6/22(火)後楽園ホール大会で、遂にパンクラス・デビューが決定したIRO関選手(パンクラスMEGATON)。高森啓吾選手、保坂忠広選手に続いて、パンクラスMEGATONからは3番目のパンクラス・デビューとなりますが、そのデビュー戦のお話をうかがう前に、先ずはこれまでのMEGATONの流れを、IRO関選手がどのようにご覧になっていたのかということをお聞きしたいと思います。昨年10月の後楽園ホール大会で、当時MEGATONの高森選手が、ハー・スン・ジン選手を相手にパンクラス・デビューを果たしました。もちろんIRO関選手も会場にいたと思いますが、あの時がパンクラス初体験になります?
IRO関:そうですね。初体験ですね。

パンクラスという団体、会場の雰囲気、そしてリングで行われている試合をご覧になって、どのような印象をお持ちになりました?
IRO関:あ〜、恐かったですよね。一番最初。真剣だから、みんな(笑)。大概自分らなんかは真面目にやってても、誰かしら遊ぶヤツ、ちゃらけたヤツが1人2人いるんですけど、みんな真剣でしょ・・・。恐かったですよ。みんなが同じ方向、リングの方を向いてて、観客が「ワァーッ!」って言ってるわけじゃないですか。あれがすごく恐かったですね。最初。いろんな意味で恐い。一番最初に思ったのはそれですね。あの時自分は客観的に、第三者的に見てましたから。

非常に注目度の高い中での高森選手のパンクラス・デビューでしたが、結果としては豪快且つ残念な結果(KO負け)に終わってしまいました。高森選手はその前に、去年6月の『IKUSA』の方でプロ・デビュー戦に臨んで、そこでは豪快なKO勝ちを飾っていますが、その高森選手がKO負けを喫した試合を目の前でご覧になって、どのような心境でした?
IRO関:人間の陰と陽、上がった時と下がった時を見れて、アイツには失礼かも知れないですけど、面白かったですよ。自分の中で腕っぷしに自信があって、負けないっていうのがあったのに、それが壊れた時のすごく落ちたアイツを見て。打撃の奥の深さを知ったみたいなことも言ってましたしね。ブン回してるだけじゃダメなんだみたいな。

「このリングで自分も闘うんだ」というようなお気持ちはありました?
IRO関:ないですよ(苦笑)。上がったら怒られますもん(笑)。だって、その時は毎日酒を飲んでる身分ですよ、僕。啓吾のお守りでいたんですから、あの時は。ただ練習相手としていたので、自分が上がることになるなんて全く思ってなかったですよ。あの〜神々しいじゃないですか(笑)。リングが。本気のマットって。まさか自分が上がることになるなんて・・・。でも、ホントはありますよ。上がりたい気持ちが。でも、手を挙げたら怒られるかなっていうのがありますよね(笑)。汚したらダメみたいな。自分、そういうのを汚したい人間なんですけど(笑)。すごくみんなが大事にしているものを、グチャグチャにしたい人間なんで。したいんですけど、「やったらアカンかな〜」みたいな気持ちがありました。その時は。仲間がやられた時に「代わりに俺が!」ってよくあるじゃないですか。全く思いませんでしたね。「代わりに俺が!」なんて(笑)。100%全く思いませんでした。

・・・(笑)。その高森選手の試合の後、2ヶ月ほど経ってから、それまでのMEGATONがパンクラスMEGATONに名称を変えて、パンクラスの中の1つのチームになるということを正式に発表しました。その記者会見にはIRO関選手にもご出席いただきましたが、あの時の心境はいかがでした?
IRO関:いや、メッチャ嬉しかったですけどね。嬉しかったけど、パンクラスの中にismがあり、GRABAKAがあり、稲垣組があり、MISSIONがあり〜の中でMEGATONじゃないですか。そうなった時に自分が一番最初に考えたのは、自分が存在する場所を見つけることだけだったので。だから記者会見の最中、啓吾は緊張してるし、保坂も喋んないみたいな感じの中で、「俺が喋らなアカンな」みたいな(笑)。「俺の部分は俺が全部やりますよ」って腹括ってたから、その時は楽な気持ちで記者会見に臨みましたね。自分の仕事っていうのはそういうことだろうなって。




