・日時 :3月13日(木)16:00〜
・出席者:
坂本靖(弊社常務取締役)
佐藤光留(パンクラスism)
レポート
update:3.14
株式会社ワールドパンクラスクリエイト
佐藤光留選手、パンクラスMISSION移籍記者会見
株式会社ワールドパンクラスクリエイト
佐藤光留選手、パンクラスMISSION移籍記者会見
■ 坂本常務:本日は佐藤光留選手の為にわざわざお集まりいただきありがとうございます。今日はなんと3月下旬の暖かさだということで、パンクラスの側の梅も見事に咲いて、非常に暖かく、よい日だなと思っております。梅の後には桜が咲き、桜といえば別れの季節です。パンクラスismでした佐藤光留選手ですが、離れることになりました。色々と本人も今まで悩んでいた…いたのかな…。
■ 佐藤光留:(笑)
■ 坂本常務:悩んでいたときも断片的にはありますが、なんて言うんでしょう…こうしてismを離れるにも本人はなんの感慨もないでしょうけど、ちなみに離れた日はですね、日本記念日委員会が認定していない3月10日、佐藤の日をもって離れたということで、すでに離れたとさせていただきます。3月10日付で佐藤選手はismを離れた、ということになります。では、あとは光留選手の方から20分語っていただきます。
■ 佐藤光留:本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。先ほど坂本さんの方から話がございましたように、パンクラスismを離れて活動していくことになりました佐藤光留です。今までパンクラスにいて、本をただせばパンクラス横浜道場という名前で、佐藤光留というリングネームで活動してきましたが、3月10日をもちましてismを離れることになりました。なんですが、新しい移籍先というのも決まっていまして、実はもうそのプレートがここに出来上がっているんですけど、パンクラスismからパンクラスMISSIONのほうに新しく移ることになりました。3月10日からはパンクラスMISSIONの佐藤光留として、これから活動していきます。もちろんパンクラスの名前がついているので、パンクラスの所属選手として頑張ります。あんまり細かいところは、大きくは変わらないんですけど、MISSIONに移ったからには3月10日のガジエフ・アマディン戦を最初の、一つめのMISSIONとして、必ず任務遂行を目指して頑張ります。宜しくお願いします。
: なぜMISSIONに移ったんですか?ismのままでは都合が悪いことがあったんですか?
■ 佐藤光留:都合が悪いということはなかったんですけど、もちろんMISSIONで一つ見えてくるのはプロレスという選択肢ですね。自分の中ではパンクラスの中でやっているグローブをつけてロシア人と殴りあうというのもプロレスというカテゴリの中の総合格闘技と、プロレスの中の一つのジャンルとして認識していたんですけど、残念ながら…というか、世間が総合格闘技ブームということで、プロレスが衰退していると言われる。もう、まったく別ジャンルの話として進んでいく世の中にこの何年かになりまして、それこそ今の総合格闘技の礎を作ったのは間違いなくパンクラスと『修斗』さんだと思うので、その二つと別のものが出てきて大きな力を持って他の人に認識されていく中で、どんどん総合格闘技のパンクラスと『修斗』が作ってきた価値がずれ始めたんですね。そこで、テレビで色々やっている、今度の土曜日に大きな大連立の大会とかあるんですけど、その価値観の中に自分が照らしあわされるのが凄い苦痛で。もっと僕のやりたいものっていうのは広く可能性を探りたいと思ったので、その一つとしていわゆるプロレスルールですね。プロレスと格闘技を分けていないので、総合格闘技ルールのプロレスじゃなくて、プロレスルールの中のプロレスをしていこうと思いまして、そこでまず鈴木みのるさんのところに話をして、MISSIONに移ることになりました。なので、これからはプロレスルール、一般に言われているプロレスをしていくことになると思います。
: どこか参戦したい団体とかありますか?
■ 佐藤光留:たくさんあるんですけど、まずこれって言うのはもしかしたら近々皆さんが見ることになるかもしれないので、それはいえないんですけど、自分がこれからやりたいプロレスっていうのは…何て言うんですかね。僕はパンクラスの中では一際異端児と呼ばれてきたんですけど、世の中になぞらえない、自分だけの価値は何なのか?って言い続けてきたつもりなんですけど、どうもその手法がメイド服なので伝わり辛かったと。なので、これからは色んな人に観てもらうために、色んなルールのプロレスに参戦したいと思います。例えばですけど、デスマッチだったりとか、それこそ総合格闘技のルールに準じたプロレスも続けていきます。
: メイド服キャラは続行なんですか?それとも、これを機にもういい加減卒業させてくれということですか?
