今年2月の梅田ステラホールで、パンクラスismの北岡 悟選手を相手にパンクラスデビューを果たした保坂選手ですが、前回のVS北岡戦をどのように振り返られますか?
保坂忠広:あの試合に関してはもっと積極的にいくべきだったと。せっかく体がデカいのに、寝技はしたくないとかいろいろ考えちゃって、そういう点では失敗したなと思います。

試合前にイメージを固めてしまったと。
保坂忠広:イメージは持っていましたね。当然自分より小さい人と対戦するとなると、いつもと違うなと思ってたんですけど、北岡選手に関節取られちゃうと体重とか関係なくなってしまうので、ガードポジションならガードポジションを完全に取らせてという形でなければ、寝技ではなく立って勝負しようと。(高森)啓吾さんの試合を見ると殴りにいくじゃないですか。キャプテン(高森選手)の生き様を見て、良いところはマネしないと。やっぱり見せてナンボと皆さん言ってますし。そのために打撃に関しては (高森)啓吾さんのマネをしたり、山田(学)先生に見てもらったりしているのに、寝技は最低限、相手に取らせない練習を山田(学)先生を相手にやってたんですけど、打撃を出せなかったですね。もうチョイできたと思うんです。

ドローという試合結果でしたが、ご自分の中でその結果をどのように捉えてますか?
保坂忠広:別に不満もないですし、まぁ、ドローかなと。先ほどの反省点を踏まえた上で、応援して下さった方々には申し訳なかったなって。石井(淳)選手と試合した時も何もできなかったんですけど(今年1月の『Deep』)、今度は勝手にイメージを作ってやったら、それで手数が少なくなったんじゃないかと。

先月に野地竜太選手がパンクラスMEGATON入りを果たしましたが、保坂選手は同じチームメイトになってどのようなお気持ちですか? また、一緒に練習するようになって、保坂選手の中で変わり始めていることなどはありますか?
保坂忠広:一言で言うと、人数が増えたのでチーム内の競争意識ではないですけど、そういった意味でも野地(竜太)選手というレベルの高い方がMEGATONに入ったことは良いことだと思っていますね。IRO関先輩や啓吾さんといったいつものメンバーとやっていた時よりも、野地選手という、打撃のスペシャリストが入ってきたことで、逆に寝技で取られたらまずいなとか、練習の中でもいろいろな変化があるので良いと思います。(スパーリングで人数が)余って外れたりする時に、どうしても野地選手を見ちゃいますよね。野地選手は一緒にスパーリングをやっていても時折教えてくれるんですよ、一個一個気付いたところを。山田先生も毎回通して言ってくれてるんですけど、ただ野地選手はまた視点が違うので、良い意味で教えてもらっているなと。

先月(3/29)の後楽園ホール大会では、同じパンクラスMEGATONの高森選手が豪快な秒殺(vs石井淳戦 スタンドのパンチによるレフェリーストップ勝ち)で勝ち名乗りを受けました。高森選手の2試合連続の秒殺勝利を、すぐ側でご覧になってきての感想をお願いします。
保坂忠広:やっぱ僕とは違うんだなって。自分が石井選手と対戦した時に、押し込んでいけるんですけど、「その先がない」ってテレビの解説者の方も言ってたんですが、一回寝かせたかなと思ったんですけど、防がれちゃったので、それで結局離れて打撃をするにしても、打たれもしなければ、打つこともできなかった。それを啓吾さんは石井選手を相手にボコッボコッと10連発。あれはヤバイなと思いました。あれをしなきゃいけないんだなって 啓吾さんの試合を見る度に思いますね。「あれをしなきゃいけない、なんでお前はできないんだって」。北岡選手との試合の時を振り返ってもそうなんですよ。結局まだ僕は何もないので、関節で取られたらどうしようみたいなことを考えるくらいだったら、「負けてもいいから1発かけろ」と。(高森選手は)生き様を見せてくれてるのかなと。直接そういうことを言ってくれるんですよね。山田(学)先生も言ってくれるんですよ。それを今回やらないと。

今回の相手はアメリカ武者修行から帰国した謙吾選手ですが、謙吾選手にはどんな印象をお持ちですか?
保坂忠広:やっぱりデカいですよね。あと身体能力が高いですよね。打撃もハンパじゃないし。『DDTプロレス』の橋本(友彦)選手が謙吾選手と以前対戦してるんですけど(2002年5月・梅田)、橋本選手は自分が総合をやると言った時に1ヶ月ぐらいマンツーマンで教えてくれた人で、そういった意味で今回の試合は負けられないなと思ってます。謙吾選手に対して敵討ちっていうのもありますし、仇取れたらなというのもあります。

では橋本選手から秘策を授けられたりしましたか?
保坂忠広:一度電話したら寝ている時だったらしくて、「今度にして」と言われて、その後は連絡できてなくてそのままです(笑)。

保坂選手は非常に控えめな印象を受けるんですが、対戦相手が謙吾選手ということでアグレッシブな試合展開を期待されると思いますが、その辺はいかがでしょうか?
保坂忠広:まさにその通りだと思います。アグレッシブにいっとかないと、僕はむしろ試合に出ちゃ悪いんじゃないかっていう気持もあります。僕みたいなアンコ型でやるとなると、突くところを突いていかないと、リーチで負けるとタコ殴りにされるじゃないですか。それを考えて、今までの押し込みなど、既にできている部分にその先(の攻撃)を加えていけたらなと思います。

謙吾選手は現在スーパーヘビー級ランキングの8位に入っていますが、今回謙吾選手に勝利するとランキング入りが見えてくるかと思います。そうなると、高森選手同様、MEGATON 2人目のスーパーヘビー級ランカーの誕生となりますが、その辺は意識しますか?
保坂忠広:もちろんです。石井選手と『Deep』で対戦した時も、石井選手がパンクラスで当時ランキング4位に入っていたし、北岡選手の時も、勝てばパンクラスの無差別級ランキングには入れるんじゃないかとか、常にランカーを倒すというのは、要するに見える階段じゃないですか。ですから当然意識はしてました。一番目に見える結果かなと。ちなみにパンクラスのwebサイトを開く時は、必ずランキングまで見てますから。最後にランキングを確認してから(ページを)閉じてますので(笑)。

対外国人選手ということに関してはいかがですか?
保坂忠広:まず僕の場合は目の前にある試合だけに集中して、その結果、外国人選手が出てくるのであれば当然対戦したいですね。そして倒したいですね。今、スーパーヘビー級ランキングの上の方は外国人が占めてるじゃないですか。それをMEGATONにしたいですね。

保坂選手の今後の野望は?
保坂忠広:なるだけハイブリッド肉体改造で。 100kg台を維持したまま、なるだけハイブリッドで。リアルな目標として。

それでは、保坂選手とパンクラスMEGATONを応援していらっしゃるファンの方々にメッセージをお願いします。
保坂忠広:人間としては地味なんですけど、誠意をもって、泥臭くても一生懸命試合をしますので、応援よろしくお願いします。

保坂忠広選手database