前回、4月12日・後楽園ホール大会のVS栗原 強(チームRoken)戦をまずは振り返っていただきたいのですが、判定1-0でのドローという結果には山宮選手自身もおそらく満足してないだろうなと私は思ってますが・・・。
KEI山宮:そうですね。試合に臨む時点での心構えができてなかったですね。去年ずっと郷野選手を追いかけ回してきて、(昨年12月の再戦で)一回、一区切りじゃないけど(それが)終わってしまった時に気が抜けた部分があって。去年ほどのモチベーションを取り戻せなかったですね。VS栗原戦では。あと、「何とかなるだろう」的な感覚がやっぱりどこかにあって、それでリングに上がってしまったところもあったので・・・。だから試合前も緊張感がなかったかも知れないですね、はっきり言って。

前回、VS栗原戦前のインタビューでは、「今まで試合の中で拘ってきた事なんかを全てとっぱらって、もう、その場その場でやりたいようにやる」というようなことをおっしゃってました。
KEI山宮:今思えば、それも気が抜けてるからこそだったと思うんですよ。僕、基本的には、今回(6/7ディファ有明、VSニルソン・デ・カストロ戦)のように恐いヤツとやる時には、何か覚悟を決めないとダメなんですね。ホントに。まぁ、「やりたいようにやる」っていうのは今回も変わらないですけど。やっぱり今回の相手は、正直ホント久々に恐いんで、ちょっと覚悟を決めてやらなきゃ下手したら酷い目にあわされるかも知れないっていうのがあるんで。ハイ。

今回の対戦相手、ニルソン・デ・カストロ選手(シュート・ボクセ・アカデミー)ですが、5月にブラジルで行われた『メッカVT8』で腕関節を極められて一本負けしています。
KEI山宮:そうですね。でも関係ないですね。はっきり言ってもう。腕関節で負けてようが何しようが。

昨年の『K-1ジャパン』の試合映像(VS子安慎吾戦)をご覧になってると思いますが、カストロ選手の印象ってどんな感じでしょう?
KEI山宮:ん〜ホントにアグレッシブと言うか、恐い選手ですよね。やっぱり。ドンドンドンドン前に出て来る選手なんで。まぁ、正直VS日本人選手の場合は勝手もわかると言うか、向かいあった時に恐怖感というのを感じないところもあったから、久しぶりにこう、パッと名前を聞いて、写真と試合映像を見て「恐いな〜」って。だからすごい今、毎日緊張感があって、これは自分にとって良いことだと思うんで。

カストロ選手は前評判がすごい高い選手で、今回そういう選手に良い形で勝利できたら、これまでのいろいろなことを一気に挽回できるチャンスだと思いますが、そういう意味での気負いとかっていうのはないですか?
KEI山宮:まぁ、客観的に見たらそうなんでしょうけど、実際もう対戦も決まってるんで、今はそういうことは考えてないですね。あの〜のんびり構えてたらヤラれると思うんで。もう、ヤラれたくないから先にヤルって感じなんで。とにかくそういう、ここで勝ったからこの先こうだとか、周りが今こう見てるからとか、自分の頭の中には一切今はないですね。恐さを克服するために毎日練習してるって感じなんで。

シュート・ボクセ・アカデミーに所属している選手ですから、ヴァンダレイ・シウバ選手やムリーロ・ニンジャ選手、アンデウソン・シウバ選手らと練習をしてると思いますが、やっぱりそのへんで意識する部分はありますか?
KEI山宮:ん〜そうですね・・・シュート・ボクセの選手って言うと、打撃中心でブン殴ってくるタイプの選手っていうイメージがあるので。ん〜何て言うか・・・やっぱり殴ってくる方が単純に恐いんで。組んでくる選手に比べたら。そういう意味でこう・・・わかりやすく恐いですよね。ハイ。

では、今回の試合のイメージっていうのは、山宮選手の中で既にできてますか?
KEI山宮:もうできてますね。できてるんですけど、少し変えていこうかなって感じですね。

今回の試合で山宮選手がやりたいことっていうのを、お話しできる範囲で教えていただけますか?
KEI山宮:そうですね。とにかく絶対に逃げるつもりはないので。逃げないつもりで闘うんで。絶対に下がらず、逃げないで闘います。で、ヤラれる前にヤリます。

わかりました。では、ちょっとVSカストロ戦から話題を変えて、5/18横浜大会のメイン、菊田VS近藤戦に関してお聞きします。珍しく近藤選手のセコンドに付いてなかったですね?
KEI山宮:いや、そんなことないですよ、別に。近藤さんは基本的にセコンドを必要としない人なんで。セコンドに付く時も、NEW不動心Tシャツを宣伝するためだけなんで(笑)。

・・・(笑)。あの試合を会場で生でご覧になっての感想はいかがですか?
KEI山宮:ん〜単純な感想で言えば、あの〜、まぁ、スゴイ試合だったって言うのが一番ですし、あの時はお互いスゲェな〜って言うのが一番だったんですけど。でも何日か経ってから振り返ると、何か悔しいですよね、やっぱり。自分が、ああいうふうにからめない自分が。今の状況って言うか・・・。(昨年11月の)鈴木VSライガー戦の時は、まぁ、いろいろ問題も起きましたけど、「悔しい」っていう気持ちは起きなかったんですよ。何か違うところでって感じだったんで。でも、今回はすごい羨ましくて、悔しかったですね。ああいう舞台にいる二人が。で、それもあって頑張ろうっていう気持ちになったんで。こんなところでグチャグチャしてる場合じゃないっていう気持ちが出ましたから。

パンクラスは今年10周年で、8月(31日)は両国国技館での大会も決定してるんですけど、その両国大会も含めて、今後3、4回のビッグマッチが控えていますが、そういう状況の中で、山宮選手は今回のVSカストロ戦の後、何を目指して闘い続けていくのでしょうか?
KEI山宮:あの〜具体的にコレコレコレって決めちゃうと、それに凝り固まってアレなんですけど、とにかく今組まれる強豪って言われる選手たちを全部やっつけて。この間の(エバンゲリスタ・)サイボーグ選手もそうですし。ああいう選手を見てると、「こいつと向かい合った時すごいだろうな」っていうのを感じるんですよね。「こいつと向かいあったら恐いだろうな」っていうのがあるので、そういう緊張感を味わいたいし。やっぱりああいう所(菊田VS近藤戦のような盛り上がりのリング)で試合できるようになりたいんで。そのためにも今回はやんなきゃいけないって思ってるんで。ハイ。

では、もう一つ別の話題を。6月22日・梅田ステラホール大会でのVS國奥戦を最後に、稲垣選手が現役を引退してしまいますが、稲垣選手の引退に対して正直な気持ちを教えていただけますか?
KEI山宮:まぁ、稲垣さんはケガがすごく多かったんで、とにかくじっくりそこのところを治してもらって。ん〜寂しいですけど、これはしょうがないことですし・・・。とにかく「お疲れ様でした」っていう言葉しかないですね。

稲垣選手への餞の言葉をいただけますか?
KEI山宮:あの〜、これからも2kgカレーとか、1kg牛丼とかにチャレンジするスピリットを忘れずに頑張って下さい。

・・・ありがとうございます(笑)。では、これで最後になりますが、今回のVSカストロ戦で山宮選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
KEI山宮:ハイ。え〜絶対に下がらずに、逃げずに闘うので観て下さい。

KEI山宮選手database