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: 2月15日(日)の梅田ステラホール大会で、高森啓吾選手に続いてパンクラスデビューを果たす、パンクラスMEGATONの保坂忠広選手との対戦が決定しました。当初は、男!徳岡選手(WATER)との対戦が決定してましたが、徳岡選手の欠場により、以前、北岡選手が会社に伝えた「MEGATONの選手と対戦したい」という希望が叶った形になりましたけど、そこで、今回のVS保坂忠広戦についてお話をうかがいたいと思いますが、その前に前回の試合、昨年10月・後楽園ホール大会でのVS関 直喜戦についてお聞きしたいと思います。関選手(フリー)は、昨年の『ネオブラッド・トーナメント2003〜ウェルター級〜』で優勝を飾り、その実績を携えてのランカーへの挑戦でした。そして北岡選手がその相手に選ばれて、結果としては判定3-0の勝利で文句なしに挑戦者を退けた試合になりましたが、今振り返ってみてあの一戦に思うことは何かありますか? ■ 北岡悟:あの試合はいっぱいビデオで見てるんですけど、ん〜、良いところもあるんですけど、もう4ヶ月ちかく経って・・・全然精度が低い、技術とかの精度が低いので、もう過去と言えば過去ですね。振り返ってる暇はないってアントニオ猪木さんが言ってましたけど(笑)。 : 精度が低いとのことですが、特にどの辺にそれを感じたのでしょう? ■ 北岡悟:それは次の試合のキーポイントになるので言いません(笑)。 : 結果として、ネオブラッド・トーナメント優勝者がランキングに入るのを退けた事になりますけど、そのことに関しては満足してますか? ■ 北岡悟:そうですね。退けたことに関しては満足してますけど、関選手とは今後何回対戦しても僕が勝つと思うので、今ではもう、関選手のことはどうでもいいっていうのが正直なところですね。あんまり興味が沸かないっていうか。素直に本音を言うと、そんなに強いとは思わなかったっていう感じですね。 : では、あの試合後に、北岡選手としては初のマイクアピールがあったんですけど、あれは試合前から考えてました? それとも突発的に思いついたものだったんですか? ■ 北岡悟:ん〜、良い勝ち方をしたらマイクを持ちたいっていつも思ってたんですけど、今日は別に言ってもいいよなって思ったんで(マイクを)持ちました。 : あのマイクアピールに関しては、一部間違った報道もあり、波紋を呼んだ発言だったんですが、そういうことを含めて、いろいろなところから反響があったと思います。 ■ 北岡悟:ん〜、何も思われないよりは良いのかなって思いますね。ホント何もリアクションがないよりかはいいです。 : 賛否両論の「賛」と「否」ではどっちが多かったですか? ■ 北岡悟:まぁ、僕の周りの人は比較的否定的なことを言う人は少なかったですけど・・・。鈴木(みのる)さんからは「マイクが下手くそだ」って言われて、マイクのレクチャーを受けましたけどね(苦笑)。「こうした方が良いよ」みたいな。ismの仲間とか、その他練習してる仲間とかから、言った内容に関してとやかくは言われませんでした。「痛いことを言うね」みたいなことを言う人はいましたけど、でも別に僕を根幹から否定するような感じではなかったので、別に良いかなと。あの時はあの時で。 : わかりました。では、そのVS関戦が去年の最後の試合になりましたけど、昨年一年間を振り返っていただくと、2003年は北岡選手にとってどういう年でした? ■ 北岡悟:ん〜、去年のことも、もう結構前のことに感じちゃうんですけど、ホームページの念頭の挨拶でも言ったんですが・・・まぁ、ちゃんと力は上がってるけど、でもまだまだ全然ダメだなって思いましたね。人に何かを伝えるには、まだ力が足りないっていうのを感じましたけど。 : それが最たるものですか? ■ 北岡悟:そうですね。それが全てと言ってもいいでしょうね。 : 昨年の年頭には、今年はここまでいきたいっていうのがあったと思いますけど、それから考えると、去年は100点満点で何点になります? ■ 北岡悟:ん〜、50点ぐらいかな。それぐらいじゃないですかね。 : 満足度的にはいかがですか? ■ 北岡悟:いや、自分自身、頑張ってるなって褒めてあげようとは思ってるし、自分のことを褒めてる部分もあるんですけど、まぁ、頑張るのも当たり前だし、成長するのも当たり前なので。