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: 6月22日・梅田ステラホール大会で、2年ぶり2度目の対戦となるVS星野勇二(和術慧舟會GODS)戦が決定しました。前回のパンクラスでの試合が4月(後楽園ホール・VS和田拓也戦)ですので、2ヶ月を空けてのパンクラスでの試合になりますが、5月に1試合、パンクラスではないリングで試合に出場しています。5月25日に行われた『コンテンダーズ』でのVS光岡エイジ戦ですが、まずはこのPRE-PRIDE王者・光岡選手との一戦を振り返っていただけますか? ■ 北岡悟:ん〜まぁ、レスリングも寝技も強かったんですけど・・・。一本勝ちをしないと勝てないような試合内容に僕がしたんですよね。そういう闘い方を僕が選択したんです。それは、相手にそうされたんじゃなくて、自分が選んでやったんで・・・それは自分のミスでもあるんですけど・・・。本来は判定でも勝てる上で一本をとるっていうのをやらなきゃいけないのに、判定になったら負けるような試合の流れを自分でつくったんですよ。相手が作ったんじゃないです。もちろん相手は押さえとかが強かったんですけど・・・、別に相手から何かされたわけでもないので・・・組み技の部分ですけど。逆に僕が首を絞めて、相手は苦しんでましたからね。相手はまぁ、押さえてるだけっていう感じで。特に関節をとりにもきませんでしたし。まぁ、僕が彼より勝ってるとは思わないですけど・・・。っていう感じですね(笑)。この試合の後、いろいろモヤモヤした気持ちにさせられたんですけど、それも自分にとって意味のあることだと思うし、自分にとってためになったと思うんで。一度対戦して負けたり引き分けたりした相手ともう1回試合したいとはあんまり思わなかったんですけど、今回はもう1回やりたいなぁと。ヴァーリトゥードでもいいから、もう1回やってブン殴ってやりてぇなって思いました。まぁ、悔しいのは結果を出せなかったってことと、やっぱり面白い試合にできなかったってことと、パンクラスという名のもとにコンテンダーズに出させてもらって、あの大会に出場したのはパンクラスでは僕だけで、僕がパンクラスっていうものを見せなきゃいけないっていう中で、大して面白い試合をできなかった上に負けてしまったっていうのがホントにすごい悔しいですね。「オレは何て力がないんだ」って改めて思って、すごい悔しかったですね。 : コンテンダーズのルールっていかがでした? ■ 北岡悟:コンテンダーズは2度目なんですけど、自分も知らないうちにヴァーリトゥードの選手になってるんだなって思いましたね。もう、随所で、ここだったらパンチがある、蹴りがあるって、試合中にそう思っちゃうんで、何か割り切れないところではありますよね。僕は純粋な裸のグラップリングっていう試合をそんなにやったことはないんですよね、実は。だから、やっぱりちょっと庭が違うのかなっていうのは思いましたね。相手はやっぱりアマレス出身で、その流れの中で、相手の方がその部分においては得意なんだなっていうのは感じましたけど。でもまぁ、それも関係ないって言うか、わかってることなんで。僕はお金をもらってコンテンダーズに出てますから、その時、その場ではコンテンダーズのリングでプロとして出てるわけですから、それもまぁ、関係ないなとは思いました。昔は打撃とかもできなかったんで、こっちの方が向いてるかなぁって思ってたんですけど、今はもう違うかなって。オレ、変わってきたんだなって思いました。 : では、今後また試合出場のお話をいただいたらどうしましょう? ■ 北岡悟:出場したいって言うか、チャンスだと思うんですよ。コンテンダーズっていうのはちゃんとした大会なんで。実際出てる選手はみんな強い人たちだし。そういう中に選ばれてるっていうのは光栄なんですけど・・・。レスラーが相手だと難しい試合になるっていうのは多少ありますけど、それでもそこで勝負していく、難しいことに挑戦していくってことにも意味があるし。レスラーを相手にしても面白い試合ができれば、本来、ヴァーリトゥードで闘う自分の力にもなるから・・・。まぁ、お話をいただければ出場したいですけどね(笑)。 : わかりました。では、パンクラスでの前回の試合、4/12後楽園ホールでのVS和田拓也(SKアブソリュート)戦を振り返っていただきたいのですが、戦前から北岡選手は和田選手をとても評価していて、実際、和田選手は、6/7ディファ有明大会でもランキング3位の芹澤健市選手(RJW/CENtrAL)と好勝負を展開しました(結果はドロー)。 ■ 北岡悟:ん〜和田選手は強かったんですけど・・・。まぁ、展開としては、僕はすぐ間合いを詰めて組み技で勝負したんですよね。で、相手は『コンバット・レスリング』のチャンピオンだし、組み技も強い。変則的な打撃をやってくるっていうのもわかってて。それで僕は選択肢として、自分から詰めて組み技勝負をしたんです。それは何故かと言うと、自分が組み技で相手を押さえて殴りつけようって決めてやったんですけど、でも実際は一回上になっただけで、あとは下になることも多かったんですが・・・。全部の部分でバランスも良くて、力強さじゃないんですけど、確実に強い、シュアな実力者だなっていうのは感じましたね。「もっと打撃でいった方が良かったんじゃない」って後でいろんな人に言われたんですけど、“たら・れば”の話で今さらなんですけどね(笑)。ん・・・もう1回っていうのは和田選手に関してはそんなに感じないですね。ただまぁ、この試合で得たものもいっぱいあったんで、それだけでもOKかなぁって思いますね。ただ、もっと勝つためにやりようがあったんじゃないかっても思ったんで、もっと工夫ですよね。それが足りないですよね。試合として面白かったかどうかっていうのも自信ないですし。あとはもっと勝っていかなきゃいけないっていうのが、ここ2戦を通じて思ってることなんで。やっぱり結果っていうのは残っていくものなんで。内容っていうのは、その時観た人の心の中に残っていくかも知れないですけど、翌日新聞とかで見た人とか、ネットで速報を見た人とかは結果しか見ないんで。これでやっていくわけですから、勝っていくってことの重みを感じてますよね。多分ワンランク自分の中で力が上がったせいで、ちょっといらぬ欲みたいなものが出てきてる。その欲も大事だと思うんですけど・・・もっと派手に勝ちたいとか、こういうふうにもっと試合をつくりたいとか、一本とりたいとか、そういう欲が出てきたせいもあると思うんですけど、勝たないと「ショボい」って言われますからね(笑)。知らない人には(笑)。 : では、6/22梅田ステラホール大会でのVS星野戦に関してお聞きしますが、今回の試合は再戦ということで、前回は北岡選手のデビュー4戦目だったんですけど、結果の方は判定3-0で星野選手が勝利しました。実際に闘ってみて、あの時の星野選手の印象はどんな感じでしたか? ■ 北岡悟:いや、まぁ、その前の年(2000年)に『ネオブラッド・トーナメント』で優勝した選手とデビュー4戦目で試合させてもらって・・・ん〜やっぱり強かったですね。負けるべくして負けたって感じがすごいしますね。デビューして1年ぐらいの間に試合した選手の中では一番強かったと思うし。いろんな意味で、一本とられた以上の負け方をしたという記憶がありますね。いろんな意味で負けてる感じがして。洗礼を受けたみたいな(笑)。もちろんレスリングがしっかりしてますよね、すごい。で、ちゃんと総合的な闘い方ができると。強いッスよ(笑)。 : 1度目の対戦から2年という長い月日が経ってるわけですけど、最近の星野選手を北岡選手はどうご覧になりますか? ■ 北岡悟:いや、根本は変わってないですね。やってること自体は変わってないと思いますけど、打撃とか寝技が上手くなってるのは感じるし。だけど、以前の方が迷いなく試合してる感じがちょっとしますね。前の方がもっと元気だったような。そんな気がしますけど。でもまぁ、負けてるのは実際外国人の強い選手にしか負けてないですし。そうですね・・・やってることは変わってないですね。星野選手は。だから変わらず強いと思います。 : では、そういう星野選手と、今回どう闘いましょう? お話できる範囲でお願いします。 ■ 北岡悟:ん〜そうですね・・・どう闘うかは秘密ですよ(笑)。僕は強くなりましたよ、かなり。いろいろ変わりましたよね。所属も、その時の「パンクラス東京」から「パンクラスism」になりましたし、『ネオブラッド』も経験したし、身体もデカくなりましたしね。前回はミドル級で試合したんですけど、80kgもなかったし。今、ウェルターで75kg未満でやってますけど、今の方が全然身体もデカイし。だから身体も心も違うし。ん〜考え方が変わりましたよね。格闘技に対する考え方が。よりパンクラスっぽい選手になったかなと、自分では思ってるんですけど。だからパンクラスとして闘うみたいな感じですよね。星野選手もRJW/CENtrALじゃなくて、自分の道場を持ったわけじゃないですか。だからそういうのも星野選手の中にあると思うんですよね。変わってるものが。それに近いかなっては思うんですけど。