■ 坂本常務:いい加減?
■ 佐藤光留:いい加減なんですか?
: (笑)
■ 佐藤光留:だいぶ飽きられましたか?
: そんなことは(笑)
■ 佐藤光留:本当に嬉しい話で、先ほども取材が一件あったんですけど、必ずメイド服を着てきてくれ、と。鈴木さんの方にも「裸になったお前に価値はないよ」と言われました…何笑っているんですか。ただ、これからは総合格闘技の中でメイド服を着ていると山本"KID"選手に「半殺しにして来い」と言われたこともありますが、プロレスに行くともっと色んな反応があると思いますけど、状況に応じて、もしかしたらメイド服よりももっと凄い危ないものが出てくるかもしれないです。その可能性は無限大です。
: 戦ってみたい選手や興味のある選手はいますか?
■ 佐藤光留:全員ですね。それこそ、ピンからキリまでって言うと、自分はそのキリの方なんですけど、ピンの方の選手にも興味はありますし、自分よりキリの選手にも大変興味はあります。
: 鈴木選手から温かい激励のようなものはありましたか?
■ 佐藤光留:鈴木さんに「自分はプロレスをやって可能性を広げたいです」という話を最初にしたときに、僕からは一言も言っていないのに「俺とお前は絶対に仕事しないから」と念を押されまして。自分が「タッグを組みたいんです」とか言ったならわかるんですけど、何にもいってないのに「俺はお前とは仕事をしない」って温かいアドバイスをいただきました。
■ 坂本常務:会社の方には「3年間メキシコに飛ばしてやってくれ」と。もしかしたら3月26日以降まったく姿を現さない選手になるかもしれないです。
: もしかしたらそのまま消えちゃうような?
■ 坂本常務:はい。日本では。
■ 佐藤光留:実話ですから。「佐藤、メキシコ行かねぇ?」って。
: 海外マットは実際いかがですか?体格とか合うと思うんですけど。
■ 佐藤光留:元々、それこそ『DEEP』でエレクトロ・ショックと試合をしたのも、自分がルチャリブレが好きだったのに、ソラールとドス・カラスと反則攻撃を繰り返して自分が憧れていたルチャリブレを崩されたことが原因だったので、今度はこっちが向こうのルールに乗り込むっていうのも選択肢としてはありです。
■ 坂本常務:ソラールと対戦しにメキシコに行くってのは?
■ 佐藤光留:僕がソラールと対戦できる位置に行くまで彼は生きているんですか?けっこうお爺ちゃんですよ。
■ 坂本常務:3月26日の試合ですが、ライガー選手に次ぐマスクで試合をします。
■ 佐藤光留:…嘘です。…移籍会見なので、もう少し硬い感じで。
■ 坂本常務:はい。
: 総合ルールでの試合はこれまでより頻度は少なくなるっていうことですか?
■ 佐藤光留:頻度が少ないって言っても、総合界の中でもたくさん試合をしているほうでも年に総合ルールで5試合っていうことなんで、減ったっていっても他の人と変わらないかもしれないです。ただ、プロレスに専念っていう訳ではないですが、パンクラスMISSIONに移った佐藤光留に総合のオファーをかけてくる酔狂な団体がどれくらいあるかっていうことですね。…皆さんなんか頷かれていますが。ただ、神出鬼没的にどこかに出てくるかもしれないです。それこそ、こないだのミルコ・クロコップの対戦相手を公募なんて、逆に立候補しやすくなったかと思います。それくらいに捉えています。
: ご自分としては総合とプロレスはどのように区分わけされていますか?
■ 佐藤光留:正直まだどちらも半人前もいかないくらいなんで、それこそプロレスのルールの試合なんてやったこともないですから。どっちになるかもわからないです。自分の中の価値観はまったくプロレスも総合も変わらないものなんで。何をやってる、プロレスをやっているからプロレスラーなのか、総合をやっているから総合格闘家なのか。その辺を永遠のテーマとしてやっていきたいです。ジョシュ・バーネットにいたっては、「両立しているのは俺だけだ」って言っていたんで。それを見てカチンっとは来ましたね。
■ 坂本常務:基本的にはプロレスっていっても、じゃあ明日からロープワークができるわけではないと思うので、会社としてはやっぱり、本人もそうなんですけどまずは専念してもらいます。
■ 佐藤光留:総合の試合は3月26日以降はしばらくは見れないと思います。
: 目指すファイトスタイルはありますか?
