update:8.13
PANCRASE 2007 RISING TOUR 9.05 後楽園ホール
北岡悟選手公開練習


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ウェルター級戦 5分3ラウンド
ランキング1位
北岡悟
(パンクラスism)
北岡悟 vs ミルトン・ヴィエイラ
ミルトン・ヴィエイラ/初参戦
(ブラジリアン・トップチーム/bodog)
4/13(金)DEEP 29 IMPACTでファブリシオ“ピットブル”モンテイロ(グレイシーバッハ・コンバットチーム)と対戦。柔術選手権で4度王座に輝いているピットブル相手に、一歩も引かず見事な肩固めで一本勝ちを収めた北岡。
一方、ルタ・リーブリを10年以上経験した黒帯の実力者であるミルトンが、パンクラスに初参戦!
現在4連勝中、その内3試合は一本勝ちを収めている北岡が、トップランカーとしての強さを見せつけるのか?それとも、勝利のほとんどをサブミッションで奪いとっているミルトンが、寝技の実力の差を見せつけるのか?
一瞬の隙が試合を極める、緊迫のウェルター級サブミッション戦!
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今日の公開練習、打撃だけだったのは何か理由があるのでしょうか?
北岡悟:公開練習ももう何回目か分からないけど、組み技はよくやってるんで。『公開練習』なんで、普段試合では見せてない部分を出していこうかなと。青木(真也)も打撃を公開してたんで、別に影響じゃないですけど、『やってるんだぞ』ってことを見せようかと。まあ、(公開練習で)見せれる最低レベルまでにはなってるんで、そんなにめちゃくちゃ恥ずかしくはないと思うんで。

特に最近、打撃の練習に力を入れているということではない?
北岡悟:ないですね。ずっともう、今日ミットをもってくれたトレーナーの方とはデビュー前からやってるんで。ずっと積み重ねてきたことですから。

ミルトン・ヴィエイラ選手に対する印象は?
北岡悟:ちゃんと実力のある選手ですね。世界的に見て指折りの選手だとは思わないですけど、ちゃんと強い選手だとは思います。現実に桜井(速人)さんがやってるんですけど、結構しぶとく粘られて判定になってますし、内容もありましたし。あとはDEEPでは2勝1敗1分ぐらいですよね? 負けた帯谷選手との試合も観てるんですけど、ビッグチャンスがあったのはミルトン・ヴィエイラのほうなんで。結果は負けてますけど、五分と言っていい内容だったと記憶しています。もちろん判定つけるなら帯谷選手の試合ですけどね。歯ごたえありそうだなって感じですね。

寝技が得意な選手ですが・・・。
北岡悟:僕とやるんだったら立ち技でくるんじゃないかな? 寝技こないんじゃないかと思います。俺のが寝技強いですし。あとは単純に向こうのほうがリーチがありますから、僕が相手の立場だったらそれを有効に使うと思うんで。

世界の壁に挑むという気持ちではない?
北岡悟:世界の壁って何ですかね・・・ちょっとよく分からないですね。今、アメリカが盛り上がってるってことになってるみたいなんですけど・・・僕が大石のセコンドでUFCに行ったのってもう2年以上前なんで、だいぶ変わってるみたいなんですけど、あまり実感が無いし、あまりUFCの映像も観てないんですよね。ようやく最近ちょっと鳥生がUFCマニアで映像を持ってたんで、それを借りた観たんですけど、別に技術的にはたいしたことないですよね。金網の技術とか肘とかは(日本のリングでは)やってないことなんで、その部分は無いものだから(分からない)。でも、逆に言うと僕はリングを使った技術を持ってるし。肘が無いからこその寝技だったりするし、サッカーボールキックがあるからこその技であったりするし、そのへんは別物なんで比べようがないというか。だけど、マスコミさんはUFC万々歳、金網万々歳になっちゃってるんで・・・それが現実だから。僕はその中でもトップだとは思ってるんですけど、でもそれは力が及ばないところだと思うんで。とある雑誌でなんか格闘技の選手をばっと並べてトーナメントをやったら、みたいなのがズケズケと書いてあったんですけど、それで僕、なんか知らない選手に一回戦で負けてるんですよね。「苦情は受け付けません」とか書いてて・・・。よくぬけぬけと書くなって。バカじゃねーのって。神経逆なでさせようとしてんのかなって思いますね。ちょっとデリカシーが無さ過ぎるんじゃないかって思います。実際、実現できるんだったらいいですよ。雑誌でもよくランキングとか書いてあるじゃないですか。ランキングとはまた違いますからね、はっきりと。そうじゃなくてもファイターっていうのは勝敗予想を気にするものなので・・・まあ、その記事を書いた人には『やったこそないくせに』って言いたいですね。

