いよいよ5月1日(日)横浜文化体育館大会が近づいて来ました。今大会の第6試合で、パンクラス初参戦のオー・ジン・チュル選手(ネオファイト)との対戦が決定している野地選手ですが、そのvsオー・ジン・チュル戦のお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、3/6(日)横浜文化体育館大会でのvsセハク戦を少し振り返っていただきたいと思います。vsセハク戦は野地選手にとって総合3戦目となった試合で、セハク選手はランキング1位につけている選手でした。そういう中で1ラウンドの4分過ぎにボディーへの膝蹴りで見事KO勝ちをおさめましたが、あの一戦に対して今どのような感想をお持ちですか?
野地竜太:そうですね〜。まぁ、作戦通りというか、ああいう風にくるだろうなって思ってたので、試合前はみんなで対策を考えて、それで試合に臨みました。1回倒されちゃったんですけど、そこはちょっと油断というか、「もう倒れないかな」と思ってたら、そこはさすが倒し方を変えてきたので倒されてしまいましたけど。でもそこは、倒れてから立ち上がるという練習もしてたので、それが本番で出来ましたね。だから1回も倒れないでKOよりも、1回練習通りに立ち上がるっていうことも出来たので良かったですね。ただまぁ、KOはちょっと・・・あれで倒れるとは思わなかったので、その後に「あぁ、どうしよう?」って躊躇してしまって。そこは良くないところでしたね。

最後の膝の足応え?(笑)は、そんなにはありませんでした?
野地竜太:まぁ、あったんですけどね。「ウッ、ウッ」って言ってたから。ただ、これまでは打撃の試合が多かったので、そういう風にドンドンって当たってもそう簡単には倒れないっていう。だからそこから「次は顔かな」とか、そういうことを考えてたら相手が倒れちゃって。あんまり打たれたことがないからかも知れないですけどね。そこで僕がすぐに追撃すれば良かったけど、それが出来なかったのでその辺が甘かったというか、予想してなかったので、次からはもっとバッチリ仕留めたいですね。

セハク選手が倒れた時は、逆にビックリしたという感じですか?
野地竜太:そうですね。上を向いて倒れてくれれば、まだかぶさってとか、踏ん付けたりとかを考えてたんですけど、ああいう風(※野地選手に背中を見せてお腹を抱えて身体を丸めるように)に倒れたから、攻撃する場所がないじゃないですか、あんまり。後頭部を踏むわけにもいかないし。だから「アッ!」って思って(苦笑)。しかも「レフェリーが止めるかな?」って思ったけど止めなかったから。あの状態の相手をどうやって攻めるのか?っていうのをちょっと想定してなかったので、それで躊躇しちゃったんですけどね。

試合後の、周りの皆さんの反応はいかがでした?
野地竜太:そうですね・・・みんな「練習通り出来たから良かったね」って感じで。テレビ(sky A /Sky PerfecTV!)で放送された後とかは、僕が最後に躊躇しているのを、みんな僕が優しくて攻められないのかなって思ったらしくて、「もっと非情にならないとダメだよ」みたいなことを結構言われましたね(笑)。「そうじゃないです」って言い訳しましたけど(苦笑)。何か、結構「優しいから」とかって言われるんですよ。これまでの試合でも。普段がちょっとおっとりしてるからかも知れないですけど(苦笑)。でも、この前の試合でも、相手が上を向いていたら顔面を踏ん付けてグシャグシャにしたいと全然思ってましたからね。

組み技を得意にしている選手は対戦相手としては初めてでしたが、その辺ではいかがでした?
野地竜太:ん〜、やっぱり力は感じましたね。でも、いつも練習ではもっと大きい人とやってますし。だからそんなにビックリするほどではなかったですね。

1回倒された時に焦りはしませんでしたか?
野地竜太:全然それはなかったです。パウンドもそれほどまともにはもらってないし。だから、別にどうにでもなるなって思いましたね。