もっともっと成長しなきゃいけないはずだから、それはまだまだ頑張りが足りないんだなって思いますね。 : わかりました。では、北岡選手的には、10月のVS関戦が昨年の闘い納めになったんですけど、格闘技界的には年末の大晦日まで大きな興行がありました。『PRIDE男祭り』には近藤選手が出場して、『猪木ボンバイエ』ではジョシュ・バーネット選手とセーム・シュルト選手の無差別級のタイトルマッチが行われましたが、まずはこの2試合以外で、北岡選手の心に残った試合というのは何かありました? ■ 北岡悟:ん〜、マニアックな話になっちゃうので、それを話してもあんまり面白くないんですけど・・・。まぁ、美濃輪(育久)さんが5ヶ月ぐらいブラジルにいて、それで帰って来て何をしてくれるのかな?っていうのはあったんですけど、あんまり変ってなかったっていうのが本音で。 : 北岡選手にはそれほど大きな変化は感じられなかった? ■ 北岡悟:そりゃまぁ、4、5ヶ月ブラジリアン・トップ・チームで練習して、柔術は青帯になったらしいんですけど・・・。美濃輪さんの伸びより、俺の方が伸びてると思いましたね。美濃輪さんは半年向こうで頑張ったと思いますけど、それよりかは俺の半年の方が、こっちで、日本で頑張った俺の半年の方が密度が濃いぜって思いましたね、観てて。まぁ、対戦した相手がすごい強い選手だったので、なかなか出せないっていうのもあったと思いますけど、だけどそんなに変ってないのを感じましたね。観てて。でもそれは、美濃輪さんはあのスタイルでも全然強いからやっちゃうんでしょうけど。あの試合はすごい印象に残りましたね。あとは中邑(真輔)選手の試合とかですね。1月になってからビデオで見たんですけど。同じ歳で、会場でも2回ぐらい会って喋ったこともあって。まぁ、プロレスのチャンピオンがヴァーリトゥードをやるってことで。でも、もっと強いって思ってたので、ちょっとガッカリした部分もありっていう感じですね。 : わかりました。では、パンクラス無差別級のタイトルマッチ、ジョシュ・バーネットVSセーム・シュルト戦に関して。あの試合はご覧になりました? ■ 北岡悟:ん〜、結局ジョシュ・バーネットだと、セーム・シュルトとさほど体格差がなくなっちゃうんだなって思いましたね。何か同じ階級の選手って感じなんで。身長差もそれほど気にならずに、僕が180ちょいの選手と試合するのと変らない感じで、全然普通通りに、セオリー通りに攻略して。当たり前のことをちゃんとできるっていう強さを感じますよね。テイクダウンして、押さえてっていう。セーム・シュルトって規格外の体格の選手なんで、それでみんな苦戦してましたけど、それを普通にやっちゃうみたいな。当たり前のようにいろんな技を仕掛けて。アグレッシブに。だから強い選手だなって思いますね。 : そんなバーネット選手に関してもう一つ北岡選手にお聞きしたいのですが、『PRIDE』さんのヘビー級のトップ3、ミルコ選手、ノゲイラ選手、ヒョードル選手の3人とバーネット選手が対戦した場合、試合の内容や結果をどう予想します? やっぱり皆さんご覧になりたいと思うんですよね。 ■ 北岡悟:そうですね〜、絶対こっちが勝つとか、こっちが負けるとかって言えないんじゃないかなって思いますね。ん〜、対戦してみないとわかんないんじゃないですか。勝っちゃうような気もするし、負けちゃうような気もします。だからみんな見たいんじゃないですか(笑)。 : バーネット選手のレベルはそのトップ3に遜色ないレベルにあると思います? ■ 北岡悟:いや、遜色ないと思いますよ。そこに食い込める選手だと思います。 : わかりました。では、セコンドにも付いた近藤選手の試合。 ■ 北岡悟:まぁ、僕と近藤さんの雑談からあの膝蹴りになったんですけど(笑)、近藤さん自身おっしゃってましたけど、菊田選手との試合を経た、あと、ジョシュ・バーネットと試合をしたことが生きてるんだと思いますよね。でも、僕はすごいスペーヒーの気持ちがわかりますよね。(近藤選手と一緒に)練習してると、テイクダウンを一生懸命とろうとして、とれたとしてもまた立たれたりして、それで何回もまたテイクダウンを狙うとすごい疲れて、消耗しちゃって。