DEEPでの勝利後、PRIDE GPに対してずっとスタンバイして待っていた状況ですが、その間はどういう気持ちだったのでしょうか?
北岡悟:7月に試合するつもりでやってましたので・・・。(PRIDE GPは)はっきりやらないとは伝わってないんですよね? でもまあ、「PRIDE ライト級GP 2007」は無いんだと、そういう認識はもう持ってやってますし、僕は出る権利を得るところまでやったという意味では「PRIDE ライト級GP 2007」というものに対しては最大限やったという、胸を張っていいだけのことをやったと思うし、“ピットブル”モンテイロ戦を設けてもらって、その試合でいい形で勝つことができて、掌返したように評価してくれる人もいるし、ずっと観てくれてる人は一緒になって喜んでくれたし、得たものいっぱいあったんで、その試合を設けてくれたことだけで関係者の皆さんには感謝してるんで。だから、なくなっちゃったことに関しては誰を憎んでもしょうがないし、誰のせいでもないし、僕も一生懸命やったし、関係者の人たちも一生懸命やったしっていう、そういう中での結果だったんで、だから、僕の中ではある種完結したというか。すごくすぶってたものはあったんですけど・・・青木との試合も目指していたものではあったんですけど、それはあくまでライト級GPがあってこそのストーリー、お互いのテーマだったんで。GPがないんだったら、前以上にスクラム組んで、切磋琢磨して強くなっていこうって話はしてるんで。今も週2・3回以上一緒に練習していい感じでやれてるんで。正直、今引っ張ってもらってる部分もあるし、僕も後ろから追いかけてっていうことで、いい感じではあります。・・・で、僕の中でもいい目標を見つけました。それは7月16日にある人が現役復帰されるって聞きまして、まあ、ご存知の通り船木誠勝“選手”ですけど、復帰されるんだったら試合してえなって思いまして。・・・で、挑戦状を出そうかなと。
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※おもむろに挑戦状を取り出す。

北岡悟:『挑戦状 船木誠勝殿 12月31日に現役復帰される貴殿に挑戦を表明させていただきます。つきましては、同封したチケットの大会(9.5パンクラス後楽園ホール大会)へご来場何卒よろしくお願いいたします。パンクラスism 北岡悟』

※挑戦状をチケットとともに封筒にいれる北岡

北岡悟:今から郵送します。チケットは自分で用意したものです。会社が用意したものではなくて、自腹を切って用意したものを送らせていただきます。12月31日に船木選手が出場する大会を主催されているのはFEGさんなので、そちらにも軽い挨拶程度のものとチケットを同封して、谷川貞治さんに送らせていただきます。・・・いろんな思いがあります。簡単ではないです。ある意味、シンプルな部分もあるんですが。

格闘家を目指したのは船木さんの存在があったからだと以前おっしゃっていたと思います。
北岡悟:そうですね、はい。もともと総合格闘技っていうものを志してここ(パンクラス)に来て、ここに今いるのは、船木誠勝選手がいなければ無かったことなんで、すごい思い入れはあります。

対戦表明というのは、そういった憧れた選手に対して、戦うことができる場面があるんだったら、やってみたいということでしょうか?
北岡悟:でも、憧れはもう無いですね。憧れは一切ないです。