■ 佐藤光留:メイドファイトです。…大丈夫ですか?今ので。
■ 坂本常務:…タックルからのパウンドです。
: この件に関して鈴木さん、ismの仲間たちからはどのような話がありましたか?
■ 佐藤光留:「あ、そうですか」って感じですね。本当にそんな感じで。ただ、これからもismの練習に参加して強さを求めていくことには変わりはないので、その辺の確認はしました。正直、ismにいたって言っても、ismのみんなで媒体に取り上げられるっていうよりも、メイド服を着たおかしな人って取り上げられることが多かったので、仕事としては完全に昔から一人MISSIONみたいなものでしたので、快く送り出してくれたといえば自分の認識として嬉しいですし、皆からすればism興行の黒星が一つ減ったくらいにしか思ってないかもしれないですね(笑)。でも、僕らの中で誰が嫌だから辞めるっていうわけではないので。名前は違いますが、みんな大切な仲間なので。
: プロレスのルールでやろうって思い始めたのはいつぐらいからですか?
■ 佐藤光留:いつだったかな…。「いつだったかな」って言うくらい昔です。
: 以前にプロレスの方と総合のルールで試合をして、プロレスをやっていないのにプロレスラーを名乗るなっていうようなことを言われましたよね。そういうことも影響はありましたか?
■ 佐藤光留:そうですね…ないっていうことはなかったですね。それがきっかけっていうわけじゃないですけど。ただ、自分の一つの大きなきっかけとして、12月のジョシュ・バーネット戦がありまして。デビューしたときはああなりたい、こうなりたいってもちろんありましたが、いつの間にかパンクラスに出られなくなって、DEMOLITIONで「このトーナメント優勝しないともう使えないよ」って言われ、必死になって優勝してジョシュとやりたいって言ったのがもう4年…5年位前ですかね、ずっとジョシュ・バーネットがついて回って。いざジョシュに触れてみたらその強さはもう言葉では言い表せない、やった者にしかわからないんですけど、本当にそういうものだったんですね。それを見たときに、ジョシュに勝つにはどうやればいいんだろうな、って考えたときに、「パンクラスルールで蛍光灯を使ったら怒られるな…」って、本当に思ったんですね。「イスで殴っても5秒間ならOKなんだよな」って思って。幸いジョシュ・バーネットって『IGF』さんとかプロレス団体に出ているんで、そういうのも選択肢であるんじゃないかな、と。それで傾倒していったのは本当の話で。
: 当面の目標はジョシュ・バーネットを追いかけていく?
■ 佐藤光留:…遠いですよ『IGF』のメインイベンターですからね。プロレスの試合僕は一試合もやっていないので。めちゃめちゃ遠いですよ。前はパンクラスの選手とパンクラスのチャンピオンっていう間柄でしたけど、プロレスラーとして向こうの方が何十、何百、何億倍も上ですから。でも、何があるかわからないっていうのはプロレス格闘技の世界では常なんで。
: プロレスの方をやるということで、ファンの人たちやこれまで応援してくれた人に対する気持ち、それと自分の中でプロレスに重点を置くという形になると思いますけど、それについての葛藤みたいなものはあったんでしょうか?
■ 佐藤光留:ファンの人ですが、佐藤光留ファンっていうのは本当に…何て言うんですかね、自分で言うのもなんですけど、一種独特の感覚を持ったファンの方が多いので、だからプロレスラーとして総合にずっと参戦している僕を応援してくれていたと思うので。だからプロレスラーになったからといって何も変わらない。ルールは違うし、これからは相手がどんどん違う人になっていくかもしれないですけど、そういう変化は見ていて面白いと思いますし、他のパンクラスも知らない、佐藤光留も知らない、メイド服はちょっと見たことはあるけど脛毛が気持ち悪い…って、それくらいの認識の人がこれから僕の試合を観てもらうことになるかもしれないですけど、もしかしたらそのときもう頭に蛍光灯が刺さっているかもしれない。それこそ凄い大きな舞台で、皆が知っている選手と試合をしているかもしれない。とにかく、これからも自分の可能性、何が起きるかもわからないっていうのには、自分自身もワクワクしていますね。葛藤とかマイナスなものじゃなくって、もっと前向きな、プラスのポジティブな可能性だと思っていますので、ファンの人も期待してもらえればと思います。
: いわゆるプロレスルールの練習はどこでされるんですか?
