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: 9月24日(金)の後楽園ホール大会で、2001年9月『パンクラス・ヘビー級 初代王者決定トーナメント』一回戦でのVS渋谷修身(パンクラスism)戦以来、3年ぶりのパンクラス登場となるアンソニー“辰治”ネツラー選手との対戦が決定している高森選手ですが、そのVSネツラー戦のお話の前に、先ずは前回の試合、5/28後楽園ホール大会でのVSロン・ウォーターマン(チーム・インパクト)戦のお話をいくつかお聞きしたいと思います。今年に入って、2月(後楽園ホール)のVSセハク(RJW/CENTRAL)戦、3月(後楽園ホール)のVS石井 淳(超人クラブ)戦と、2試合連続で秒殺KO勝利を飾って、自信を持って、そして勢いに乗った中で臨んだVSウォーターマン戦でしたが、残念ながらウォーターマン選手の得意なパターン、タックルで倒して横についてからのアームロックにより、一本負けを喫してしまいました。あの一戦から既に4ヶ月近くが経ちましたが、今、このVSウォーターマン戦に関して思うことはどのようなことでしょうか? ■ 高森啓吾:ん〜そうですね・・・世界の壁の高さ、厚さを、自分の身をもって実感したっていう試合だったと思います。でも、すごい良い勉強になったし、決して破れない、乗り越えられない壁ではないと思ったので、次に対戦した時は・・・皆さんの期待を裏切らないように、殴って勝ちたいですね。 : 試合の後の、周りの方の反応っていかがでした? ■ 高森啓吾:ん〜、まぁ、ケガをしちゃったんで、それを心配してくれて「大丈夫か?」っていうのが多かったんですけど・・・まぁ、「勝てない相手じゃないね」ってみんな言ってくれたので・・・。向こうもオジさんですし、「早く引導を渡してあげなきゃ」って思いましたね。 : 試合自体は1ラウンド1分36秒という、凝縮された短いものだったんですけど、その中で高森選手的に良かった点、反省した点ということについて教えていただけますか? ■ 高森啓吾:ん〜、ダメだった点から言うと・・・まぁ、最初に向こうの間合いになってしまったって言うか、いつもだったら自分から前に出ていくところを、相手の出方をちょっと見てしまったっていうのがありますね。タックルを警戒し過ぎたっていうのもあると思うんですよ。逆に良かった点は・・・まぁ、負けた試合だから良かった点はないと思うんですけど、(パンチが)一発当たったところですかね。鼻血出してたんで。「当たった!」って思ったんですけど、それを次に繋げられなかったのも悪かったところなんですよね。ん〜、だから良かったところはないですね(苦笑)。 : 今だから明かせる作戦っていうのは、どういうものだったのでしょう? ■ 高森啓吾:タックルに入ってくるのに合わせて、カウンターで殴っていこうと思ってたんですけど、でもなかなか相手も上手いので・・・。その上手さにもって行かれたかなって。あと、無理矢理投げにいったのがスッポ抜けちゃって。あれが一番の敗因だと思いますね。 : 試合中、どの辺で「マズい!」って思いました? ■ 高森啓吾:投げがスッポ抜けた時に思いましたね。「ヤバい!」って思って、「アッ!抜けちゃった!!」って。まぁ、「下でガードしてれば大丈夫だろう」って思ったんですけど・・・やっぱ力が想像以上に凄くて、伊達にフライパン曲げてね〜なって思ったんですけど(苦笑)。 : 日本人選手にはないパワーでした? ■ 高森啓吾:今までに味わったことのない力でしたね。 : 高森選手との試合の後に、ウォーターマン選手は8月の『PRIDE GP 決勝』大会に出場して、ミルコ・クロコップ選手を破ったケビン・ランデルマン選手から、高森選手の時と同じようなパターンで勝利しましたけど、あの一戦はご覧になりました? ■ 高森啓吾:会場で観てましたね。 : ご覧になってて、どうお感じになりました? ■ 高森啓吾:まぁ、勝ってくれて良かったかなって思いましたね。あれであっさり負けてたら、自分の先もなかなか見えてこないし・・・。これでまたウォーターマンと再戦出来て、勝ったらもっと自信になると思いますし。素直に「良かったね」って言いたいですね。 : ウォーターマン選手の試合の中では結構長い方だったと思いますが、ご覧になってて、ウォーターマン選手の弱点とか、攻略法といったものを見つけることは出来ました? ■ 高森啓吾:ん〜、ランデルマン選手も何かいつもの勢いがなくて、やっぱりタックルとかを警戒してるのが見えたので、あまりタックルを警戒し過ぎてもダメなのかなって思いましたし。やっぱり最初から飛ばして、再戦の機会があれば、その時は最初から飛ばしていこうかなって思いましたね。 : 再戦があるとすれば、その時期に関してはどのようにお考えですか? ■ 高森啓吾:ん〜、時間をかけ過ぎたらね、ウォーターマン選手も歳も歳だし・・・不利って言うか、そういうハンデも出てくると思うので。でも、あんまり早くても、自分に成長が見受けられない中での再戦はやりたくないですし・・・。ん〜、だからいろんな状況が整った時に再戦のチャンスがあれば、やらせてもらいたいなって思いますね。 : 再戦の場所、リングに関しては、特に問わないですか? ■ 高森啓吾:そうですね。 : 再戦での勝利の自信は? ■ 高森啓吾:ん〜、今のところ、そんな「自信がある」とも言えないって言うか、言いたくないですけど、負ける訳にはいかないなって思いますね。同じ相手に2度負けてたらダメだと思うので。 : 実際に一度対戦してみて、その凄さを体感したということは、次に闘う時に有利に働きます? ■ 高森啓吾:そうですね。 : では、世界の壁の高さ、厚さを感じたそのVSウォーターマン戦を経て、次に迎えるVSアンソニー“辰治”ネツラー戦ですが、3年前の渋谷選手との試合映像ってご覧になりました? ■ 高森啓吾:見ました。 : どのような印象をお持ちですか? ■ 高森啓吾:ん〜、判定までいって、ちょっとお互いの良いところが出てないような試合だったので、その試合だけじゃ掴み辛いかなっていうのがあるんですけど・・・。まぁ、身長も高くて、体重もVS渋谷戦の時よりか増えてるってことなので。ん〜、どうなんでしょうね? まぁ、渋谷選手と判定までいった選手なので、手強い相手なんじゃないかなと思いますけど。でもここで負けてたらね、やっぱり11月のNKホールにも出たいし、そのNKに繋げられるような試合をしたいですね。 : ネツラー選手は、古武術、武神館体術10段の腕前とのことなんですが、高森選手は過去にこのようなタイプの選手との対戦経験はなかったと思いますけど、その辺は気になりますか? ■ 高森啓吾:ん〜、古武術自体、自分はどういうものかちょっとわからないので・・・どうなんでしょうね? ん〜、あんまり気にはならないですね。古武術ってやっぱり精神的なものとか、空手じゃないですけど、心の芯を鍛えるような、そういうふうに見受けられますけど・・・。まぁ、日本人の心を持った選手だと思いますので、心は強いんじゃないかなと。 : 3年前のVS渋谷戦以降の情報が全くないんですけど、その点で未知なる部分に対しての不安っていうのはありませんか? ■ 高森啓吾:まぁ、でも、ない方がやりやすいんじゃないですかね。逆に映像や情報がたくさんあるってなると、自分の中でゴチャゴチャになる時もあるし。だから何も情報がない方がやりやすいですね。 : では、今回の試合は、前回の敗北からの再起戦になりますし、前回に続いてのメインイベントと言うことで、ファンの皆さんの注目度も期待度も高い試合になると思いますが、その辺でのプレッシャーは感じていませんか? ■ 高森啓吾:特に自分の中ではプレッシャーはないですけど、最近のMEGATON、チームとしての戦績があまり思わしくないので、そのためにも、今回せっかくメインに持ってきてもらったので、ドカンとインパクトを与えるような試合で勝って、「MEGATONは強いんだ」っていうのを見せたいですね。先ずはそこですね。 : セミファイナルに出場する北岡 悟選手(パンクラスism)が、「メインの試合にも負けたくない」というような感じのことを話してましたが、そういう発言をお聞きになっていかがですか? ■ 高森啓吾:まぁ、それは誰でも思うことだと思うんですよね。1試合目の選手だろうが、2試合目の選手だろうが、「メインを喰ってやる」みたいな気持ちで。それはそれで良いと思うんですけど、まぁ、僕は僕のね、試合当日はあんまり他の人に対して気をもっていかれないタイプなので(微笑)、僕は僕の闘いをします。 : 今回の試合、VSアンソニー“辰治”ネツラー戦で、高森選手が大切にしたいと思っていることはどんなことでしょうか? ■ 高森啓吾:最近、ボクシングのコーチについてもらって、ずっと打撃の練習をやってるので、ちょっとはマシになった打撃を(笑)、出していきたいなって思うんですけど。まぁ、それが、練習ではマシになってるけど、試合で上手く出せるかどうかっていうのが一番大切なことなので。試合で出すことで、教えてもらってるコーチにも恩返しが出来ると思うので、綺麗な打撃が出せるように。 : 練習の中で、パンチの技術の上達をご自分では感じていらっしゃいますか? ■ 高森啓吾:ど〜なんですかね? 野地(竜太)君とかと打撃のスパーリングをやってて、「今の良かったですよ」って言われると、すごい嬉しいんですけどね。やっぱりスパーをやってて、打撃だけになったら野地君は凄いなって思うし、そこで対等に出来るようになりたいなって思いながら先ずはやってるので、少しずつは良くなってきてると思うんですけど。でもまぁ、試合で出してこそ本物ですからね。まだちょっとわかんないですね。 : わかりました。では、ちょっと話題を変えて、今後の高森選手に関して。VSウォーターマン戦の前にお話をうかがった時には、やはりスーパーヘビー級のベルトを目標に掲げてたのですが、前回の結果で、そのベルトから一歩後退した感は拭えないと思うんですね。そういう中で、現在の高森選手が目指しているもの、ご自分の気持ちを高めるために掲げている目標といったものは何なのでしょうか? ■ 高森啓吾:ん〜、今は結構無になって、ガムシャラじゃないですけど、無になってやってるところが大きいと思いますね。