5月18日(日)横浜文化体育館大会で、パンクラス初参戦のフラービオ・モウラ選手(アカデミーア・ブドーカン)との対戦が決定している郷野選手ですが、VSモウラ戦のお話をお聞きする前に、先ずは今年に入ってからの2試合を少し振り返っていただきたいと思います。今年一発目の試合が、2月・グランキューブ大阪でのVSチェール・シェノン(チーム・クエスト)戦でした。モウラ選手と同じくパンクラス初参戦で、実績のある未知の強豪でしたが、VSシェノン戦は郷野選手にとってどのような試合だったんでしょうか?
郷野聡寛:もう少しだったんですけどね。相手の心が2ラウンドに入って折れてるのもわかったし。試合前のインタビューで、俺の方が気が強いって言ってたんで、ちょっとムカついて、心だけは絶対折ってやろうって思ってたんですけど。心を折って、あと少しだったんですけどね。ダメージは明らかに相手の方があったし。もう少しのところまでいったんですけど、詰めきれなかったですね。そこがやっぱり悔いが残ります。

その大阪の試合の後、帰りの新幹線の中で行われた『格闘技通信』さんの取材で、3月9日に行われる『ZST』への出場を発表しました。対戦相手はリングズで活躍していたクリストファー・ヘイズマン選手でしたが、そのVSヘイズマン戦を振り返っていただけますか?
郷野聡寛:2回ダウンをとって、もう一歩だったんですけどね。でも、そういう強い外国人選手と闘って、もう一歩のところまで来てると思うんで。だから、もう一歩ですよね(笑)。そこがやっぱりいつになるのか?って感じで。もうそこだと思いますよ。

戦前にパンクラスVSリングスだっておっしゃってて、試合で勝利をおさめた後に、GRABAKAの皆さんをリングに上げて写真撮影に応じてました。その様子を、テレビの収録で解説者を務めていたリングスの総帥がご覧になってたと思いますが、あの時、郷野選手はどんな心境だったんですか?
郷野聡寛:いや、別に良いんじゃないですかね。あの時はマイクを持ってホントは言いたかったんだけど、判定勝ちだったんでマイクを持たせてもらえなくて。あ〜あ、残念だなって思いながら。

持たせてもらえなかったっていうことは、一応、マイクを手にとろうとしたんですか?
郷野聡寛:まぁ、したんですけど、試合前に(主催者側から)「一本勝ちしないとそういうのは基本的にはないです」って言われてたんで。まぁ、ダメだろうとは思いましたけどね。そしたらダメでした、やっぱり(笑)。

そういうことがあったんですね・・・。では、本当に強い外国人選手との対戦、しかも続けて2試合ということで今年は始まったんですが、1勝1分けという結果に対しての満足度は?
郷野聡寛:そうですね。1分けもまぁ、向こうの心は折れてたし、俺の中ではどっちが強いかって言ったら俺の方が強いっていうのを感じたから、まぁ良いんですけど。でも、そういうことを含めて、3週間で2試合やって、2試合とも相手が弱くない外国人選手で、それで1勝1分けだから良かったんじゃないですかね。ハイ。もう一歩でしたけどね。2つとも。

わかりました。それでは5.18横浜大会のお話になりますが、VSフラービオ・モウラ戦。アカデミーア・ブドーカンに所属するルタ・リブレの選手ですが、戦績を見るとかなりの実績を残している選手です。郷野選手がパンクラスを主戦場にするようになって、初めてのルタ・リブレの選手との対戦だと思いますが、ルタ・リブレの選手に対してどういうイメージをお持ちですか?
郷野聡寛:ん〜初めてですね。いや、その前から考えても初めてじゃないですかね。イメージとしては、柔術よりはテクニカルじゃないけど、やっぱり身体が強いっていうのがありますね。身体が強くて、喧嘩っぽい、荒いっていうのが。イメージ的にはそういう感じですよね。次の相手もそういうタイプみたいですし。

U.F.C.にも出場してますし、ブラジルのI.V.C.っていうヴァーリ・トゥードの大会ではチャンピオンにもなってる選手で、勝ち方もTKOもあれば裸絞めでの一本勝ちもあって、立ち技、寝技、両方ができる本当に強豪っていうイメージなんですけど、そういう選手との対戦ということで、心境の方はいかがでしょうか?
郷野聡寛:ん〜、映像がないんですよね、また。あの〜、これだけ試合をしてて、何で映像がないのかっていうのが本当にまいっちゃうんですけどね。ホント何にもわかんないですよね。多分、向こうはオレの映像とか資料を結構手に入れてると思うし。まぁ、また、向こうが(試合)頭の手順を握ったような状態ではじまるんだろうなっていう覚悟はできてますけどね。もうちょっと情報が欲しいですよね。僕は結構試合前に映像を見て相手の穴を探すタイプだから。それができないとちょっと不安ですよね。

