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: デビュー戦となる、7月10日(日)横浜文化体育館大会まで、あと数日となりましたが、今の心境はいかがですか? ■ 小椋誠志:そうですねぇ・・・あんまり緊張感だとか、特に変わったことは無いですね。普段通りに生活していますけど。 : ご自分の中での仕上がり具合はいかがでしょうか? ■ 小椋誠志:それはもう2週間くらい前から『明日でも良いよ』って感じですね。 : もう、いつでも良いと。 ■ 小椋誠志:いつでもOKですね。早く(試合が)したいですね。 : コンディションはいかがですか? ■ 小椋誠志:そうですね。昔から、どこかしら怪我で泣かされて、五体満足で試合が出来たことが無かったんですけど、今はほぼパーフェクトですね。 : デビュー戦に向けて、準備は万端と言った感じでしょうか? ■ 小椋誠志:そうですね。 : 大相撲を引退されてから、総合格闘技を始めようって思ったきっかけは何だったのですか? ■ 小椋誠志:前々から誘われてはいたんですけど、断ってたんですよ。サラリーマンをやっていたので、今から格闘家になるのもちょっとなって思って。それが、去年の8月ぐらいに「『PRIDE』を観に来ないか?」って(玉海力選手に)誘われて、観に行ったら火が付きましたね(笑)。やっぱ、好きなんでね。自分の中で歳を考えて、生活を考えて普通の生活をしていた中で、いくら言葉で誘われても中々難しいんですけど、試合を観ちゃうとカーッって頭に血が上って、1泊2日で帰る予定が一週間ぐらい(東京で)ジムに通って、終いには「俺にもスパーリングさせろ」って言ってましたね(笑)。親も「ミイラ取りがミイラになるなよ」って言ってたんですけどね(笑) : ご両親の予想が見事、的中されたわけですね(笑)。 ■ 小椋誠志:そうですね(笑)。行く時はボストンバックを持って出たのに、手ブラで帰って来たのを見て、「この子は(格闘技の世界に)行くんだなぁ」って思ったらしいですよ(笑)。 : では、試合を観たのがきっかけだった訳ですね。 ■ 小椋誠志:半々くらいだったんですよ。こっちの方に出て来たら誘われるだろうなぁって思ってたんですね。やりたい半分、今の生活守りたい半分だったんですけど、試合を観てしまったらパワーバランスが一気に崩れて、やりたい気持ちが強くなっちゃったんですね。 : 実際に総合格闘技の練習を始めていかがでした? ■ 小椋誠志:最初は1キロを走るのがキツくて、キツくて。俺の体は、こんなに鈍っているのかと思いましたね。相撲取りの時代とは、練習の内容や技術が全然違うので戸惑いましたけど、根本的な部分は相撲も格闘技も変わらないと思うんですね。正直、パンチなんて一発、二発もらっても大丈夫だと思ってましたけど、オープンフィンガーグローブで一発、二発もらったら倒れるなって(笑)。 : では、今は打撃に対する恐怖感などもありますか? ■ 小椋誠志:正直、100%怖くないって言ったら嘘になりますね。ただ、自分は逆に一発入った方が前に出れるような気がするんですね。逆に吹っ切れると思うんですよ。それこそ、そのまま突っ込むぐらいの気持ちで前に出たいですね。正直、下がれないんでね。下がっちゃダメだって教えられてきたので、アウトボクシング的な動きを要求されても、まだ出来ないんですよ。なので、前に動くだけですね。 : デビュー戦の対戦相手である佐藤光留選手から、『投げる』という発言がありましたが、その発言についてはどうお考えですか? ■ 小椋誠志:どうやってブン投げるのか、想像が出来ないですね。 : 大相撲時代に投げられた経験はありますか? ■ 小椋誠志:投げられた経験はありますよ。それは『まわし』っていう腰の周りにしっかりとした物があって、それを利用しての投げですね。『まわし』って物凄く投げやすいんですよ。腰を浮かせたりも出来るから、上体が伸び上がって崩すっていう動作がしやすい。でも、総合はそれ(まわし)もないから、素手でクラッチを決めて投げるというのは難しいと思うんですね。体の崩しも無いし、どういう風に投げたいのかサッパリ分からない。足を取ってコカすなら分からないでもないんですけどね。 : 投げられはしないと。 ■ 小椋誠志:そうですねぇ・・・ただ、向こうも投げには来ないと思うんですけどね。無駄な体力を使うだけなんで。 : 投げられることに関しては全く警戒していないと。 ■ 小椋誠志:してないですね。全く。 : 何か警戒している技や動きはありますか? ■ 小椋誠志:これといって無いですね。