ウォーターマンとの試合が終わってからなんですけど。とにかく自分自身が強くならなければっていうのがあるので、まだちょっと具体的な目標っていうのは立ってないですね。でも、スーパーヘビー級のベルトを獲るっていう目標は変わらず持ってるので、やっぱりそこじゃないですかね。最終的に。ん〜、ウォーターマンに勝ったら、実質チャンピオンみたいなモンじゃないですか。だからウォーターマンに勝ってチャンピオンになりたいですね。 : では、またちょっと話題を変えて、高森選手ご自身のことから、MEGATONの他のメンバーのことに関して。7/25後楽園ホール大会で、MEGATON、そしてMEGATON-TOKINから、合わせて3人の選手がパンクラスデビューを果たしました。MEGATONの野地竜太選手と太子郎選手、MEGATON-TOKINの三浦広光選手ですが、その3選手のパンクラスデビュー戦を高森選手はどのようにご覧になったのかをお聞きしたいと思います。先ずは非常に注目度の高かった、野地選手の試合から。 ■ 高森啓吾:ん〜、ビックリしましたね。お互い、打撃をメインにしている選手同士だったので、打ち合いにはなるだろうと思ってたんですけど、あそこでまさか野地君が秒殺されるとは思ってなかったし。やっぱり、いつ何時でも気は抜けないなと思いましたね。 : 野地選手は結構緊張してたのでしょうか? ■ 高森啓吾:いや、結構リラックスしてましたね。それに調子も良さそうだったので、「イケるな。大丈夫だな」って思ってたんですけど。でも、オープンフィンガーグローブでの実戦は初めてだったので、やっぱり『K-1』用のグローブとかでガードしてる部分と、オープンフィンガーでガードしてる部分とでは、隙間が出来てきたりすると思うので、その辺の違いがまだ把握出来てなかったのかなって。まぁ、これは自分なりの解釈ですけど。でも、次は大丈夫じゃないですか。 : わかりました。では、次に三浦選手。試合内容が良かっただけに、最後の最後が本当に残念でした。 ■ 高森啓吾:ホントね、9割9分勝ってて、あそこで余計なゼスチャーが出ちゃったので(苦笑)。自分としては「効いてない、効いてない」ってゼスチャーだったらしいんですけど。試合が終わった後に、「そんなゼスチャーいらないんだよ」って言ったんですけどね。ん〜、やっぱり経験の差が出たんじゃないんですかね。でも、初戦であそこまで出来た、ああいう試合が出来たっていうのは、凄いことだと思います。 : あの三浦選手の強さっていうのは、これまで一緒に練習をしてきた高森選手としては、予想通りのことでした? ■ 高森啓吾:いや、予想してなかったですね。ん〜、普段はすごくおとなしいし、真面目なんですよね。だからあそこまでイケイケファイトをやる選手だとは思ってなかったので、ちょっとビックリした部分もあったんですけど、それは嬉しいビックリでしたね。 : もっとイケますか? ■ 高森啓吾:まだまだ全然イケるでしょ。若いし、真面目だし、身体もあるし。本当は、本来寝技がすごい強い選手なんですけど、打撃もしっかりやってますし。 : わかりました。では、最後に登場の太子郎選手。高森選手と同じように、豪快なパンチの連打で秒殺、そして圧勝しました。 ■ 高森啓吾:あの時は本当に嬉しかったですね。その前に登場した野地君と三浦が負けちゃってヘコんでましたから。「3人とも負けちゃったらマズいだろ」っていうのもありましたし。すごい、MEGATONを象徴するような試合内容で勝ってもらえたので、ホント良かったと思います。太子郎選手もすごい真面目な方なので、僕も見習わなきゃなってところがたくさんあるんですけど。これから、みんなで引っ張っていきたいなと思いますね。保坂(忠広)やIRO関も刺激されれば良いと思います。 : あの勝ち方は想像してました? ■ 高森啓吾:まぁ、ああいう感じになるんじゃないかなって思ってましたけど、あんなに早く決まるとは思ってなかったですね。 : 予想以上に良かった? ■ 高森啓吾:そうですね。 : では、デビューを果たした野地選手、三浦選手、太子郎選手の3名に、MEGATONのリーダーである高森選手が今後期待することってどんなことでしょうか? ■ 高森啓吾:ん〜、まぁ、リーダー、リーダーって言われるのも、あんまり自分は好きじゃないんですけど(苦笑)、とにかく3人には同じことを言いたいんですが、一緒に頑張っていこうねって、MEGATONをデッカくしようねって。先ずはそれですね。みんなで力を合わせて、MEGATONをデッカくして頑張っていこうねって言いたいです。 : わかりました。では、これで最後です。高森選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして高森選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。 ■ 高森啓吾:まぁ、前回、ウォーターマンにああいう負け方をしちゃったんで、今回は皆さんの期待通りの、MEGATON・高森啓吾らしいファイトをしますので、是非楽しみにしていて下さい。 ■ 高森啓吾選手database |