第7試合 ライトヘビー級戦/5分3ラウンド
○ヒカルド・アルメイダ(3R 5分00秒、判定/3-0)佐々木有生×

佐々木選手はここ一番の試合でやはり良い試合をしてくれるし、そういうところでの強さというのは、めっぽう強いという印象があります。この間のVS美濃輪戦で、最後に攻めきれなかったアルメイダ選手がいるだけに、その死角をどうやって、牙城を崩す事が出来るか?その先にはヘンゾ・グレーシーがいるぞ、というところが見どころの一戦でした。印象からいうと、先程も言いましたが、やはり強気、強気で前へ出ていく、そしてそこに強弱のある攻撃が出来て、そして極めどころも知っている。今回のこれまで6試合に関して言った事を全て集約すると、アルメイダ選手の闘い方になったんだなと、なるんだなという事を今回は言いたいです。

いく時にいく、常にいこうとしている、でも無闇にはいかない。自分の形を持って、自分の形に入るまで冷静に闘っていくというところです。その為、佐々木選手はいつもの変幻自在な出入りのある攻撃がさせてもらえませんでした。ここがポイントです。グラウンドからの技の数であるとか、そういう事以前にペースを掴みきれなかったところに、やはり高いランキングの選手をやぶっての2連勝でランキング2位まで上がって来たアルメイダ選手の実力、完成度の高さを考えざるをえません。今のパンクラスのリングでは、以前に見られた自分から引き込んで、それから下からの攻撃というものが本当に役に立ちにくくなってきました。その展開というのは相当苦しいと思います。以前からお話ししているように、立ち合いから自分のペースで関節に移行していくというテーマを持った人が、やはり下でも強くなって来ているというのが柔術の本流の考え方です。やはり組み技というのは、そういうものです。そういう中で、ちょっとした油断、ちょっとした隙が自分の立場を一気に悪くさせるという事も、今回の佐々木選手、アルメイダ選手の試合で両者に見られました。本当に一瞬で切り返されました。一流どころはやはり違うなというのが、後半の何試合かに見受けられましたが、そういう意味で言うと特に後半4〜7試合は展開の速さもスピーディーだったと思います。今回は珍しく全てが判定という結果で、多分パンクラスでは初めてではないでしょうか? でも後半4〜7試合はだれることもなく、いつ極まるんだろうというのが常にあって、その中で、という形でしたから、拮抗して動きが止まり時間が過ぎていく場面も大変少なく、そういう意味では面白い試合だったし、選手に対してのテーマというのも相当あった大会だったと思います。これから上を目指していく人は、ここで我慢して自分の状態をキープしなければならないでしょう。それから、なんとか歯止めをつけたい人というように、それぞれの状況はあるだろうけど、この日に参加していない選手も含めて、やる事は一つです。逆にほんの一つの些細な事が自分のそれを変えていってくれるという点で、迷わず次の大会まで練習、精進していてもらいたいと思った大会でした。