■ 佐藤光留:鈴木さんとの生活の毎日ですかね。どこに行くにも今は一緒なので。…て、今日早速いないんですけど。でも、そこでレスリングとは、プロレスとはって言うよりレスリングはどういうものなのかっていう。でも、「自分はプロレスに行きたいんですよね」と告白みたいなものをしてから、もっと鈴木さんとレスリングについて話す関係の土壌もできあがっていっているので。
: えらい蛍光灯に拘っていますけど、相当デスマッチをやる気になっていますね。
■ 佐藤光留:僕はパンクラスに入る前に、某老舗デスマッチ団体に履歴書を送ったことがあるんですよ。中学3年のときに。書類審査で落ちましたけど。で、仕方なく高校に行ってレスリングを始めて、美濃輪育久と出会い、美濃輪育久が誠ジムからパンクラスに移籍したのを見てパンクラスに入ろうと思った経緯の持ち主なので、いつまでたっても爆破とか電流とか蛍光灯とか、そういうものには少し興味があったりします。
: 総合と違う痛みを感じたい?
■ 佐藤光留:でも、総合もプロレスも体力と根性がないヤツはできないです。プロレスは年間何百試合もできるじゃんとか、総合は強ければいいんだろって互いに今言い合っていますけど、まあ今は一段楽しているかもしれないですけど、両方とも体力と根性がないヤツはできないです。
: 佐藤光留のもち肌が傷だらけになるんですね。
■ 佐藤光留:何を見とんねん!
■ 坂本常務:最後に、光留選手のためにというとアレですが、本来この会見は26日の後楽園以降にしようと思ったんですね。ismとして終えて、改めて4月になったら発表しようっていうのがあったんですけど、事前にやってしまうと心無い人間とか、もし負けたときの言い訳にとかそういうのがあるかなと思ったんですけど、本人の溢れるプロレスへの思いというか、早く3月10日に発表したいっていう、そういうのもあり…全然フォローになっていないですね。
■ 佐藤光留:にちゃんねるに書くなってことですね。
■ 坂本常務:いやいやいや、かまわないですよ。
■ 佐藤光留:書いていいんですか!?
■ 坂本常務:本人は非常に真面目に、前向きにプロレスというものを考えていて、正直今よりも厳しくなると思うんですね。パンクラスはプロレスの大会を開催するわけではないですから。よく言われるように、プロレスラーは一人で生きていかなければいけない、佐藤光留選手の魅力がないと声もかからないですし、そういう意味では今より厳しい環境にはなっていくと思いますけど、同じ会社の一員として頑張って欲しいなっていう気持ちで送り出したいと思います。
■ 佐藤光留:(笑)
■ 坂本常務:悩んでいたときも断片的にはありますが、なんて言うんでしょう…こうしてismを離れるにも本人はなんの感慨もないでしょうけど、ちなみに離れた日はですね、日本記念日委員会が認定していない3月10日、佐藤の日をもって離れたということで、すでに離れたとさせていただきます。3月10日付で佐藤選手はismを離れた、ということになります。では、あとは光留選手の方から20分語っていただきます。
■ 佐藤光留:本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。先ほど坂本さんの方から話がございましたように、パンクラスismを離れて活動していくことになりました佐藤光留です。今までパンクラスにいて、本をただせばパンクラス横浜道場という名前で、佐藤光留というリングネームで活動してきましたが、3月10日をもちましてismを離れることになりました。なんですが、新しい移籍先というのも決まっていまして、実はもうそのプレートがここに出来上がっているんですけど、パンクラスismからパンクラスMISSIONのほうに新しく移ることになりました。3月10日からはパンクラスMISSIONの佐藤光留として、これから活動していきます。もちろんパンクラスの名前がついているので、パンクラスの所属選手として頑張ります。あんまり細かいところは、大きくは変わらないんですけど、MISSIONに移ったからには3月10日のガジエフ・アマディン戦を最初の、一つめのMISSIONとして、必ず任務遂行を目指して頑張ります。宜しくお願いします。
: なぜMISSIONに移ったんですか?ismのままでは都合が悪いことがあったんですか?