では、年が明けて、今年になってからのMEGATONに関してお聞きします。2月、3月と立て続けに試合に出場して、豪快な2連続KO勝ちをおさめた高森選手をご覧になってていかがでした?
IRO関:まぁ、チームメイトですからね。勝つ時はあんなモンでしょ。アイツの場合は。あの〜、しっかりと相手の出方をうかがってみたいなのは多分ないと思いますから。もう、10か0かみたいな勝負をする男ですからね。アイツは。勝つとすればあぁいう試合だなってみんな思ってるので、「はい、その通り」ってなりましたけど。だから普通普通とは思ってますよ。俺の中では。アイツとは学生の頃から一緒にいますからね。大味な男ですよ。

今年2月の高森選手の試合でもセコンドにつきましたが、その時はもう、昨年10月の時とは違って、今後パンクラスのリングで闘うことが半ば必然となっている中でのセコンドだったわけですよね。そういう、以前とは変わった状況の中で、パンクラス、パンクラスの試合というのを目の当たりにした時、やはりパンクラスの見方なりご自分のお気持ちに変化はありました?
IRO関:違いましたね。あの〜、入場するまでの時間、控え室から出て、テーマ曲が流れて、リングに上がるまでの時間って、だいたいこんなモンなんだって(笑)。この間に何が出来るんだろうって(笑)。それでリングに上がる時にリングの高さを見て、「あ〜何が出来るんだろう?」って。そういうことを考えてましたけどね。ネタを仕込む(笑)下見みたいな感じで。人の試合を借りて。

・・・わかりました(笑)。では、高森選手に続いてパンクラス・デビューを果たした保坂選手に関して。パンクラスではこれまで2試合に出場していますが、その2試合をご覧になっていかがですか?
IRO関:いや〜、北岡(悟)選手にしても、謙吾選手にしても、保坂とは闘い辛かっただろうなって思いますけどね。だってパッと見がメチャメチャ弱そうでしょ(笑)。絶対に。真面目そうじゃないですか。何か頼りなさそうで、饅頭を潰したような身体じゃないですか(笑)。啓吾と全く正反対のMEGATONなんですけど。でもあの2試合は、アイツの中では必死に闘った試合ですからね。自分らは大絶賛しましたけど。チームとして。本当は勝って欲しいですけどね。アイツには。「次、頑張ります」とか言うんですけど、アイツは基本的に嘘つきなんで(笑)。

ホントですか?(笑)。
IRO関:あれ、MEGATON一の嘘つきですから(笑)。あぁいうのが一番詐欺師になるタイプですよ。見た目が真面目で、でも実際は絶対違うことを考えてるって。だから・・・多分アイツはある意味向いてるんですよね。謙吾選手にしても、北岡選手にしても、相手を飲み込むぐらいの勢いで来ると思いますけど、多分アイツはそれをサラッといなして、引き分けとかに持ち込んじゃう。まぁ、言ってみればアイツはMEGATON一の詐欺師ですから。みんなそんなイメージはないと思うんですよ。会った感じは好青年で、真面目に「どうもっ!」って言うじゃないですか。でも、いッち番嘘つきですから(笑)。

あの〜(笑)、年齢的には保坂選手よりIRO関選手の方が上じゃないですか。年下の保坂選手が、IRO関選手より先にパンクラス・デビューをしたことに対しては、何か思うことはありませんでした?
IRO関:それは全然ないですね。「お前、ちょっとやって来い」みたいな(笑)。「お前、先やれよ」みたいな。そんな感じですかね。自分としては、アイツを使ってちょっと下見をしたような感じがありますから。あの〜、ハイブリッドのリングに、超アンコ型が上がった時の反応みたいな、こういう感じでやっぱり怒られるんだみたいな(笑)、それを下見させるためにアイツは上がったようなもんですから。アイツには悪いですけどね。アイツで感触とかを確かめさせてもらいました。

