第3試合 無差別級戦/5分2ラウンド
○謙吾(2R 5分00秒、判定/)奥山哮司×

体重差がおおよそ15kgあるという形で、空手を主流にしている奥山選手とismの謙吾という試合でした。序盤、開始早々、奥山選手のパンチが良い形で入りまして謙吾選手は尻餅をつくような形でしたが、完全な死に体にならなかったというレフリーの判断でそのまま試合が流れていって、そこからグラウンドにいって息を吹き返してきという、前回同様波乱の幕開けです。奥山選手も初参戦で色んな意味でのデビュー戦、そういう中で自分よりも15kgも大きな人に自分から仕掛けていくというのは相当心身共に強い人だなという印象を受けました。

1Rにパンチでダウン気味のポイントは取った奥山選手なんですが、その後グラウンドで細かいパンチを謙吾選手から受けて、私の印象としたら、その後およそ4分のグラウンドの中でダメージとしては一発のパンチを越えるものを貰ってしまいましたので、その辺が判定の差になっていったような気がします。(奥山選手は)ラウンドのインターバルぐらいから片目が見えなくなってきましたから、見えにくく腫れ上がった目で最後まで良く闘ったと思います。逆に謙吾選手は受けの試合をしてしまっています。相手から何かしてきた事に対処するというようになっています。謙吾の恐さというのが一切ないから、謙吾らしさというものをもう一回見つめて、謙吾のあれを食らったらまずいんだよ、というものを持たないと、恵まれた体格を生かした闘い方が出来ないと思います。これはどんなスポーツでもホットハンドの法則というベースになるものがあって、初めてそのベースになるものをちらつかせる事によって二の手、三の手というものが、より強い攻撃力が意味を持つというのがホットハンドの法則という、プロバスケットの世界から生まれてきた言葉ではあるんですが、そういうものがあります。謙吾はそういうものを持たないと自分の体を持てあました闘いをしてしまいます。結果的にいうと自分の体のダメージだけが試合の為にどんどん積み重なっていくという、それによって恵まれた才能というのはどんどん使い込まれていってしまって、気がつくと貯金は無くなるという典型的なパターンになってきますから、そういう意味ではイメージを変えて、自分の、らしさというものを求めて欲しいです。


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