■ 佐藤光留:都合が悪いということはなかったんですけど、もちろんMISSIONで一つ見えてくるのはプロレスという選択肢ですね。自分の中ではパンクラスの中でやっているグローブをつけてロシア人と殴りあうというのもプロレスというカテゴリの中の総合格闘技と、プロレスの中の一つのジャンルとして認識していたんですけど、残念ながら…というか、世間が総合格闘技ブームということで、プロレスが衰退していると言われる。もう、まったく別ジャンルの話として進んでいく世の中にこの何年かになりまして、それこそ今の総合格闘技の礎を作ったのは間違いなくパンクラスと『修斗』さんだと思うので、その二つと別のものが出てきて大きな力を持って他の人に認識されていく中で、どんどん総合格闘技のパンクラスと『修斗』が作ってきた価値がずれ始めたんですね。そこで、テレビで色々やっている、今度の土曜日に大きな大連立の大会とかあるんですけど、その価値観の中に自分が照らしあわされるのが凄い苦痛で。もっと僕のやりたいものっていうのは広く可能性を探りたいと思ったので、その一つとしていわゆるプロレスルールですね。プロレスと格闘技を分けていないので、総合格闘技ルールのプロレスじゃなくて、プロレスルールの中のプロレスをしていこうと思いまして、そこでまず鈴木みのるさんのところに話をして、MISSIONに移ることになりました。なので、これからはプロレスルール、一般に言われているプロレスをしていくことになると思います。
: どこか参戦したい団体とかありますか?
■ 佐藤光留:たくさんあるんですけど、まずこれって言うのはもしかしたら近々皆さんが見ることになるかもしれないので、それはいえないんですけど、自分がこれからやりたいプロレスっていうのは…何て言うんですかね。僕はパンクラスの中では一際異端児と呼ばれてきたんですけど、世の中になぞらえない、自分だけの価値は何なのか?って言い続けてきたつもりなんですけど、どうもその手法がメイド服なので伝わり辛かったと。なので、これからは色んな人に観てもらうために、色んなルールのプロレスに参戦したいと思います。例えばですけど、デスマッチだったりとか、それこそ総合格闘技のルールに準じたプロレスも続けていきます。
: メイド服キャラは続行なんですか?それとも、これを機にもういい加減卒業させてくれということですか?
■ 坂本常務:いい加減?
■ 佐藤光留:いい加減なんですか?
: (笑)
■ 佐藤光留:だいぶ飽きられましたか?
: そんなことは(笑)
■ 佐藤光留:本当に嬉しい話で、先ほども取材が一件あったんですけど、必ずメイド服を着てきてくれ、と。鈴木さんの方にも「裸になったお前に価値はないよ」と言われました…何笑っているんですか。ただ、これからは総合格闘技の中でメイド服を着ていると山本"KID"選手に「半殺しにして来い」と言われたこともありますが、プロレスに行くともっと色んな反応があると思いますけど、状況に応じて、もしかしたらメイド服よりももっと凄い危ないものが出てくるかもしれないです。その可能性は無限大です。
: 戦ってみたい選手や興味のある選手はいますか?
■ 佐藤光留:全員ですね。それこそ、ピンからキリまでって言うと、自分はそのキリの方なんですけど、ピンの方の選手にも興味はありますし、自分よりキリの選手にも大変興味はあります。
: 鈴木選手から温かい激励のようなものはありましたか?
■ 佐藤光留:鈴木さんに「自分はプロレスをやって可能性を広げたいです」という話を最初にしたときに、僕からは一言も言っていないのに「俺とお前は絶対に仕事しないから」と念を押されまして。自分が「タッグを組みたいんです」とか言ったならわかるんですけど、何にもいってないのに「俺はお前とは仕事をしない」って温かいアドバイスをいただきました。
■ 坂本常務:会社の方には「3年間メキシコに飛ばしてやってくれ」と。もしかしたら3月26日以降まったく姿を現さない選手になるかもしれないです。
: もしかしたらそのまま消えちゃうような?
