まずはパンクラスマットデビュー戦となった昨年10月のハー・スン・ジン選手との一戦(KO負け)を振り返っていただきたいのですが。
高森啓吾:あの時は全てがダメでしたね、集中もできてなかったし。試合前は結構いい調子で練習できてたんですけど、練習不足ですね、全ては。最初にいいのをもらっちゃって、全部とんじゃったんで、何の意識もなく終わっちゃっいましたね。

高森選手としては打撃での真っ向勝負を考えてたわけですか。
高森啓吾:あの時はほんと作戦とかなかったんですよ。ハー選手がテコンドーの選手で蹴りが得意だといってたんで、蹴りばかり警戒してたんですけど、後々聞いたら足を怪我してて蹴りを出せない状態だったって、何だよそれって(笑)間合いの取り方がまずかったっていうのと、どこかで甘くみてたんじゃないですかね。

その試合後は聞くところによるとかなり落ち込まれてたらしいですね。
高森啓吾:へこみましたね、すごいへこみましたよ(笑)ほんともうやめようかなって思って(笑)俺、向いてないんじゃないかなって(笑)インターネットとかでも結構たたかれてましたし。

それは高森選手への期待が大きかったというのもあると思うんですけど。
高森啓吾:周りの人が期待しすぎだって部分もあるんですよね。決して柔道でも周りに言われるほど大した実績を残してるわけではないんで、過大評価されすぎだなって思ってたんですけど。でも期待されたからにはやんなきゃならないし・・・カラ回りしてましたね。

そのへこんだ状態からどう気持ちを切り替えられたんですか。
高森啓吾:普通なら周りから少なからず「期待を裏切られた」っていう雰囲気が出てくるじゃないですか。でも応援してくれてるみんながみんな心配してくれて「まだ始まったばっかなんだから、最初にこういう経験できてよかったよ。ある程度のところまでいって、ああいう負け方したら本当に立ち直れないかもしれないけど、最初にいい教訓ができたんだからこれから頑張ればいいじゃないか」っていってくれて、「これはほんとやめられねぇな、このままじゃ終われねぇな」って思いましたね。

昨年の12月には「パンクラスMEGATON」が発足したわけですが、その話を最初にお聞きになられたときはいかがでしたか。
高森啓吾:正直な話「うちで大丈夫なの?」って(笑)逆ハイブリッドなのに(笑)今までのパンクラスのイメージを覆しちゃっていいのかなって。でもパンクラスさんの方でもスーパーヘビー級が少ないっていうことで、自分らも力になれるんであれば、僕たちも名前が売れるチャンスだし、お互いにとって利益があると思ったんで、二つ返事でお願いしました。

高森選手の意識の中で「MEGATON」が「パンクラスMEGATON」になって変わった点はありますか。
高森啓吾:やっぱり自分も格闘技好きでみてたんですけど、パンクラスっていうと凄い大きな一つの団体だし、そのパンクラスとしての看板を「MEGATON」が背負ってやっていくってなったら、「今まで以上にしっかりと、パンクラスの名前を汚さないように練習をやんなきゃ駄目だな」って去年の年末にみんなで反省会をしましたね。

「MEGATON」のメンバーなんですが、現在高森選手のほかにIRO関、保坂忠広選手と2名いらっしゃいますが、高森選手の方からお二人がどんな選手か紹介していただけますか。
高森啓吾:保坂はほんと真面目な選手で、試合に関しても真面目で、着実に勝ちを狙うっていう。特に試合で派手さはないんですけど、あんな体しててもうまいところがあったりするんで、バカにできないじゃないけど、なめてはいけない選手だと思いますね。IRO関はずっと色物担当でやってたんですけど(笑)格闘技をはじめたのは女にモテたいという不純な動機だったわりには、なんだかんだといってちゃんと練習やってますし、呑みこみがはやいんですよ。シャドウをやるとすごいきれいな形でやるし、チームの中では一番呑みこみが早いと思うんですよね。どう化けるかじゃないですか、ずっといろもののままでいるか(笑)大化けするか。

では2月6日後楽園ホール大会で対戦するセハク選手(多田尾秀樹より改名)ですが、試合はご覧になりましたか。
高森啓吾:ビデオで石井(淳)選手との試合をみてます。渋い試合だなって(笑)高橋(義生)さんも「強いよ」って言われてましたし、前みたいにナメないように気を引き締めて、もう同じ繰り返しはできないんで、失敗はしたくないし、勝っておいしいお酒を飲みたいんでしね。年末からずっと酒をやめてるんで。

前回の試合前は柔道という下地にこだわらずに打撃で勝負したいとおっしゃってましたが、その後の練習によってスタイルの変化はありますか。
高森啓吾:柔道でも寝技はあるんですけど、総合の寝技とまるで違うんですよね、道衣はないしツルツルすべるし、その中でうまく(関節技を)極めれた時の嬉しさとか楽しさをすごい実感できるようになってきたんで、そういう技で魅せる試合もいいんじゃないかなって思うようになってきましたね。結構パンクラスファンの人たちってグラップリングの技術をみるじゃないですか。そういう人たちにも楽しんでもらえるような試合をしていきたいですね。「おっ、こいつデブのくせにやるな」みたいな(笑)あと山田(学)さんに教しえていただいてますんで、それを試合で出すことが恩返しだと思うし、それぐらいしかできないですし。

では2月6日の後楽園ホールから今年の「BRAVE TOUR」がスタートするわけですが、今年の目標をお聞かせください。
高森啓吾:まず負けないことですね。それと今順調にやってる練習の流れを最後まで続けて、来年までつなげたいですね。ちゃんと練習をする団体と言われるように、「あいつ等ほんとやってるよ」って言われるように(笑)そう言われるようになるには時間かかると思うんですけど、これから積み重ねていきたいですね。

では、最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
高森啓吾:もう同じ過ちは二度と繰り返したくはないんで、今回はどんな内容になろうが絶対勝ちにいきます。頑張ります!

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