メインイベント ウェルター級タイトルマッチ次期挑戦者決定戦 5分3ラウンド
ランキング1位
×北岡悟
(パンクラスism)
vs ランキング3位
石毛大蔵
(SKアブソリュート)
3R 5:00、判定/0-3
判定:和田良覚(29-30)小菅賢次(29-30)梅木良則(29-29○)
■ 北岡悟(74.9kg) セコンド:大石幸史
■ 石毛大蔵(74.1kg) セコンド:松本天心、長谷川秀彦
レフェリー:廣戸聡一

石毛選手の今回の3ラウンドの試合振りを見ていると、見たことがあると思い、それは2、3年前の近藤有己選手の闘い方に凄く良く似ていました。似ていたというより、そういう闘い方になって来たというのが、今回の印象でした。自分のやりたい事、やるべき事のみに集中しながら、色々なことに対応していく淡々とした試合でした。北岡選手にしてみると、手のうちようの無い試合でした。どの様に引き込もうとしても、展開を変えようと思っても、石毛大蔵は石毛大蔵という闘いい方をされてしまいました。そういう意味では、先の竹内選手も含め、SKアブソリュートの両選手が日々どんな練習をしているかという事、要するにパンクラスにパンクラスismというものがあるとするならば、SKアブソリュートにはSKアブソリュートのismというものがあります。そう感じています。松本代表が九州で試合に出場された時に凄く感動したというのは、勝とうが負けようが、その試合がどうなろうと、そこに名前を連ねたという事自体が、私は尊敬します。松本代表のそのismが脈々としっかり今回はこの両選手に絶対にベルトを取らなければいけないという、彼等にも使命感というものがきちんと根ざしていて、それがぶれずに日々練習しているという事が、あからさまに見える様な今回の闘い方でした。

今大会で個人的に面白かったのはキャッチレスリングの試合でしたが、大会の彩りと言えば、SKアブソリュートのこの二人の闘い方です。それ位、今回の石毛選手の試合は面白かったし、個人そしてSKアブソリュートの強さという物の柱が見えた様な気がしました。パンクラスがそれに対して弱かったとかそういう事ではなく、やはり気負い等も含め、迎え撃つ側の方が大変です。一点を見て行く者と、本当は守ってはいませんが、守るという気持ちになってしまう立場というのは全然違います。そういう意味ではリングインした時の背負ったものの強さというものが判定にそのまま繋がった様な気がしました。といいながらも北岡選手が何もしなかった訳ではありません。タックルも細かく出して行ったし、引き込んで何とか流れを変えようとしたり、見た目のパウンドの数からすると、北岡選手の打たれた数は少ないので、それも十分見ていて下から何とか返そうとしましたが、その都度対処をきちんとされてしまいましたので、そこには石毛選手のしたことしか残りませんでした。昔のプロレス流に言うと、北岡の光を消したという事で、実に眩いばかりの石毛選手の闘いぶりでした。

石毛選手が近藤選手の試合振りに酷似していたという事は、この実力は早々簡単に無くなるものではないということです。そうすると、タイトルマッチの結果というものは、自ずと石毛選手に期待出来る部分というものが、そういう意味では凄く強くなって来た様な気がします。ですから次回行われるタイトルマッチに関しては、現王者も暫定王者なので、未だ両者挑戦者という事であれば、どちらが自分の強い意思の元で自分の闘い方が出来るかという事なので、私はあまりこういう事は言わないのですが、その私を持ってしても、石毛選手は片手はベルトに届いたなという感じがします。そういう意味ではSKアブソリュートのファンの皆さん、特にこのタイトルマッチは絶対に見に来た方が良いです。石毛選手は絶対に裏切りません、私はそう思います。要チェック!!