■ 坂本常務:はい。日本では。
■ 佐藤光留:実話ですから。「佐藤、メキシコ行かねぇ?」って。
: 海外マットは実際いかがですか?体格とか合うと思うんですけど。
■ 佐藤光留:元々、それこそ『DEEP』でエレクトロ・ショックと試合をしたのも、自分がルチャリブレが好きだったのに、ソラールとドス・カラスと反則攻撃を繰り返して自分が憧れていたルチャリブレを崩されたことが原因だったので、今度はこっちが向こうのルールに乗り込むっていうのも選択肢としてはありです。
■ 坂本常務:ソラールと対戦しにメキシコに行くってのは?
■ 佐藤光留:僕がソラールと対戦できる位置に行くまで彼は生きているんですか?けっこうお爺ちゃんですよ。
■ 坂本常務:3月26日の試合ですが、ライガー選手に次ぐマスクで試合をします。
■ 佐藤光留:…嘘です。…移籍会見なので、もう少し硬い感じで。
■ 坂本常務:はい。
: 総合ルールでの試合はこれまでより頻度は少なくなるっていうことですか?
■ 佐藤光留:頻度が少ないって言っても、総合界の中でもたくさん試合をしているほうでも年に総合ルールで5試合っていうことなんで、減ったっていっても他の人と変わらないかもしれないです。ただ、プロレスに専念っていう訳ではないですが、パンクラスMISSIONに移った佐藤光留に総合のオファーをかけてくる酔狂な団体がどれくらいあるかっていうことですね。…皆さんなんか頷かれていますが。ただ、神出鬼没的にどこかに出てくるかもしれないです。それこそ、こないだのミルコ・クロコップの対戦相手を公募なんて、逆に立候補しやすくなったかと思います。それくらいに捉えています。
: ご自分としては総合とプロレスはどのように区分わけされていますか?
■ 佐藤光留:正直まだどちらも半人前もいかないくらいなんで、それこそプロレスのルールの試合なんてやったこともないですから。どっちになるかもわからないです。自分の中の価値観はまったくプロレスも総合も変わらないものなんで。何をやってる、プロレスをやっているからプロレスラーなのか、総合をやっているから総合格闘家なのか。その辺を永遠のテーマとしてやっていきたいです。ジョシュ・バーネットにいたっては、「両立しているのは俺だけだ」って言っていたんで。それを見てカチンっとは来ましたね。
■ 坂本常務:基本的にはプロレスっていっても、じゃあ明日からロープワークができるわけではないと思うので、会社としてはやっぱり、本人もそうなんですけどまずは専念してもらいます。
■ 佐藤光留:総合の試合は3月26日以降はしばらくは見れないと思います。
: 目指すファイトスタイルはありますか?
■ 佐藤光留:メイドファイトです。…大丈夫ですか?今ので。
■ 坂本常務:…タックルからのパウンドです。
: この件に関して鈴木さん、ismの仲間たちからはどのような話がありましたか?
■ 佐藤光留:「あ、そうですか」って感じですね。本当にそんな感じで。ただ、これからもismの練習に参加して強さを求めていくことには変わりはないので、その辺の確認はしました。正直、ismにいたって言っても、ismのみんなで媒体に取り上げられるっていうよりも、メイド服を着たおかしな人って取り上げられることが多かったので、仕事としては完全に昔から一人MISSIONみたいなものでしたので、快く送り出してくれたといえば自分の認識として嬉しいですし、皆からすればism興行の黒星が一つ減ったくらいにしか思ってないかもしれないですね(笑)。でも、僕らの中で誰が嫌だから辞めるっていうわけではないので。名前は違いますが、みんな大切な仲間なので。
: プロレスのルールでやろうって思い始めたのはいつぐらいからですか?
■ 佐藤光留:いつだったかな…。「いつだったかな」って言うくらい昔です。
: 以前にプロレスの方と総合のルールで試合をして、プロレスをやっていないのにプロレスラーを名乗るなっていうようなことを言われましたよね。そういうことも影響はありましたか?