パンクラスというもので闘う、僕のパンクラスで闘うって感じですね。僕、ホントこの2年で変わりましたからね。女性の趣味も変わりましたから(笑)。 : 2年前の前回の時と今はお2人の状況も立場も違いますけど、今回の試合で何が一番変わると思います? ■ 北岡悟:今回、3ラウンドですよね。僕、何気に3ラウンドの試合って初めてなんですよ。ちゃんとした3ラウンドの試合って。2ラウンドの試合の延長で、3ラウンドっていうのを一回だけやったことがありますけど。それ以外は全部2ラウンドでしたね。3ラウンドの方が向いてるんじゃないかって自分で思ってますけどね。アライケンジと対戦して一本とった時も、延長の3ラウンド目だったんですよ(2002年7月・後楽園ホール『ネオブラッド・トーナメント』準決勝)。だから3ラウンドあると一本とれるんじゃないかなっていうのが自分の中にあるんですよね。以前佐々木選手(パンクラスGRABAKA)と話をしている時に、「3ラウンドあった方が一本とれるよ」みたいな話になって。3ラウンドあることによって、1ラウンド目とかの流れも変わるし。2ラウンドだと、1ラウンド目が終わった時点で、もう試合の半分が過ぎたってことじゃないですか。だけどそれが3分の1だったら全然違うと。そういう話を一回したことがあるんですよ。それはちょっと思いますよね。僕のチャンスが増えるような気がしなくもないような、そんな感じですかね。あとは、僕の方がランキングが上だとかはあんまり関係ないですね。むしろ、僕としてはこれに勝って次に試合したい人たちがいるんで。次に行くための通過点って思ってるんで。星野選手も同じように思ってると思うんですけど。でも、もちろん大変な勝負になるとは思います。 : わかりました。では、今回のVS星野戦からちょっと話題を変えて。格闘技評論家の北岡氏にお聞きしたいんですけど(笑)、ライトヘビー級でブラジル勢が大活躍しています。この状況をどうご覧になりますか? ■ 北岡悟:ん〜まぁ、それぞれタイプが違うと思うんですよね。でも、共通して言えることは、やっぱり身体の力がすごい強いですよね。バネとか。昔パウロ・フィリョがそうだったように。それをすごい思いますね。結局日本人選手はまずそこで負けてる感じがしますね。身体が小さい。現実として。世界レベルの選手と闘うには、みんな絞ってミドル級にした方が良いんじゃないかって思いますね。正直言って。まぁ、でも僕もそういう選手たちと闘いたいっていう気持ちはありますよ。身体をデカくして。やっぱりそうですね・・・技術的なことで言っても、アルメイダの場合は寝技が圧倒的に強くて、カストロの場合は打撃が強くて、サイボーグは多分フィジカルっていうものになると思うんですけど。それでみんな闘争本能とかもあるし。まぁ、勝つのは大変そうだなって言うのが本音ですね。逆に75kg未満でそういう選手たちがパンクラスに上がるんだったら、僕は勝負しなきゃいけない立場にあるんで。僕もそういう選手たちと、75kg未満で闘ってみたいなって思いますけど。 : では、ライトヘビー級の日本人選手たちが、これからブラジル勢を迎え撃つためにまず取り組まなきゃいけないことって何でしょう? ■ 北岡悟:何かしら1個、圧倒的に強いものが欲しいんじゃないかなって思いますね。それは満遍なく全部できた上でのことだと思うんですけど。満遍なく全部できるレベルにあって、更にその中で1個、ぶっちぎりで何かが強い。そういう感じですよね。近藤さんなんか満遍なく高いですよね。満遍なく高くて、バランスと打撃の当て感が飛びぬけてると。だから勝てると。寝技になっても凌げる力があるし。レスリングとかでも、倒されても立てるし。菊田選手に関しても、皆さんが思ってる以上に満遍なくできると僕は思ってるんですよ。満遍なくできて、力と寝技が強いと。 : わかりました。では最後に、VS星野戦を楽しみにしていらっしゃる北岡選手のファンの皆さんへメッセージをお願いします。 ■ 北岡悟:ん〜そうですね・・・まだまだ力が足りないと日々思ってるんですけど、僕も理想があるんで、それを現実にするように日々努力してて、それを叶える、発表する場所がリングなんで、それをしたいなと思いますね。4月の試合の後からこれまで、いろいろあったんですよ。それらを全部自分のためにしようと思ってるんで。そういういろんな出来事を全部自分のエサにして、それを食べてデカくなって、夢に向かって突き進んでいこうかなと(笑)。そう思ってるんで、そんな僕を何気なく応援して下さい(笑)。 ■ 北岡悟選手database |