で、逆に今度は(テイクダウンを)切られて殴られてっていう。練習で、あの試合と同じように(自分が)されてるので。だからもう、近藤さんの勝ちバターンずばりみたいな。それがもう、早い段階で出ちゃったんで。まぁ、スペーヒーも最初から一気に攻めてきた感じはしましたよね。そのせいも相まったとは思ったんですけど。近藤さんの強さが目立つ、良い試合になったとは思いますね。対策としては、(スペーヒー選手は)上からガチガチでくるんじゃないかって近藤さんに話してたんですけど。外掛けで一度倒されましたけどすぐに立って。ホントにもう、いつも通りなんですよね。まぁ、近藤さんの勝ちパターンになったってことですよね。 : セコンドとしてご覧になってて、危ないなって思ったシーンはありました? ■ 北岡悟:まぁ、テイクダウンされたら怖いですよね。相手はもう、寝技に関しては本物の一流の選手なんで。確かに、今、現役バリバリで寝技に強い選手ではなくて、もうベテランで、超一線級とは言えないかも知れないですけど、アブダビ(・コンバット)とかでも実績があるし、過去にやってきたこともあるので。そういう選手を相手に、僕は危なげなかったと思いますね。テイクダウンされただけで。足関節でやられることはないと思ってるので、全然それも安心して見てましたね。 : わかりました。では、今回セコンドという形ではあったんですけど、花道を歩いて、リングに上がって、そして会場を見渡して。『PRIDE』さんという闘いの場に何か感じることはありました? ■ 北岡悟:いろいろ感じることはあったんですけど、それは秘密にしましょう。今は(笑)。 : 了解しました(笑)。では、大晦日の翌日が当たり前ですけど元旦で、2004年という新しい1年がはじまったんですけど、年頭に何か目標とか、1年の計とか立てました? ■ 北岡悟:そうですね。今年はいっぱい試合したいなって思ってますね。 : それは何故そう思ったんですか? ■ 北岡悟:まぁ、2月4日で24歳になったんですけど、きっと後からみたら若くて良い時期っていうふうになっちゃうんで、そういう時にいっぱい経験を積むことが大事かなと。試合する度に確実に強くなれてるんで。あと、パンクラスという中にいて、パンクラスの興行はほぼ毎月あるわけなんで、それで経験を積まない手はないって。それと(船木)顧問とかが、「昔は毎月試合をしてたんだ」みたいなことを言ってるので、それならやってみようかなってちょっと思ってますね。 : では、ちょっと北岡選手ご自身の話題からは離れてしまいますけど、先日(2/6)の後楽園ホール大会で、ismの道場長である國奥(麒樹真)選手が、GRABAKAの三崎(和雄)選手にやぶれてしまいましたけど、あの試合をご覧になっててどういう心境でした? ■ 北岡悟:そうですね〜、まぁ、いざ試合がはじまれば國奥さんを応援してましたけど、でも、究極で言えば、どっちが勝ってもいいなって思ってましたね。すごい言い方をすれば(苦笑)。まぁ、道場長なんですけど、あの試合が終わってから思うのは、道場長っていう存在よりも、(自分が)倒したい標的の選手であるというのが強いなっていうのを感じましたね。やっぱり自分の階級のベルトを持っている選手なんで。いずれ絶対対戦したいし、対戦する選手なんで、そういう意味で、まぁ同門なんですけど、どっちが勝ってもいいかなって思いましたね。で、結果、三崎選手が勝って、三崎選手の方が上ってことなので、國奥さんを倒して(自分が)上にいったら三崎選手がいるって思ってますね。今は。 : わかりました。では、2/15(日)梅田ステラホール大会でのVS保坂忠広戦に関して。以前から「MEGATONの選手と対戦したい」っていうリクエストを会社に出してて、今回、たまたま当初の対戦相手だった男!徳岡選手の欠場により、そのリクエストが形になったということなんですけど、何故、自分とあれだけ体格差のある選手たちとの対戦を希望したのですか? ■ 北岡悟:ん〜まぁ、パンクラスMEGATONになったからでしょうね。 : それは・・・もうちょっと詳しく話していただけます? ■ 北岡悟:パンクラスって何なんだろう?って思ったんです。 : ・・・・・・。 ■ 北岡悟:パンクラスって何なんだろう?って思ったんです。だから対戦したいって思ったんです。 : その時に体格差とかってよぎりました? もちろんわかってたと思いますけど。 ■ 北岡悟:そうですね。ん〜、対戦することによって得るものが大きいので、対戦したいなって思いましたね。 : そこにはもちろん勝算もあるわけですよね。 ■ 北岡悟:そうです。もちろんです。全然ありますよ。 : では、今回、MEGATONの保坂選手が対戦相手になりましたけど、保坂選手の名前を聞いた時の心境っていかがでした? ■ 北岡悟:ん〜、MEGATONの選手だったら誰でも良かったんですよ。でも会社が、プロモーターが決めた選手ということで。そういうふうに思ってますね。 : 保坂選手の印象っていかがですか? 先月の『DEEP』後楽園ホール大会でのVS石井 淳戦をご覧になってるとのことですが。 ■ 北岡悟:ん〜、印象・・・? パンクラスって何なんだろうって思いましたね。 : 今回、対戦相手の保坂選手に先に話を聞いたのですが、「体格差、体重差を生かして勝つ」という感じのことをおっしゃってました。約50kgという体重差、体格差への対策は北岡選手の中でもうできてます? ■ 北岡悟:そうですね〜、体格差を生かせるの?っていう。じゃぁ、生かして下さい。頑張って下さい。まぁ、関係ないって言うか、精度が、さっき関選手との試合を振り返った時の話になるんですが、精度の話になりますよね。要するに、精度が粗いって関選手との試合を振り返って思ったので、その精度が問われるわけですよね。やっぱり力ではごまかせない部分があるということですよね。体重、パワー、重しっていうことで。それが問われるっていうことですよね。 : この試合って、負けた方にはすごいリスクが伴うと思うんですね。 ■ 北岡悟:そうですね。 : 北岡選手がもし負けた場合、自らこの無差別級の対戦を望んだというのがありますから、やっぱり体格差のことを言われて「そら見ろ」ってことになりますし、逆に保坂選手の場合はこの試合を受けたわけですかから、それだけの体格差のある選手に負けたってことで、通常の同階級同士での試合に比べて叩かれる要因も大きいわけですよね。そういう非常に辛いリスクを背負う対戦っていうことに関してはどう思ってます? ■ 北岡悟:ん〜、僕が感じるリスクっていうのは・・・もちろんそういう建て前というか、MEGATONってことでのリスクもあるんですけど・・・。まぁ、これは試合前に言うことではないと思うんですが、体格差があることによって大ケガをしたり、致命的なケガをしたらダメだというリスクですね。そうなることによって、日本の総合格闘技がダメになっちゃう可能性があるので。そこは是が非でも守らなきゃいけないので。そことの勝負ですね。勝つのは当たり前なんですよね。 : 当たり前? ■ 北岡悟:そうですね。 : では、今回の試合で、北岡選手にとって一番大切な事、大事な事って何でしょう? ■ 北岡悟:もちろん勝つことだとは思いますけど。ん〜、パンクラスって何なんだろうってことですね。それを今までで一番感じましたよ。僕とパンクラスの関係って長いんですけど。入団する以前のこともあるので。“俺とパンクラス"って感じですよ。 : その問いかけの答えは勝つことで出ます? ■ 北岡悟:勝つことでは出ないと思いますけど、勝つことによってその精度が増しますね(微笑)。 : ・・・・・・あえて突っ込まないようにします(笑)。これをご覧になってらっしゃる皆さんにも考えていただきたいので。では、これで最後です。当日、北岡選手を応援していらっしゃる皆さん、あとこの試合を楽しみにしていらっしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。 ■ 北岡悟:そうですね。まぁ、これで勝っても僕が強いわけではないと思いますね。 : そうですか? ■ 北岡悟:そう思ってますね。50kgの体重差を克服して勝ったとしても、別にそれは大したことではないと思いますね。ん〜、いや、負けたら僕が弱いんですよ。それだけでいいと思います。まぁ、まだまだなんで、自分が。これからの一つの経験ですよ。お客さんは別に自由に観てくれれば良いと思いますよ。どうとってくれても良いです。僕は・・・僕は、でもパンクラスですよ。多分(微笑)。 ■ 北岡悟選手database |