update:09.26
PANCRASE 2005 SPIRAL TOUR 10.02 横浜文化体育館大会
佐藤光留選手・北岡悟選手公開練習




■ 日 時 :9月26日(月)14:00〜
■ 場 所 :P'sLAB横浜
■ 参加選手:
・佐藤光留選手(パンクラスism)
・北岡悟選手(パンクラスism)


北岡悟選手

ちょっと変った公開練習でしたが?
北岡悟:一応リーチを意識して(笑)、相手は187cmで20cm違うから。リーチをかいくぐって、中に入ると。

倒した後ヒザやパウンドを意識した動きが見えましたが。
北岡悟:それは金井だからやりやすかっただけで(笑)、特別意識はしてないです。

相手の印象は?
北岡悟:アンディ・サワー(リンホージム)とやったビデオと総合のビデオは見ました。サワーが中に入ったところをリーチを生かして、入ってこられてもパンチで応戦していました。大石がやったディアズ兄弟と一緒で、後ろ重心でパンチを回転させて、それなりにやりあっていましたね。そんなビデオで見た試合のリポートしてもしょうがないですね。立ち技はそこそこやるなと思いましたけど、キックの試合ができるというだけで尊敬できるんで(笑)。

打撃で来ると思うが。
北岡悟:リーチのある選手がリーチのない選手とやるんであれば打撃で来るだろうと。というか、僕とやるならみんな打撃でくると思いますね。組んでくれたらやりやすいんですけど。組んでくれたら多分、僕が上だなと。

7月の相手と同門ですが?
北岡悟:多少は僕のことを話したりはしているんでしょうね。だからと言って、僕も人間を変えられるわけじゃない。相手に応じて臨機応変というわけではないので、得意なものでやるしかない。それに対して警戒することもないし、研究されて負けるようだったら、どっちにしろ負けると思うんですよ。

相手は敵討ちという意識があるようにみえますが?
北岡悟:あまり関係ないですね。相手がどう思っているかは関係ないかな。僕はリーチがあって打撃もできる選手と、どう対処するかと。僕主体で考えているんで、相手がどういうシチュエーションかはあまり関係ないというのが。相手の試合じゃなくて僕の試合ですから。前の試合は何かが降りてきたかのように、楽と言うか運のいい形で勝てたので。タフな試合というか、もう1回厳しい試合をやってという気持ちがあるので。相手がリーチがあって、総合のキャリアも13戦。勝っている試合は全部一本勝ちだし、そういう選手が相手でも、誰が相手でも勝たないと。とりあえず勝たなきゃって感じで、勝つことが僕のお仕事だと思ってます。

それはウェルター級1位として?
北岡悟:1位・・・そうですねウェルター級1位というか、みんなが望んでくれてる試合があると思うので。それにつなげるというか、前哨戦であるというふうにみんな見ると思うので。でもちっぽけなものに見えてくるんですよね、いろいろなことを考えると。1位といっても、世の中の75kgで2番目に強いかといったら、そんなことはないので。でもここはパンクラスのリングなので、パンクラスの選手が負けるわけにはいかないというのはあります。

今年4度目の横浜文体で、3度目の出場。パンクラスに欠かせない選手という感じを受けますが、その辺りは?
北岡悟:それについては気の利いたコメントが言えないので(笑)嬉しいことではあるんですけど、人も少なくなってるからって話になっちゃうじゃないですか(苦笑)。でも近藤さんの前に試合して、しっかり勝ちたいという役目というか、使命は感じでます。



佐藤光留選手

今日の練習は?
佐藤光留:あれは見たまんまで。パンクラスの存在を問われるようになってきましたけど、問われる中でどうやって正しいかどうか。世間的には正しくないと思うんですけど、佐藤光留的には原点と。

原点回帰?
佐藤光留:そうですね。ただ僕は原点から外れているつもりはまったくないです。パンクラスというマークも名前も何も変わってないわけですから。原点に帰る必要も何もないです。ただ僕が入門したときは掌底ルールだし、デビューしてからもレガースをつけないと蹴っちゃいけなかった。今こういうルールになったので、そういう橋渡しの時期にデビューした人間ですから。何度も旗揚げルールでやらせてくれと言ったけど、会社に断られたので、会社の見てないところでやってやりました(笑)。

今でもこのルールでやってみたい?
佐藤光留:ただやればいいってもんじゃないですから。相手もそうだし、時期もそうですから。冨宅さんと鈴木さんが1回やったりしましたけど、あのときも両方ともレガースつけていませんでしたから。ちょっと違う感じでしたね。普段これをつけて闘っている選手(佐々木恭介選手)と戦ったときも、旗揚げルールでやらせてくれって言ったら、旗揚げの人間がやらないと意味がないと言われて。じゃあ旗揚げの人間がグローブつけてやるのは意味がないのかといったら違うでしょう。あのときはこれをつけてやりましょうと言ったけど、あれから1年ですからね。