ブラジル人の選手っていうことではいかがですか? やっぱり特有の身体の強さっていうのを見て取れますか?
郷野聡寛:それは日本人選手以外と試合をする時はいつもですよね。やっぱり肉体的に一番劣っている人種じゃないですか? 僕たちは。だから外国人選手とやる時は、いつも身体が強いって思ってますからね。それは今に限ったことじゃないんで。全然問題ないです。それは。

では、今回の試合で郷野選手がやりたいこと、また、考えてることなどを、お話しできる範囲で教えていただけますか?
郷野聡寛:そうですね。まぁ、相手の攻撃をもらわないで勝ちたいですよね。それだけですね。

相手の試合映像がないということで、なかなか試合のイメージも立て辛いと思いますが、勝負を決めたい技っていうのを何か考えてますか? それとも試合展開の中で、その時その時の状況に応じてっ ていう感じでしょうか?
郷野聡寛:まぁ、その時その時でしょうね。ホントに。狙いようがないですよね。どんな選手かわからないし。

わかりました。では、少し話題を変えて。4月に佐々木選手がヒカルド・アルメイダ選手と試合をして、その試合では佐々木選手のセコンドに郷野選手もついてらっしゃいましたが、アルメイダ選手との対戦意欲っていうところで、郷野選手はいかがでしょうか?
郷野聡寛:やれるものならやりたいですよね。強い相手で、これまで(パンクラスで)3試合やってて、それ以上に資料もあるわけだし。ホントに強い相手と、世界レベルの強い相手と、しっかり準備をしてできるっていう状況になると思うんで。試合が決れば。そういうのはちょっとやってみたいですよね。

郷野選手から見て、アルメイダ選手っていうのはどんな選手ですか?
郷野聡寛:ん〜そうだな・・・。試合運びが上手いですよね。で、しっかりした技術の上に試合運びも上手いってことで手がつけられないっていう。そんな感じですかね。前回の佐々木との試合を見てると。

その佐々木選手とアルメイダ選手との試合ですが、佐々木選手が一番危なかったシーンっていうのは、郷野選手からご覧になってどんなところだったんでしょうか?
郷野聡寛:やっぱり寝技の打撃で面食らった時じゃないですかね。あんなのがくるって本人も多分思ってなかったと思うんで。予想してない攻撃がくるとやっぱり戸惑うじゃないですか。何発かもらったみたいだったし。ちょうど見えなかったんですよね。自分のコーナーからだと。佐々木の足がこっちを向いてる感じだったんで、どれくらいあたってるかっていうのがよくわかんなかったけど、お客さんがえらい沸いてたから。ポコンって音もしてたし。あそこがピンチだったと思いますけどね。他は別にピンチはなかったんじゃないですかね。マウントとられた時も、競技的にはマイナスポイントになるような状況だけど、佐々木は絶対脱出できると思ってたし。そこはあんまり焦んなかったですけどね。逆にここを凌いだらチャンスが来るなって思ってたんで。

郷野選手が対戦する場合に、ここを攻めるぞっていうのは見えました?
郷野聡寛:そりゃ、見えますよね。俺だったらこうするなって、試合見ながら思ったところもあったんで。

対戦が決ったら、郷野選手がどれぐらいの割合で有利なんでしょうか?
郷野聡寛:そんなの決ってから考えますよ。そういうことを言っちゃうとまた負けちゃうから。先のことを考えてると。ホントに。とりあえず、この未知の強豪? 強いと思うんだよな〜。世間には伝わんないけど。まぁ、もう慣れましたけど(笑)。いや、でもね、実際考えてみると、こういう経験を積んだ上で、U.F.C.とかPRIDEにいった方が良いんですよ。いきなりいくと、ただ壊れて終わるだけだから。こういう相手との試合を経て、その中で生き残って上にいくっていうのが、多分一番良いんじゃないですかね。そう考えると、こういう相手と試合をするのも恵まれてはいるなって逆転の発想で思うようにしてますけど。

そうなんですね。では、話を5月18日のVSモウラ戦に戻しますが、今回の試合で勝負の分かれ目になるポイントっていうのはどこになりそうでしょうか?
郷野聡寛:ん・・・それはもうみんなが考えてることと一緒ですよね。組み付く瞬間がどうなるかですよね。

わかりました。それでは最後に恒例のメッセージをお願いします。郷野選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへ。
郷野聡寛:まぁ、メインの(菊田選手の)セコンドにつくためにも無傷で勝たなきゃいけないんで。そういう試 合になります。ハイ。ディフェンス重視で(笑)。守り8、攻め2ぐらいで(笑)。

郷野聡寛選手database