わかりました(笑)。では、これまでのMEGATONの流れを全体的に見ていただきたいと思います。先ずは高森選手の活躍があって、その一方で保坂選手は地道に試合をこなしてきて、そして大きな話題としては、野地竜太選手と若翔洋関の入団がありました。チームとしてのこの一連の流れを、IRO関選手はどのようにご覧になっていますか?
IRO関:ん〜、チームとしては、総合格闘技界の「ドン・キホーテ」みたいなモンですよ。ありとあらゆる駒を揃えようみたいな。強いの、真面目なの、嘘つき。柔道、相撲、空手。いろんなヤツを揃えてやっていった方が面白いじゃないですか。啓吾とか野地君とかは真面目ですから。保坂は嘘つきですけど。自分の中では、おもろくなかったら嫌なんですよ。いろんな選手がいて、その相乗効果でやっていく中で、ちょっとおもろいのがあったら良いじゃないですか。野地のセコンドに関係ない相撲の選手がつく。でも試合は打撃ばっかりとか。そういうのが面白いんですよね。だからMEGATONをどんどんどんどん拡張してるみたいなところもあると思うんですけど。そういう意味で、今のMEGATONの流れは僕は大好きなんですよ。でも、周りがどう思うかはわかんないですよ。「ゲテモノ集団みたいなのが、いろんなところから引っ張ってくるな〜」みたいなところがあるじゃないですか。だから周りからどう見られているかはわかんないですけど、これからもどんどんいろんなところから選手が集まってくると思いますから。他のグループにはない、幅の広さが出るとは思うんですけどね。




それでは、IRO関選手ご自身の試合に関してお話をうかがいたいと思います。先ずは、遂にパンクラスでの試合が決まったことをお聞きになった時の心境はいかがでした?
IRO関:いや、ビックリしましたよね。「あ〜・・・」とは思いましたけど(笑)。多分、誰かが決めてくれないと自分は出ない。この前(5月・後楽園ホール)のパンフレットの啓吾のインタビューに出てましたけど、「試合しないの?」「やりたくないな」(笑)っていうのがホントなんで、誰かが決めてくれないと出ない人間なんですよね。自分の中では半分半分、「やった〜」っていうのと、「え〜ッ」ていうのと。それが半分半分ですね。

試合が決まったことをお聞きになってから、もう10日ほど経っていると思いますが、この10日ほどでお気持ちの中に変化はありました?
IRO関:多分、聞いて10日程度で気持ちが変わる人間じゃないんじゃないですかね(笑)。痛風が出ないように気を付けようかなってぐらいで(笑)。あとはもう、入場をどうしようかなってことぐらいしか考えてないので。自分の中では、試合が5分2ラウンドだろうが何ラウンドだろうが、関係ないですよ。勝負は入場だと思ってるので(笑)。最初の3分ぐらいが僕の勝負。試合前の。そこに全力を傾けてますね。今は。

練習の時はどうですか? あと何日後かに試合があるということで、やっぱり試合が決まってない状態での練習とは力の入り方が変わってくると思いますが?
IRO関:まぁ、普通の人はモチベーションがどうのこうのとか言うと思うんですけど、自分の場合は「22日に試合があるで」って言われたら、「あぁ、1週間前ぐらいから仕事休めるな〜」みたいなことを考えてますからね(笑)。まぁ、真面目な話、弱かったら試合のオファーがないのもわかってますから、それでモチベーションが下がったりはしないですけど・・・。ただ、やっぱり試合が決まると気負う部分はありますよね。どうしようかな〜って。出来もしないのにワン・ツー・フックの練習をしてみたり(笑)、出来もせんのにグラウンドの攻防を考えてみたり。そういう余分なことばかり考えてるので。だから決まった方がしんどいですよね。アレしよう、コレしようみたいなところがあって。

