見事な逆転でした。
桜木裕司:そうですね。1ラウンドに良いパンチをもらったので、緊張が取れたというか。もう今回は、vs謙吾戦(2月4日・後楽園ホール)が終わってから、小林さんがマンツーマンでずっとやってくれてたので。やっぱり相手の舌戦と言うか、メディアを使って色々かく乱してくるわけじゃないですか。そういう部分でも、今回小林さんという男を信じて、それ以外を全く耳に入れないでやってきたので。今回その迷いが全くなかったことは、あのダウンを食らってからでも、諦めなかった部分かなと思いますね。

最後のパンチの手応えはいかがでした?
桜木裕司:今回、パンチでいく気はさらさら無かったんで。向こうは柳に風。そのもう一回り先を行っておこうと思ったんですけど。何をしてでも倒すつもりで。今回はまた1つ、小林さんと一緒にやってきたことで色々と得られたことがあるので。次も、4月9日、オランダのアムステルダムで、ドージョーチャクリキの危ない選手と対戦することが決まっていて。その試合はキックなんですけど、それが終わったらまたパンクラスの方で総合の試合を。今回、野地君がセハク選手に勝ったので、僕にその資格があるのかどうかはわからないですけど、ちょっとずつちょっとずつでも、僕もベルトを獲りにいきたので。そして、今回勝ったということはあれですかね、もう1回、タイトルマッチですか?

そうだと思います。
桜木裕司:もしやれるんだったら、それは僕が上がっている全日本キックのリングで。そしてベルトを藤原道場にも持っていきたいと思っています。

今日は折れない心をしっかりと体現出来ました?
桜木裕司:折れない心って言うよりも、信じられる人間って言う。信じられるもの、信じるものがあるっていうことが、折れないことなのかなって。僕は、今回小林さんを本当に信じて、その前は田中先生なり、佐山先生なり、藤原先生なり、僕の中で信じられるものがあることで、背負うものがあるってことで、諦めるっていう選択肢が無かっただけの話で。諦めない心っていうよりも、信じるものがあるから諦められないっていう。そういう取り方じゃないですかね。そんなに我慢強い方じゃないんで。信じるものがあるからってことですね。

とは言え、逆転のイメージがすごく付きましたが?
桜木裕司:そんなことばかりやってたら体がもたないですよ。逆転逆転っていうのは、見ている人は面白いかも知れないですけど、こんな試合をウチの佐山館長に見せたら、本当に洒落にならない。だから毎回、会場には来てないんですけどね。来たら大変なことになるので。「お前の試合だけは見ていると我慢出来ない」って言ってたので。今回は本当に小林さんとマンツーマンでやってきた中で築いてきたものがあって、それで勝てたという。絶対的信頼を置いてたので。また明日から頑張っていきたいと思います。

師匠の小林選手は試合についてどう思いました?
小林聡:師匠は佐山さんです(笑)。1月4日の試合(『全日本キックボクシング』後楽園ホール大会【小林 聡 vs 大月晴明】戦)ではずっと佐山さんとやっきて。そのお返しじゃないですけど、佐山さんが「一緒に作戦を立てて、桜木とやってくれ」って言うので。その1月4日に応えられなかった、佐山さんに対しての恩返しもあって、僕的には勝ってもらわないと困るし。ここで負けたら長い冬が来そうな気がして(笑)。

小林選手としては、全日本キックのベルトがパンクラスにあるのは複雑な思いがありますか?
小林聡:まぁ、複雑と言えば複雑ですね。それ以上に巻いた人がちょっとという。まぁ、良かったですね。何て言うんですか、1月4日に自分が結果出せなかった部分があったので。今日はそれと似たような作戦だったんですけど、これも佐山さんと一緒に立てた作戦だったのを自分なりにアレンジして、彼にvs郷野戦の作戦を授けたと。最初の1ラウンドは硬かったですけど、まぁ、最後の一発は作戦というか。嬉しいですよ、ホント。久々に人の試合で嬉しかったです。
桜木裕司:ホント小林さん、そして、前田君も藤原先生もそうなんですけど、去年の2月にオランダに行ってから、ずっと一緒に色々と。僕の中では、掣圏会館で言えば僕が上になっていますから、相談する相手がいなかったというところで。全て下の責任は僕の責任だったので、そういう部分で相談できる相手がいなかったんですけど、小林さん、前田君っていう、新しい先輩というか、先生というか、仲間が見つかって、その部分がホント精神的な支えになっているなという感じですね。

郷野選手との再戦は、タイトルマッチで半年以内と言われています。
桜木裕司:半年以内で?
小林聡:渡邊久江とはデート出来ないでしょ? 郷野選手は罰ゲームで○×○×○が○×と。○×の方が罰ゲームになりますかね? ・・・すいません、取り乱してしまいました(笑)。

桜木選手としては、タイトルマッチについてはいかがですか?
桜木裕司:別に全然、いつでも。今は、また直ぐにというのは別として、その辺はパンクラスさんと『全日本キック』さんで話し合ってもらって、やれれば良いなと。
小林聡:でも、向こうがベルトを持っているのはちょっとシャクだし。
桜木裕司:ホント今年はドンドンドンドン試合をやっていきたいので。とりあえず、キックなら『全日本キック』、総合ならパンクラス。足を踏み入れた以上は、両方でトップを。それが僕の中での掣圏進化理念っていう。そんな感じです。

最後のダウン取ったパンチを説明していただくとすると?
桜木裕司:どう説明すれば良いんですかね?
小林聡:次にやることもあるので、企業秘密です。

練習していたということですか?
桜木裕司:そうですね。

小林選手が教えたパンチですか?
小林聡:教えたというか、こういうパンチは相手に見えないんじゃないかっていうことを僕なりに研究して。

試合前のメディアの報道は耳に入れないようにしていました?
桜木裕司:全部入れてました。全部入ってくるので。ただ、それに関する怒りというのは別になかったですね。心の中でコントロールを。それも精神的トレーニングなのかなって。

正直、嫌だと思っていました?
桜木裕司:何て言うんですかね・・・テレビを見てて、郷野選手が僕のことを喋っていた時に、「ああ、僕もプロっぽくなったな」と。テレビの中から文句言われているなって思ったんですよ。ただ、実際、まだ郷野選手が凱旋試合っていうのであれだったんですけど、まだまだ実力は足りないですけど、これからもっともっと練習して強くなって、桜木裕司という人間をもっと認識して欲しいですね。名前をまだ覚えてもらっていない部分もあったり、桜井だなんだって言われることもあるので。皆さん覚えて下さい。桜木裕司です。

桜木裕司選手database