では、全体を通して冷静に闘えたと?
野地竜太:そうですね。

では、vsセハク戦にご自分で点数を付けるとすれば何点でしょうか?
野地竜太:ん〜、まぁ・・・50点ぐらいですかね。

マイナス50点のところは?
野地竜太:1回倒れちゃったってことと・・・結果的には良かったんですけど、ホントは倒れたくなかったところで相手が投げ方を変えてきたので倒れちゃったから、その辺でちょっと対応出来なかったことと、KOしたけど微妙な(笑)・・・躊躇したと思われてるからそう見えないように、それこそ(マウリシオ・)ショーグンのように倒れた相手にサッカーボールキックを入れたり、踏み付けたりっていうのが出来れば良かったんですけどね。まぁ、その辺ですね。

逆に良かったところは?
野地竜太:そうですね・・・膝蹴りが・・・まぁ、コーナーを背負うのは最初からわかってたので、コーナーを背負ってた方が安定しますから、そこで膝を出そうというのは考えてたし練習もしてて、それが思いっ切り入ったから良かったです。これからも多分、ああいう風に攻めてくる選手には対応出来ると思うので。あとは、倒されてもすぐに立てたっていうのが良かったですね。

実際に総合の試合を3試合経験して、今はどのような感想をお持ちですか?
野地竜太:ん〜、まだまだ難しいなとは思いますけど、ちょっとずつ慣れてきたかなって感じですね。でも、パンチを当てたりとかやっぱり難しいですね。もっともっとタックルを切ったりとか、それこそ組まれないのが一番良いんですけど。でも、しょうがないですけどね。組み技を得意とする選手を相手に、組まないで打撃を当てるのは難しいので。でも、慣れてきたかなって感じはしますね。寝てもそんなに「ヤベェ、ヤベェ」っていうような焦りはないので。「また立てば良いや」って感じでやってますし。まだ寝技で本当にヤバイ、ピンチとかを迎えたことがないので。「ワッ!とられる」っていうのを。だからそういうのを経験してみないとわかんないですよね。上をとられて殴られてとか、十字固めをとられたりとか。まぁ、その辺は今後そういう選手とも当たると思うので、今は楽しみにしています。

以前、「パウンドを思いっ切りやってみたい」というようなことをおっしゃっていましたが?
野地竜太:ん〜、大体下になることが多いんですよね。やっぱり倒されないようにしてて、それでも倒される時って大体下になっちゃうから。だからまだパウンドを出す機会がないですよね。ん〜、やってみたいですね〜。あとは・・・踏み付け。今は踏み付けがやってみたいです(笑)。ショーグンとかを見て、「あぁ、上手いな」って。単純に考えてもリスクが少ない技じゃないですか。でも、当たれば致命的だし。スタンドでのパンチやキックっていうのは、カウンターで相手の攻撃をもらうこともすごいあって。でも踏み付けっていうのは、それこそ自分が転ばない限りリスクはないと思うんですよ。カウンターで相手の技が入ってくることもそんなにないので。だからすごい効率的な、絶対選んだ方が良い技だから、踏み付けはやりたいですね。

練習の中ではやっていますか?
野地竜太:やってますよ。実際には踏み付けないですけど。相手の顔の横を狙ったり、寸止めしたりとか。結構みんなビビるから面白いですけどね。でも、上手い人に足を取られたりして転んじゃったりすると、「やんなきゃ良かったな」って思いますね(苦笑)。まぁ、でも、踏み付けも思いっ切りとなると試合でしか出来ないですから。チャンスがあれば今回も狙ってみたいですけど。




では、その「踏み付けを狙ってみたい」とおっしゃった今回のvsオー・ジン・チュル戦ですが、プロフィール、そして試合の映像をご覧になったとのことで、オー選手の印象はいかがですか?
野地竜太:まぁ、構えとかからして打撃系で、でも自分から投げにいったりするんですよね。柔道の経験もあるみたいだし。打撃がメチャメチャ強いなとか、寝技がすごいなっていうよりは、その場その場に応じてそれなりの技を出すのかなっていう印象ですね。何か1つがすごい強いとか、得意というよりは、離れてたら適当にパンチとか蹴りを出して、組んだら首投げみたいなものを出してっていう。そういう意味で、まぁ、慣れてるのかなって。これまで9戦してるし。