やっと対戦相手が決まりましたが?
佐藤光留:相手が決まる前から、やらせてくれと言った相手が他の人とやることになったりして。ずっと長渕剛の『ろくなもんじゃねえ』が頭の中に流れて、ずっと歌っていました。『愛はいつも大嘘つきに見えて』って、LOVEは嘘つきなのかなと(苦笑)。こじつけもいいとこですけど、そのときの僕にはそう聞こえました。こういうことをこの場で言うのもなんだけどストーカー生活10周年なんで、久々に追い掛け回しがいのある人を見つけたんで、遊びじゃない追いかけ行為を見せてやりますよ。絶対に実現させてやる。僕がやらせてくれと言って実現したのは、メキシコのプロレスラーだけですから(笑)。

対戦が流れたのは悔しかった?
佐藤光留:何が悔しいって、流された理由が悔しいですよ。『全日本プロレスでプロレスラーとたくさんやったから、キックボクサーやアマレスラーとやりたい』って。じゃ『K-1』に行けばいいんですよ。社会人レスラーでアマレスやればいいじゃないですか。プロレスラーって、そのとき何が一番大事かと考えたら、いろんなことを捨てて自分の一番守りたいことや価値観を全部捨てて。そういう人種だと思っているので。僕は自分のことをプロレスラーと名乗っていますけど。向こうは違ったみたいです。意味ないじゃないですか、向こうはロシア人と、僕はハワイ出身の方とやって。見に来ている何百人か何十人か分からないですけど、きっと僕と河野選手の試合を見たかったと思いますよ。パンクラスの今年一番でかい大会なんで、そこが団体を後にした選手と、団体の名前を背負っている人間の違いかなと。出場を断ってもよかったんですよ。じゃあ出ないと突っぱねてもよかったんですけど、北岡も近藤さんも出てくれて、他の選手も出てくれるので、自分の都合も『ろくなもんじゃねえ』と一緒に置いてきた。僕はその日、このTシャツ(光留塾Tシャツ)を着て見に来てくれる人に向けて、何でここに出てきたか見せます。そしてその後は完全に付け狙います。

1週間前ということで、研究する時間もないと思いますが?
佐藤光留:いつもないですよ。小椋(誠志)選手のときも、せっかくパソコン買ったから調べてみたけど、相撲のときの成績しか出てこない。『粘りがない』と書かれていて、土俵上の粘りは総合に通じるかなと思ったけど、案外粘っていた。毎回ですよ、相手のデータがないなんて。前日に試合に出ると言って、誰も見てないところで負けたこともあったし。かまやしないです。何が大事かを考えたら自分の白星が一番大事です。でも一番大事なものを捨てても団体のための何かになりたい。大きなトラックだって、小さなパイプがなければ走らないですよ。タイヤとガソリンとエンジンだけで走っているわけじゃないんです。

菅沼選手の印象は?
佐藤光留:名前が因縁めいていますよね。最初はアポロ菅原かと思いました(笑)。よく見たら菅沼で、菅沼といったら美濃輪さんと冴夢来プロジェクトで異種格闘技戦をやっていたのが、今アジアンプロモーションの菅沼修さん。サインくれと言ったら控え室に走っていったので、どうしたのかと思ったら剛竜馬さんのサインをもらってきてくれた(笑)。いや、菅沼選手のサインがほしいんですと言ってもらったことがあります。今回の菅沼さんは見た目がロック様(笑)。本当に困っています。

今回は自分との闘いですか?
佐藤光留:毎回ですよね。188cm93kg、小椋選手より10cm小さくて50kg軽い。その分速いかな。でも大きさなんて関係ないです。リングに上がったら一人の人間と人間です。性別すら関係ない。どっちが強いかだけです。でもなんでもかんでもそれじゃできないから、うちには階級性があるけど。僕は右にならえでランキングに入る必要はないです。好きなようにやります。今回もびっくりするような相手が候補に上がっていたんですけどね。とにかく有利な要素はほとんどないんで、何とかしのぎきらないと。

パンクラスの無差別ランカーとの試合もそのうち組まれるのでは?
佐藤光留:別にいいですランカーとは。知名度があればファンに伝わってくれるでしょう。一番(ジョシュ・)バーネットにとっちゃおいしいですよね。勝ち負けまでいってない、まだ試合を組まれるところまで行ってないから、まずそこからです。

連続一本で勝っていますが、今回も狙っていきますか?
佐藤光留:勝ちに行ったら一本取れたんです。今までも行っていたけど取れなかったです。あとはismでの練習を出すだけです。すごいですよ柔術家はいるし、キックボクサーはいる。PRIDEの常連もUFCファイターもいるし、GHCタッグチャンピオンもいる。出稽古の必要はないです。

今回の試合のテーマは?
佐藤光留:(プロレスLOVEのポーズを決めて)これですかね。嘘です、影絵かもしれないし(笑)。この試合の後に河野選手を見ているわけじゃないですけど、まったく忘れることはできないです。それが思いつめたストーカーの心理です(笑)。

取材協力:格闘魂