では、今はどういった感情が?
北岡悟:うーん・・・そうですね・・・いろいろ各種媒体で船木選手のインタビューが載ってたんですけど、『(対戦相手は)誰でもいい』って言ってたんで、誰でもいいなら俺がやりたいと。誰かにボコボコにされるんだったら、俺が一番最初にボコボコにしたいなって。ちょうど船木選手がパンクラスでやってたのは7年間、要するにガチンコでやってた7年間があって、僕も7年間やってるんですよ、パンクラスで。その7年間対7年間をやりたいなって思います。なんかの雑誌では『自分が勝ってしまうと総合格闘技が7年間停滞してたことになる』って言ってたんですけど、そんなわけねーだろと。僕、7年間プロでやってきて、本当、血のにじむような思いとか、すごいキツい思いしてやってきたんで、そんな簡単なものじゃないよってことを僕が教えてやりたい。今の総合格闘技をなめんなっていうのを僕がやりたいんですよね。放っとくと桜庭選手とか、田村選手とか、ホイス選手とか、そういうレトロ対決でお茶を濁すと思うんで、そういうのだけは我慢できねえなって。なんかそれって過去vs過去なんで。現実と戦えと。逃げんなと。船木選手本人がおっしゃってたと思うんですけど、尻尾を巻いて逃げたわけじゃないですか、格闘技の世界から。そりゃ、いろんなプレッシャーがあったのかもしれないですけど、そんなの別にみんな背負ってることだから。誰だって背負ってるから。それは別にファイターだけじゃないから。あんた逃げたんでしょって。で、ぬけぬけと帰ってきて、個人でって・・・そんなの楽じゃん。そんな楽に試合してるのを俺は観たくないし。だから俺とやるべきだと思うんですよ。それが道理だと思うんですよ。今、パンクラスを代表するのは僕です。今大会は僕がメインです。前田吉朗でもないし、川村亮でもないし、ミドル級の挑戦者決定戦でもないし。僕がメインです。だから、パンクラスを代表してるのは間違いなく俺。だから、尻尾を巻いて逃げた人をちょっと首根っこつかまえてこっち向けよとやる感じです。自分一人の力じゃ足りない部分があるかもしれないんで、ちょっとマスコミの人にも協力してもらいたいですね。よろしくお願いします。

船木さんとは接点は?
北岡悟:船木さんが引退されてからデビューしました。自分がちょうど2000年5月1日に入門したんですよ。で、ヒクソン戦が5月26日。だから、船木選手の最後の練習とか見てるんですよ。僕がデビューしたのはその年の10月です。接点もいくつかあります。指で数えれるほどですけど。

復帰第一線じゃないと意味が無い?
北岡悟:そうですね。最初にボコボコにしたいです。(船木選手は)もう辞めないって言ってるらしいんですけど、そうもいかないと思いますよ。だってあなたがやってたときよりも今のほうが厳しいもん、絶対。悪いけど、オープンフィンガーグロープつけて試合したのって数えるほどしかないでしょ? もちろん素手でも月一でやってたのは大変だと思いますよ。化け物みたいな外人とやってたのは分かるけど、今の格闘技なめんなってことです。最初に(船木選手の入場曲の)「RED ZONE」を聞きたいですね、リング上で。

ボコボコにしたいというのは、パウンドで殴ったり、関節を極めたり・・・。
北岡悟:そうですね。まあ、一回しか極めれないですけどね。

失神まで追い込むとか・・・。
北岡悟:タップしなきゃ落ちるんじゃないですか。僕のを食らったら。ヒクソンよりも俺のほうが絞めるのは上手いんじゃないですか?