正直、パンチはリーチ差があるので、自分が構えただけで相手と同じくらいのリーチだと思うので、殴って来られても小さく当てるだけですね。まぁ、怖いのは捨て身のロングフックぐらいですね。それぐらいしか、当てられるパンチが無いと思うんですよね。蹴りもさほど警戒はしていないです。 : 逆に小椋選手がお客さんや佐藤選手に見せたい技はありますか? ■ 小椋誠志:今回はとにかくデビュー戦なので、自分が今やっていることを出し切れれば良いと思ってますね。 : 練習の成果を出すと。 ■ 小椋誠志:そうですね。キレやすいので、冷静に対処したいと思います。結構、コンって当たっただけでスイッチが切り替わるんですね。なので、ウチの代表(玉海力選手)にもジミー(明成選手)にも嫌がられるんですよ(笑)。 : 今回は無差別級ですが、将来的にはスーパーヘビー級と無差別級、どちらでやっていきたいと思っていますか? ■ 小椋誠志:昔から思ってたんですけど、デカイ人間とやりたいんですよ。小さい人よりも大きい人と闘いたいですね。それは切に思いますね。日本人って、大きい人間と小さい人間が試合をすると、絶対小さい人間を応援しますからね。悪役でも良いんですけど、結構ヘコむんですよね(苦笑)。(大相撲時代も)俺が勝って帰る時は拍手とか少ないんですよ。でも、俺が舞の海関に負けた時なんか物凄い騒ぎなんですよ(笑)。その歓声を聞きながら帰ると、物凄くヘコむんですよね(笑)。なので、自分と同じくらいの選手と闘いたいですね。 : では、自分と同じくらいの体格だったり、外国の選手と試合をしていきたいと。 ■ 小椋誠志:そうですね。日本人選手だと、そんなに大きな選手はいないですし。今回は無差別級で体重差もウリだと思ったので、体も絞らなかったですし。 : 今、体重は大体何kgぐらいありますか? ■ 小椋誠志:今は136、7kgですね。 : ご自分の中では、もっと絞れると。 ■ 小椋誠志:絞るのは、130kgを切るくらいまで絞れますね。 : 今後の格闘技人生での目標などはありますか? ■ 小椋誠志:闘うのが好きって言うのとはチョット違うかも知れないんですけど、それに近いものはありますね。この体格なんで、ガキの頃から腕っ節が良かったりしてましたし・・・。自分がどこまで通用するのか試したいですね。ゆくゆくは年末の試合にも出たいですし(笑)。「男の中の男」って呼ばれて出て行きたいですよ(笑)。あの雰囲気は、観客で観ていて物凄い高揚感がありましたから。かつて、幕内の土俵で相撲を取っている時も、そういう高揚感がありましたし、初めて十両に上がった時にライトアップが幕下の時と全然違うんですよね。土俵がパッて明るくなるんですよ。あまりの明るさに驚きましたね。 : なるほど。では、話は変わりますが、入場曲はもう決めました? ■ 小椋誠志:ハイ。 : ずっと前から決めていた曲ですか? ■ 小椋誠志:いや、色々あったんですよ。テンションを上げる感じにするのか、好きな歌にするのか、それとも笑いに走るのか(笑)。 : 小椋選手がどんな曲で入場するかは当日のお楽しみですね(笑)。 ■ 小椋誠志:そうですね。でも、好きな歌だと入場曲に合わないんですよね。 : 普段はどういった曲を聞いてますか? ■ 小椋誠志:一青窈とか(笑)、中島美嘉とか(笑)。あんまり入場曲には向かない感じの曲を聞くんですよね。 : チョット意外ではありますね。 ■ 小椋誠志:あまりテンションは上がらないですよね(笑)。始めは「大ちゃん数え歌」にしようかと思いましたけどね(笑)。 : 小椋選手の中で、将来的に闘ってみたい選手はいますか? ■ 小椋誠志:チェ・ホンマン選手ですね。『K-1』で若翔洋さんに圧勝したじゃないですか。総合ルールで闘ってみたいですね。でも、正直、『K-1』ルールだと・・・あのヒザは怖いですね(笑)。 : 小椋選手の中で相撲を背負うという気持ちはありますか? ■ 小椋誠志:それはほとんど無いですね。辞めた人間なんで。背負う気持ちがあれば四股名で出場しますよ。相撲では無くて、自分自身を出したいので、「相撲取りは強い」っていうのは結果論として付いてくれば良いのかなって。 : では、最後に試合を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。 ■ 小椋誠志:無様な試合は見せられないですね。魅せる試合までは出来ないと思うんですけど、勝っている姿を見せたいですね。前に前に。下がってもしょうがないんで。その姿を観て下さい。 ■ 小椋誠志選手database |