総合のキャリアで言えば野地選手を上回っていますね。
野地竜太:そうですね。3倍。ん〜、甘く見てるとやっぱり危ないと思うので、油断してるっていう気持ちは全然ないですね。打撃の攻防をちょっとやって、そこで僕に敵わないと思ったらタックルや投げにきたりっていうのもあると思いますし、ひょっとして本当は打撃が強いかも知れないですし。だから色んなことを想像しておかないとやられてしまう。それに身長も体重もありますから、それこそデビュー戦の時みたいに一発でやられてしまうこともあるかも知れないですから、その辺は警戒してますけど。

韓国人ファイターという点ではいかがですか? 気性が激しそうなイメージがありますけど。
野地竜太:ん〜、特に気にはしてないですけどね。あまり気にならないですね。まぁ、1試合しか見てないですけど、それを見た感じだとあまり荒い感じもしなかったし。まぁ、でも、荒かったら荒いなりにまた穴があると思います。

では、今回の試合で、野地選手はどんなことをご自分に課して試合に臨むのでしょうか?
野地竜太:そうですね〜、まぁ、KOをいつもしたいと思ってやってるので、パンチなのか蹴りなのかはわからないですけど、何かしらでKOしたいと思います。

先週発売の『週刊ゴング』(2005年5月4日号 No.1070/株式会社日本スポーツ出版社)さんに、“サブマリン・アッパー”という技の名前が出てましたが?(笑)。
野地竜太:出てましたね、あれ(笑)。ビックリしましたよ、読んで(笑)。まぁ、チャンスがあれば出したいですね。

組み合ってる中で、ご自分の拳を潜り込ませるようにして打つアッパーですよね?
野地竜太:そうです。

“サブマリン・アッパー”は、右、左、どちらでもという感じですか?
野地竜太:そうですね。相手の構えもあるでしょうし。まぁ、普通に考えたら、相手がオーソドックスで構えてたら左が入りやすいし、逆だったら右ですよね。でも、出してみないとわかんないですね。相手がベッタリくっついてきたら打てないですし。あとは膝とのコンビネーションですよね。アッパーを嫌がれば、次は膝をボディーに打つし。

あの〜、“サブマリン・アッパー”より先に、ボディーへの膝蹴りでKOを奪っていますが、それに名前を付けようとかは考えませんか?(笑)。
野地竜太:ないですね〜(笑)。誰でもやることですからね(笑)。でも、膝蹴りは極真の時から得意技だったので自信はあるんですけどね。効かす自信は。ん〜、でも名前はないですよね・・・(苦笑)。“サブマリン・アッパー”って、空手家らしくないなって(苦笑)。横文字じゃないですか。ん〜、潜水艦パンチ?(笑)。何か昭和の匂いがしますね(笑)。

そっちの方が良いですか?(笑)。
野地竜太:嫌です(笑)。

じゃぁ、“サブマリン・アッパー”で(笑)。
野地竜太:はい(笑)。・・・あと、“三日月蹴り”って言うのもあるんですよ。空手の技で。それは結構KO率は高いですね。

それは得意技ですか?
野地竜太:得意技です。前もって言っておきます。オー選手も“三日月蹴り”の餌食になるかも知れない。ミドルキックを指で蹴るんですよ。

試合前に公表しちゃっても大丈夫ですか?
野地竜太:大丈夫ですよ。防ぎようがないですから。

では、今回の一戦は“三日月蹴り”でノックアウトと?
野地竜太:そうですね。まぁ、入ると思うんですよね。この(※オー選手のプロフィールにある写真を指して)構えがすごい“三日月蹴り”の餌食です。面白いですよ。結構時間差で倒れますから。まぁ、期待してて下さい。

わかりました。では、これで最後です。今回の野地選手の試合を楽しみにしている皆さん、そして野地選手を応援しているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
野地竜太:まぁ、相手がどういうスタイルでくるかはわからないですけど、何かしら、パンチなり蹴りなりでKOしますので。ローでもミドルでもハイでも、パンチでも全部KOする自信はあるので、そのどれかで倒しますので楽しみにしてて下さい。

野地竜太選手database