試合が決まってから、チームメイトの皆さんから何かアドバイス的なことはありました?
IRO関:アイツら、何かやっと遠足の日が決まったみたいな顔をしやがったんですよね。頭にくる(笑)。遠足が決まった小学生みたいな顔をしましたからね。アイツら。もう、言ったら試合後の打ち上げ目当てみたいなヤツらですからね。打ち上げメインみたいな感じですよ(笑)。人が顔腫らそうが何しようが、みんなで焼肉食べたりとか酒飲んでワ〜ッと騒いで。で、アイツら先に帰りますからね。いつも(笑)。最低です。アイツら(笑)。「最低だ」って書いておいて下さい。

・・・(笑)。では、今回の対戦相手、パンクラス初参戦の折橋 謙選手(チームPOD)のプロフィールをご覧になって、どんな印象をお持ちになりました?
IRO関:出身が喜多方市っていうのが目に付きましたね。「ラーメンやね〜」みたいな(笑)。

・・・(笑)。IRO関選手は、リングで試合をするのが約半年振りとのことですが、その辺を意識したりはしないですか?
IRO関:いや〜、それはないですね〜。何かね〜・・・大したこともしてないですから。僕としては。半年後に新しいネタが出来て発表するってことぐらいですかね〜。

・・・(笑)。では、第1試合、オープニングマッチということに関してはいかがでしょうか?
IRO関:これはもう、ドキドキします。これが嫌ですもん。だって、どう考えたって後ろの方に面白いカードがあるじゃないですか。今回。良いカードなわけじゃないですか。そういう中で自分が第1試合で、興行全部を潰してもうたらそれが申し訳なくて(笑)。まぁ、今回、新しいパンクラスMEGATONの、自分の中での一発目の試合なんで、何か考えてドカーンとやったろかなとは思ってますけど。それが放送コードに耐えうるかはわかりませんが(笑)。まぁ、エグいことだけはしないように。あの〜、スタイリッシュな笑いを目指していきます(笑)。それと、お客さんの反応を意識して闘ってみようかなと。沸いたら勝ちみたいな。正直、勝敗に関してはどっちでも良いです。僕。

言い切ってしまいます?(笑)。
IRO関:言い切っちゃいます。プロなんですから。お客さんを沸かしてナンボだと思ってるので。地味なのが一番良くないと思うんですよね。自分らみたいな華のない選手は。まぁ、多分、デブが勝ったら喜んでくれるでしょう。「あんなヤツでも勝ったんだ」みたいな(笑)。そういう意味を含めての反応です。




では、IRO関選手は今後何を目指して闘い続けていくのでしょうか?
IRO関:ん〜、いつか『東スポ』の一面を目指します。僕の夢なんで、それは。凄いことをしないとあそこには載れないわけじゃないですか。僕、ホントにそれは目指していきます。『東スポ』さんの一面を。ほんま勝ったらウン○したろうかなって本気で思ってたりしてるんですよ(笑)。でも、さすがにデビュー戦でそれをやったら、ただの気の弱いヤツだなって思われると思うので、今回はやめときます。でも、いつかしますから(笑)。社長に怒られても(笑)。

・・・(笑)。何かお話がとんでもない方向に向かってるので、これで最後にします。IRO関選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そしてIRO関選手を応援していらっしゃる皆さんへメッセージをお願いします。
IRO関:ん〜、応援していただくのはありがたいんですけど、まぁ、日々僕も進化してるので、今回の試合を観て「あ〜ッ・・・」と言わずに(笑)。あのね、一回僕を応援すると決めたら、僕が死ぬまで応援してもらわないと困るんですよ。僕も寿命の短い男なんで(笑)。そんなに長いことはかからないので。多分、あと5年10年で太り過ぎで死ぬかも知れないので(笑)、10年間だけ我慢して応援して下さい。楽しませますので。そんな感じかな。



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