： 11月7日(日)の東京ベイNKホール大会で、ネイサン・マーコート選手(ハイ・アルティチュード)との第5代ミドル級キング・オブ・パンクラス決定戦に臨む三崎選手ですが、今回のタイトルマッチのお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、7/25後楽園ホール大会【NIGHT TIME】でのvsエド・ハーマン(チーム・クエスト)戦についていくつかご質問したいと思います。試合自体は、三崎選手が目にダメージを負ってちょっと危ないかなと思わせながらも、最後は肩固めでのきちんとした一本勝ちという見事な試合でしたが、肩固めが極まった瞬間のお気持ちっていかがでした？ ■ 三崎和雄：まぁ、落とせない試合っていうか、当然勝たなきゃいけない試合だったので。先に行くには。だから、乗り越えた喜びっていうのは特になかったですね。勝って当然っていう感じの方が強かったですね。確かに1ラウンド目は危ないかなっていう場面がありましたけど、自分の中ではそういう「ヤバイな」っていう気持ちは全然なかったです。 ： 三崎選手の目が結構腫れてきて、その辺から打撃が大振りに見え始めたのですが、相手との距離もなかなか掴み辛いのかな？って思いました。 ■ 三崎和雄：ん〜、目のダメージは・・・実際ちょっと腫れてる感じはありましたけど、完全に塞がってたわけではないので。まぁ、でも、相手の動きが見辛いっていう怖さはありましたけど。でも、目はそれほど気にはしてなかったんですよね。試合中は。だから目の印象ってそれほどないんですよ。 ： 試合中、特に見辛かったってほどでもなかった？ ■ 三崎和雄：徐々に見辛くなってきたって感じですかね。試合してる間に少しずつ腫れてきてるのはわかったんですよ。でもまだ、すごい気になるほどのものではなかったですね。それよりも1ラウンド目がずっと下だったので、次はどういう展開にしようかなって、そういうことを考えてましたね。 ： 結構変則的な攻撃を仕掛けてくる相手だったと思いますが、その辺での闘い辛さっていうのはなかったですか？ ■ 三崎和雄：思ったよりデカかったので、懐が深かったですね。だからその間合い感とか、距離感を掴むのが大変でした。 ： 試合前に対戦相手が変わったことに関してはいかがですか？(※同じチーム・クエストのアート・サントーレ選手からエド・ハーマン選手に変更)。 ■ 三崎和雄：それは結構慣れっこなんで(苦笑)。ギリギリに決まるとか。「またか！」って感じですかね(苦笑)。でも、今まで練習してきたことは変わらないので、自分が練習してきたことを出すっていう意味では相手が変わっても一緒ですから、あとは自分を信じてリングに上がるだけですね。 ： 夜の部のメインイベント、そしてあの日は昼の部もありましたので、昼夜を通してのメインイベント、最終試合に出場ということでしたが、実際リングに上がってから、その辺のプレッシャーって感じました？ ■ 三崎和雄：そ〜ですね・・・まぁ、ないと言ったら嘘になるかな〜。やっぱりメインに出場するっていうのは、それなりに意味があることだと思うんですよ。自分が抜擢されたっていうことで、自分がするべき仕事をしなきゃいけないなっていうのはありましたね。でも、あとはもう勝ちか負けなので。あくまでも個人競技なので、相手と自分との闘いですね。 ： では、勝利した5月の『PRIDE武士道』の次の試合ということで、ファンの皆さんや周囲の期待も非常に高い中で迎えた試合だったと思いますが、見事な一本勝ちをおさめました。対戦相手だけではなく、いろいろなプレッシャーにも打ち勝った試合とも言えると思いますが、この一戦は三崎選手にとってどのような意味を持つ試合になったのでしょうか？ ■ 三崎和雄：そ〜ですね・・・まぁ、(今年に入って)寝技で一本勝ちっていうのがなかったので、まだイケるじゃないですけど(苦笑)・・・。最終的には、やっぱり組み技・寝技が自分の頼りの綱かなっていうのをちょっと実感しましたね。アレはもう、自然と身体が動いたというか。倒して、ハズして、マウントを取ってって、1つ1つの型の中で、自分が最後に極めるべくレールを引いていったと思うんですよね。だから、それはやっぱり最終的に自分が勝つための手段は寝技が大きなポイントかなって、また実感したというか。最近は打撃に力を入れて練習してきたんですけど、やっぱりその打撃にだけ偏ったらいけないなと。そう感じた試合でしたね。 ： わかりました。では、今回のvsネイサン・マーコート戦に関してですが、2年8ヶ月ぶりの対戦で、前回は三崎選手が肘を脱臼するというアクシデント的なことがあったとは言え、結果はマーコート選手のTKO勝ち。そして三崎選手は肘の負傷のために半年間の欠場を余儀なくされてしまいましたが、今思い返してみて、前回の対戦は三崎選手にとってどのような一戦だったのでしょうか？ ■ 三崎和雄：でも、その欠場期間というのは、僕にとって非常に大事な時間だったので、そういう意味でも、試合の結果どうこうというより、その半年間で自分を見直すというか、また改めて格闘技に対する気持ちをゆっくり考える時間が持てたことで、今考えると逆にすごい良かったかなと。その時間があったから、その後のいろいろな試合があり、『PRIDE 武士道』にも出て、それで今回またこういうチャンスが来たかなと思うので。まぁ、あのまま上手くいったとしても、どこかで躓いてたと思うんですよね。だから、早くにそれに気付けたから良かったなって思いますね。 ： マーコート選手に対しての復讐というか、そういう負のお気持ちはない？ ■ 三崎和雄：それはないですね。全く。肘が脱臼したとか、欠場したってことでのそういう気持ちは全くないです。 ： では、マーコート選手との再戦が決定して、その対戦がミドル級の王者決定戦というのをお聞きになった時の心境はいかがでした？ ■ 三崎和雄：先ず、ベルトというものに対しては、これまでそんなに執着はなかったんですけど、でも、これから自分が上を目指すにあたって、今後の目標に向かうにあたって、その中間目標として、どうしても必要、大事なものなので、それはそういう時期が来たんだなって、チャンスが来たんだなって捉えましたね。だから、ここで頑張ろうっていう気持ちが起きたのもあるんですけど、あとはネイサンに対する想いというか、「こいつに勝ちたい」っていう気持ちも強かったので。だから半々ですね。 ： 最近のマーコート選手の試合をご覧になっての印象はいかがですか？ 一番新しい試合だと、今年6月(後楽園ホール)のvs石川英司戦になりますけど。 ■ 三崎和雄：良い結果は出てないかも知れないですけど・・・でも、ホントに良い選手なので。全然衰えてる感じはしないですよね。身体もバランス良いし。最近はまた一段と良くなってるんじゃないかと思いますけどね。 ： 6月のvs石川戦以降、マーコート選手は試合をしていませんが、この約4ヶ月間の空白期間に対しての不安ってありませんか？ ■ 三崎和雄：そういうのは特にないですけどね。まぁ、しっかり練習をやってるだろうなとは思いますけど、僕もそれ以上に練習をやってると思いますので。 ： では、もう残りあと何日かというところまで試合が迫って来てますが、現在のお気持ちはいかがですか？ ■ 三崎和雄：まぁ、今回ネイサンに勝って、パンクラスを代表するポジションに就きたいですね。それと日に日に気持ちは昂ぶってます。 ： 体調はいかがですか？ ■ 三崎和雄：良いですね。 ： では、今回の一戦で、三崎選手が一番大切にしたいと思っていることはどんなことでしょう？ ■ 三崎和雄：今回は、もちろん勝ちということにも拘りたいですけど、練習もしっかりやって来たので、そのやって来たことをしっかりと出せるように。勝っても、それが出せずに終わったら気持ち良くないし、負けたらもっと気持ち良くないし。だからやって来たことを全て出し切って、結果を迎えたいですね。 ： では、初のタイトルマッチということに関してはいかがですか？ ■ 三崎和雄：ん〜、あんまりタイトルということには固執せずに、いつも通り、通常の1試合としてこなしたいですね。 ： 今回勝利すると、その腰にミドル級のベルトが巻かれ、そして第5代ミドル級キング・オブ・パンクラスの称号が肩書き的に付くことになりますが、今後、王者としてどのようなチャンピオンを目指していきたいと考えていますか？ もしくは、王者としてどのような闘いを繰り広げていきたいですか？ ■ 三崎和雄：ん〜、今後のことは全く考えてないですね。もうホントに、この1試合で全てを出し切る覚悟でリングに上がりますから。それ以降のことは全く考えてないですね。だからベルトを巻いてからですね。その先のことは。 ： では、三崎選手ご自身のことからちょっと離れて、同じくNKホール大会に出場するGRABAKAの菊田早苗選手、郷野聡寛選手についてですが、三崎選手からお二人それぞれに応援メッセージをお願いします。先ずは、3人の中で一番目にリングに登場する郷野選手から。 ■ 三崎和雄：もう、郷野さんの技術は世界でもトップクラスだと思いますので、それを十分に見せ付けて下さい。そしてGRABAKAの先頭打者として、良い流れを作って下さい。 ： では、7ヶ月ぶりの試合に臨む菊田選手へ。 ■ 三崎和雄：豪快な一本勝ちを期待してます。と言うか、間違いなく取るでしょうから、安心してバトンを待ってます。 ： では、これで最後です。今回の三崎選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして三崎選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。 ■ 三崎和雄：さっきも言いましたけど、ベルトというよりも、1つの闘いとしてリングに上がりますので、100%の自分を出し切って闘いたいと思います。応援よろしくお願いします。 ■ 三崎和雄選手database