント準決勝)の時ぐらいなんですね。まぁ、僕は一回戦をフルラウンド闘って、彼は一回戦を10秒ぐらいで勝ってるわけだから、実際「シードみたいなもんじゃねぇか!」って(笑)感じだったんですけど、あの時は延長戦までいって、初めての一本で僕が勝ったんですが、試合終わって控室の方に戻った時にはもう、ヘロヘロでぶっ倒れそうになったんで。ああいうことを5分2ラウンドでできればなとは思いますね。なかなかできないんですよ、いつも。だから試合終わったらヘロヘロになって、自分のコーナーにも戻れないくらいの燃焼がしたいんですけど、それができないんですよね。でも船木さんからそれにつながるようなことをアドバイスしていただいたので、それを練習でやっていければなと思いますね。練習でやっていければ、これまで練習でやってきたことは試合にもキチッと出てるので。それをやりたいですよね(笑)。

現在長岡選手はパンクラスのウェルター級でランキング3位の選手ですが、ランカーとの試合ということに関してはいかがですか?
北岡悟:まぁ、「なめんなよ」と(笑)。なめんなよっていうか、ランキングということで言えば僕の方が下なんで、(長岡選手を)引きずりおろしてやるだけですよね。とにかくパンクラスのウェルター級で置かれている位置が僕の方が下だというなら、這い上がっていく、引きずりおろしてやるだけなんで。長岡選手がそんなに上だということであれば、今回の試合で僕が勝ってその位置にいけるんだったら嬉しさしかないですね。

分かりました。では少し話題をかえて。2003年もはじまったばかりなので、今年1年の抱負、目標などがあれば教えて下さい。
北岡悟:さっきも言ったんですけど、完全燃焼ということと、肉食になることですね。

今度の試合の結果次第ではランキング入りも確実かなと思いますし、そうなると年内のタイトル挑戦というのも見えてくると思いますが、そのへんは意識しますか?
北岡悟:しますね。伊藤さんも大石も直接國奥さんと試合をして負けてるので、長岡選手も昨年9月のタイトルマッチで負けてますから、今度その長岡選手に僕が勝てば挑戦してもいい順番じゃないかなと思いますね。以前は伊藤さんと試合をしたいって思ってたんですけど、その気持ちは今はちょっとないですね。伊藤さんもいろいろと大変だと思うので、今はむしろ上3人(王者=國奥、1位=伊藤、2位=大石)の中では國奥さんとしか闘いたくないなと思ってますね。大石とは昨年試合してますし、大石と今度試合する時はタイトルマッチで闘いたいと思ってるんで。タイトルマッチやりたいですね。でも、挑戦するんだったら、もっと自分の勝つ確率を上げてからということにはなると思うんですけど。半年ぐらい時間をもらえれば、もっと勝つ確率を上げれると思うので。今年中にやりたいですね、タイトルマッチ。

年末にはベルトをまくと。
北岡悟:そうですね。10周年記念興行がある9月の大会で、そこで僕と國奥さんとでタイトルマッチをやりたいですね。でもなかなかそんなに上手くはいかないんでしょうね(笑)。けど、長岡選手には絶対勝ちますよ。

分かりました。それでは最後に北岡選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
北岡悟:ん〜っ、誤解を恐れずに言えば、僕はお客さんには絶対媚びないつもりでいるので、お客さんを喜ばせるために飛んだり跳ねたりとか飛び蹴りしたりとかするんじゃなくて、勝つために飛び蹴りするんであって、それが僕にとっての真剣勝負でありパンクラスだから、勝つためには必要なことは何だってやりますよってことですよね。まぁ、今年は迷走しないように、ガツンと結果を残していければなと思っているので、僕の飛翔、飛びぶりを見て下さい。飛びっぷりを(笑)。

北岡悟選手database