ウェイトも関係ない?
北岡悟:関係ないですね。ここ最近は階級を75kgに抑えてますけど、通常は83kgぐらいあるんで、全然問題ないと思います。そういうプロとしてのふり幅は常に持とうと思ってるんで。状況と条件とが合えば、70kgでも試合するし、フリーウェイトでも試合するし。全然問題ないと思います。

今度の試合では、目の前で自分の強さを見せ付ける?
北岡悟:勝って直接挑戦表明させていただけたらなって思います。そのためにはご来場してもらわないといけないという向こうの歩み寄りが必要なんですけど。そこはよろしくお願いしますって感じで。来なけりゃ『逃げ』ですからね。「若い人に噛み付いて欲しい」って言ってたんで。僕が噛み切っちゃいますよ。

今回の挑戦表明について会社には話したのでしょうか?
北岡悟:はい。会社は複雑な思いではあったと思うんですよ。船木さんとの決別というのは僕の知らないところで起きてたことなんで、僕の気持ちに対しての理解はしてくれました。「やれやれ」っていうのでもなく、「ダメだ」っていうのでもなく、気持ちを尊重してくれたというか。だからこそチケットを用意したのは僕なんですよ。自分でやってることなんで。ただし、もちろんパンクラスの北岡がやるから、責任はパンクラスのほうにも迷惑はかかるんで、そこはもう感謝ですね。この会社、なんだかんだ言われてる部分もあるけど、本当、この何年間は好きなようにやらしてもらってて、bodogと提携しているのにPRIDE出たいって言ったのにそれも全然「やるな」って言われなかったし、結局PRIDE GPも無かったけど、でも、「お前はやるだけやったんだから、あれは悪くなかったよ」って言ってくれたんで、そのへんはもう本当に感謝してますね。だけど、そういう意味でも会社には甘えちゃいけないなって思ってるんで。今度は俺が返していく番だし。そのための第一歩だと思っています。つまり、船木さんが逃げたことを僕が今やってるってことですよ。

チケットはリングサイドの最前列?
北岡悟:そうです。計4枚ですね。

船木選手は何も背負っていないが、自分はパンクラスを背負っているんだという自負がある?
北岡悟:(背負ってないのが)ダメっていうよりも、面白くないんですよ。だから、背負ってないのと背負ってるのの勝負をしたいなって。俺のが強いんじゃないかなって思うんで。(船木選手は)練習で強いって噂は聞くんですよ。でも、練習じゃダメなんですよね、リングでやらないと。試合でやんないと意味ないんで。で、最初にやりたい。最初じゃないと意味ないですよね。

この挑戦状の件は、他のパンクラスismの選手は知っている?
北岡悟:サラッとは言っています。

どういう反応でしたか?
北岡悟:みんな穏やかな感じでしたね。僕だけですよ、殺気立って生きてるのは(苦笑)。でも、みんな僕がこうやって好き勝手やってるのに、温かい目で見守ってくれてる感じですね。ただ、こうやって牙を剥けるのは僕だけだと思うんですよ。そういう場所に立ってるのも僕だけだと思うし。

大晦日に二度目の引退をさせてやる?
北岡悟:それは自由だと思うんですよ。だけど、最初にボコボコにしたい。・・・結局、離れた人だけどパンクラス創始者じゃないですか。そういう人だから、常につきまとうわけじゃないですか、パンクラス創始者って。でも、今のパンクラスは俺だから。且つ船木さんの存在を消すことっていうのはできないわけで、超越するには時間もかかるし、かつて近藤さんが船木さんに勝ったけどなかなか越えれなかったのと同じで、勝てば越えれるってもんじゃないけど、まず第一段階として直接対決でボコボコにしたい、けちょんけちょんにしたい。そうすることで一段階踏めるんで。一段階踏ませてくださいって感じですね。「ダメです」とか言ったら逃げですよね。逃げるなと。「噛み付いてください」って言ったし、「誰でもいい」って言ったし、じゃあお願いしますと。

ミルトン・ヴィエイラ戦は査定試合になると思いますが、そこで結果が出なかったら?
北岡悟:そんなヤツに権利はないですね。資格がないと思います。今度のパンクラスの興行はパンクラスの今年一番の興行になると思います。僕も前田も川村も出るし、ミドル級の挑戦者決定戦もあるし、アンダーカードもいい試合があるし。そこのメイン張らせてもらうんで。僕が一番のパンクラスの代表なんで、そこでバシッとメインを締めれないようじゃあ・・・締めてこそのエースだから。試合に勝って船木選手にアピールします。