メインイベント スーパーヘビー級戦 5分3ラウンド
○ロン・ウォーターマン(1R 1分36秒、ギブアップ/アームロック)高森啓吾×

スパーヘビー級という事で、どんどんどんどんチャンピオンベルトが近づいてきていて、その部分でこの対戦は、早くもタイトルマッチかと思わせる様な、そんなマッチメークでした。高森選手は今、ミスター秒殺と言われる様な選手です。対するウォーターマン選手もパンクラスのリングでミスター秒殺という状態になっていますし、他団体のリングにも上がる様になって、実力も付いてきたというところでの試合でした。

一瞬の出力と感性。要するにファーストコンタクトのクロスパンチというのは本当に感性です。高森選手はそのヒッティング力、当て感の確率が凄く高いです。だからこそ1Rの早い段階での終了が、KO勝ちがあるわけです。その闘う感性の部分というところで、ワンパンチの高森か?知的パワーのウォーターマンか? この知的パワーというのは、彼の練習を見ていると、プラクティス、プラクティス、プラクティスです。要するにケーススタディーを繰り返し繰り返し繰り返し、練ってきています。彼の人となりそのまんまの様な練習です。ただ、それが凄い力で行われています(笑)。そのプラクティス 対 アドリブの様なところで、私はこの試合にも注目していました。開始早々のファーストコンタクトで、やはり高森選手の感性が火を噴きました。開始早々15秒ぐらい、激しく打ち合い、組み合ってというところで、もうウォーターマン選手は鼻血を出していました。ですからその部分での高森選手は流石だなと思いました。

ただ、流石ウォーターマン、そのぐらいでは腰が引けませんでした。それは彼が常日頃、パンクラスのベルトを巻くんだという、その思いたるや凄いと思います。これは日本人に生まれて、日本人がパンクラスのベルトを身近に考えているのとは、私はやはり違うと思います。今、日本人がサッカーだとワールドカップであるとか、野球であればMLBであるとか、異国にチャレンジしていく時に並々ならぬ思いがあるのと同様、ウォーターマン選手も日本のパンクラスのベルトに執着しているということで、やはりプラクティスの、練習の密度というところで並々ならぬものを感じます。そんな中でテイクダウンをきちんと取って、良いポジションに入ってサイドからアームロックに入っていきました。このアームロックは強烈!でした。私は通常ああいう技がかかると、私の腕を掛けられている選手の腕に絡めて、技を止めたりする事がありますが、自分の腕を絡めたら折れるのではないかと思うくらいの技でした。実際は2人の太い腕と太い腕が絡み合っているので、隙間がすぐには見つからず、絡めて止める事は出来ませんでしたが、そのパワーというのは大したものだと思いました。文句無しにベルトに近づいたと思います。さあ、このウォーターマンを止めるのは日本人では誰がいるのかというところで次の対戦相手が知りたいなと思いますが、しかしロン・ウォーターマンがベルトを意識してサービストークを始めましたから、そのマッチメークが出来るかどうかとういうところで、次にこのベルトの変動をファンの皆さんには注目してもらいたいです。 そんな後楽園ホール大会でした。