■第7試合　ライトヘビー級戦/5分3ラウンド ×美濃輪育久(3R 5分00秒、判定/3-0)ヒカルド・アルメイダ○ 美濃輪選手は開始早々の右のローキックが良いかたちでアルメイダ選手の左を捕らえ、圧力もあり良い立ち上がりだったと思いますが、それを最後まで維持出来ませんでした。（アルメイダ選手は）そうい中でテークダウンの後のグラウンドは流石で、美濃輪選手は翻弄されてきます。技術差というのはあったんですが、それは選手として上という事ではなく、相手の知らない事を知っているという差だと私は思います。それで面白いのはアルメイダ選手は美濃輪選手の知らない技で攻撃を仕掛けて来ました。美濃輪選手は狼狽します。ただそこで仕掛けられた技に対してセオリー通りの逃げ方をしたら多分試合は決まっていました。そこで美濃輪選手は彼の魅力の一つである何をしでかすかわからないという、直感的にこっちで良いと判断してパスしていきます。要するに仕掛けたアルメイダ選手も知らなかったような技の抜け方が、3Rフルに行なわれた試合でした。言える事は相手の知らない逃げ方よりは、知らない攻撃方を持っていた方が有利だったという事です。それは闘いにおいては本当に有利だという事です。ですから攻撃が最大の防御と言われるのは、そういう意味も含めて存在する言葉だと思いました。試合後、美濃輪選手から「一から出直し」というコメントが出てましたが、私はそうは思いません。ただ単に勉強不足だという話しです。勉強する為に試し合いをするんです。そういう事の積み重ねをキャリアと言うんだと思います。 面白い試合だったと思います。逆に自分の仕掛けたものを、知らない逃げ方でことごとく返してみせた美濃輪選手を、アルメイダ選手が一番評価していると思います。また、セコンドについていたヘンゾ・グレイシー選手もそれを感じたと思います。そんな試合でした。