メインイベント パンクラス vs チーム・グレイシー【3 vs 3 大将戦】 ライトヘビー級戦 5分3ラウンド
×佐々木有生(3R 5分00秒、判定/2-0)ファービオ・レオポルド○

3ラウンドフルタイムの末、判定2-0でレオポルド選手が判定勝ちし、柔術チームが2-1でパンクラスを退けた、団体戦の勝利でDAYは幕が下りました。
佐々木選手は未だトンネルを抜けきれない、という感じです。今回も試合中に鳴咽するケースが多く、呼吸も荒くなるし、何と言っても、何時もの佐々木選手ならば、喰らう事のないパンチ、キック、空振りする事の無いパンチが存在するぐらい、今回はレオポルド選手と闘っていると言うよりは、私の目には、自分と闘っているような気がしました。決して悪くはなかったし、消極的と言うよりは、何と言いますか、考え込んで闘う必要の無い相手だったと思います。率直に言って、佐々木選手程の技術とハートがあれば、パンクラスのリングに上がって来た頃の佐々木選手からすれば、私は早々に片付けてもおかしくない相手だったと思います。それが、取りこぼしてしまったと感じてしまうのは、すごくもったいなかったと思います。後半息が上がり、互いに何も出来なくなりながら、それでも攻めきれなかったという事は、練習のスタイルを何か変えないと、佐々木選手はこのトンネルから抜け出せない気がしました。同じ事をしていたら意識は変えられませんから、己を信じる事だと思います。己を信じ、大逆転をした、ダース選手と北岡選手の試合があったからこそ、やはり佐々木選手の己を信じる部分の物足りなさをすごく感じた様な気がしました。
そうは言っても、レオポルド選手は実力が無い訳ではありません。判定であっても、佐々木選手から勝利をモノにしてるのですから、当前実力もありました。良い闘い方、タフな闘い方をしたと思います。打撃ならば佐々木選手がやや有利かなという中で、掻い潜って掻い潜って、ショートストレートをきちんと決めて、自分の間合いをきっちりと取りながらの闘い方でした。そしてどのポジションでも自分から早く対処して動き、自分から先に試合を動かしていく姿勢が見て取れて、勝てるだけの実力を持った選手だなと思いました。

DAY TIMEを総括すると、最後の試合、藤本選手、山本選手、NUKINPO!選手、大場選手、ダース選手、北岡選手、そして負けましたが三浦選手。印象に残った選手は何か自分から動き、何か目的を持って動いてるのが、観客の皆様に伝わって行きます。それが自分自身にも影響してると思います。自ら動く事に因り、自ら確信出来、自分を信じる事。その様な事が確実な勝利を手にする事です。山本選手は自分が確信した通りの動きをして、確信した通りの勝利を得ました。それがKO や1本勝ちなのか、判定なのか。どんな窮地に立っても自分が信じた通りに闘っていくという所での、北岡選手や、ダース選手の闘い方。俺にはこれしか出来ないから、それだけを信じて闘うんだという三浦選手や大場選手の闘い方。自分はこれだけ練習したのだから、決勝に出て絶対優勝するんだというNUKINPO!選手の様な闘い方、必ず勝利するんだという藤本選手の様な闘い方。いずれにしても“新しい血”は、己を信じられる事、そして北岡選手ならば、2年間この勝利の為に彼は努力をしました。今の若い人達は、少し努力したら直ぐに結果が出なければいけないと思っています。私は北岡選手が、腹を括ったという所が、2年前に見て取れました。このPOVを見返していただければわかります。北岡選手は注目だと、多分私は2年間言い続けたと思います。それが遂に、こういう所で日の目に当たりました。2年間やって駄目だった、では違います。何時かそれが来る時の為に、ずっとやり続けられる事、これがタフという事です。相手に対してタフなのでは無く、自分の為にタフだと言う所では、北岡選手はもっともっと化ける可能性があります。注目してあげたいなと思います。そのタフな所を取り戻してもらいたい、佐々木選手への期待も大です。