第3試合 フェザー級戦 5分2ラウンド
▲亀田雅史(2R 5分00秒、判定/1-0)砂辺光久▲

この試合は、6月の後楽園ホール大会で、砂辺選手は後頭部に因るバッティングで反則負けという1つの結果が付いていての、早々のリマッチで、こういう形のリマッチは凄く好感が持てると思います。やはり因果関係、怨みうんぬん等ではないので、プロレスとかではありませんから、そういう感覚ではありませんが、やはり不完全燃焼で終った試合を、まだお互いの記憶と、少なからずの感情が残っているところで、直ぐにリマッチをさせてもらえるというのは、プレーヤーとしても試合に入り易いです。そして、お互いの手の内が判っている以上、両選手共に修正をしていく部分というのもはっきりしていて、凄く好感を持った試合でしたし、楽しみにもしていました。

体重差がおよそ5kgあります。砂辺選手は沖縄で少し体重を増やして来るという事でした。そしてウェートトレーニング等で多少体重が増えたらしいのですが、砂辺・兄の地獄の様な執拗な練習に、増えた体重はすっかり元に戻ってしまったらしいです(笑)。どの選手にも言えるのですが、体調のコンディション、体形のコンディション、それから技術のコンディション、これは一偏には出来ません。トレーニングというのは目的があって決まる事なので、それをしっかり絞って、体が出来上がってからというのが凄く重要な事です。

よく短期間で体を大きくしたとか、短期間で痩せたとか、それがあたかも偉いように思いますけど、それは本当は違います。そういう意味では今回、砂辺選手としては、試合前に少し疲労気味で、亀田選手としては凄く良い感じで入って来てた様に見受けられました。ケガのダメージ等、身体的なコンディションは判りかねますが、精神的には前回よりも少し余裕のある立ち居振舞いが見えて、凄く期待出来ました。

試合の方は、お互い19-19、両選手共に1Rずつ取ったかなという形です。要するに積極的に前へ出て行く、試合を動かしていく亀田選手、凌いで返して動いて、フェイントを含めて色んな形で小さく仕掛けていく砂辺選手という構図だったと思います。私は亀田選手を20-19で取ったのですが、内容としては互角とも思えますけど、終始積極的に技を仕掛けていく、試合を動かすというのは、それだけでリスクです。リスクを犯していくという所と、それに合わせて闘うというのは、私は違う様な気がします。試合巧者と言えば、そうなのかも知れませんが、世界というもの、高い水準で見ていったら、返していく選手というのは大成しません。やはりリスクを犯して、下から上がって来た選手が経験値として、大きな花を咲かせます。自分から積極的に試合を動かしていく。リスクを犯して前へ出ていく。それがやはり上へ上へ自分を引き上げていく結果になります。試合で試されているわけです。試合で自分を高めていく事、そういう意味では私は亀田選手の姿勢というのは、凄く大きく買いました。コブラ会の選手と言うのは、今回は凄く積極的に私の目には映りました。良い試合でした。
これでまたリマッチです。もう一度。これで決めてもらいたいなと思います。今度は間を空けて、お互い備蓄をして、それで最終的な闘いをしてもらいたいなと思います。

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