■ 佐藤光留:そうですね…ないっていうことはなかったですね。それがきっかけっていうわけじゃないですけど。ただ、自分の一つの大きなきっかけとして、12月のジョシュ・バーネット戦がありまして。デビューしたときはああなりたい、こうなりたいってもちろんありましたが、いつの間にかパンクラスに出られなくなって、DEMOLITIONで「このトーナメント優勝しないともう使えないよ」って言われ、必死になって優勝してジョシュとやりたいって言ったのがもう4年…5年位前ですかね、ずっとジョシュ・バーネットがついて回って。いざジョシュに触れてみたらその強さはもう言葉では言い表せない、やった者にしかわからないんですけど、本当にそういうものだったんですね。それを見たときに、ジョシュに勝つにはどうやればいいんだろうな、って考えたときに、「パンクラスルールで蛍光灯を使ったら怒られるな…」って、本当に思ったんですね。「イスで殴っても5秒間ならOKなんだよな」って思って。幸いジョシュ・バーネットって『IGF』さんとかプロレス団体に出ているんで、そういうのも選択肢であるんじゃないかな、と。それで傾倒していったのは本当の話で。
: 当面の目標はジョシュ・バーネットを追いかけていく?
■ 佐藤光留:…遠いですよ『IGF』のメインイベンターですからね。プロレスの試合僕は一試合もやっていないので。めちゃめちゃ遠いですよ。前はパンクラスの選手とパンクラスのチャンピオンっていう間柄でしたけど、プロレスラーとして向こうの方が何十、何百、何億倍も上ですから。でも、何があるかわからないっていうのはプロレス格闘技の世界では常なんで。
: プロレスの方をやるということで、ファンの人たちやこれまで応援してくれた人に対する気持ち、それと自分の中でプロレスに重点を置くという形になると思いますけど、それについての葛藤みたいなものはあったんでしょうか?
■ 佐藤光留:ファンの人ですが、佐藤光留ファンっていうのは本当に…何て言うんですかね、自分で言うのもなんですけど、一種独特の感覚を持ったファンの方が多いので、だからプロレスラーとして総合にずっと参戦している僕を応援してくれていたと思うので。だからプロレスラーになったからといって何も変わらない。ルールは違うし、これからは相手がどんどん違う人になっていくかもしれないですけど、そういう変化は見ていて面白いと思いますし、他のパンクラスも知らない、佐藤光留も知らない、メイド服はちょっと見たことはあるけど脛毛が気持ち悪い…って、それくらいの認識の人がこれから僕の試合を観てもらうことになるかもしれないですけど、もしかしたらそのときもう頭に蛍光灯が刺さっているかもしれない。それこそ凄い大きな舞台で、皆が知っている選手と試合をしているかもしれない。とにかく、これからも自分の可能性、何が起きるかもわからないっていうのには、自分自身もワクワクしていますね。葛藤とかマイナスなものじゃなくって、もっと前向きな、プラスのポジティブな可能性だと思っていますので、ファンの人も期待してもらえればと思います。
: いわゆるプロレスルールの練習はどこでされるんですか?
■ 佐藤光留:鈴木さんとの生活の毎日ですかね。どこに行くにも今は一緒なので。…て、今日早速いないんですけど。でも、そこでレスリングとは、プロレスとはって言うよりレスリングはどういうものなのかっていう。でも、「自分はプロレスに行きたいんですよね」と告白みたいなものをしてから、もっと鈴木さんとレスリングについて話す関係の土壌もできあがっていっているので。
: えらい蛍光灯に拘っていますけど、相当デスマッチをやる気になっていますね。
■ 佐藤光留:僕はパンクラスに入る前に、某老舗デスマッチ団体に履歴書を送ったことがあるんですよ。中学3年のときに。書類審査で落ちましたけど。で、仕方なく高校に行ってレスリングを始めて、美濃輪育久と出会い、美濃輪育久が誠ジムからパンクラスに移籍したのを見てパンクラスに入ろうと思った経緯の持ち主なので、いつまでたっても爆破とか電流とか蛍光灯とか、そういうものには少し興味があったりします。
: 総合と違う痛みを感じたい?
■ 佐藤光留:でも、総合もプロレスも体力と根性がないヤツはできないです。プロレスは年間何百試合もできるじゃんとか、総合は強ければいいんだろって互いに今言い合っていますけど、まあ今は一段楽しているかもしれないですけど、両方とも体力と根性がないヤツはできないです。
: 佐藤光留のもち肌が傷だらけになるんですね。
■ 佐藤光留:何を見とんねん!
■ 坂本常務:最後に、光留選手のためにというとアレですが、本来この会見は26日の後楽園以降にしようと思ったんですね。ismとして終えて、改めて4月になったら発表しようっていうのがあったんですけど、事前にやってしまうと心無い人間とか、もし負けたときの言い訳にとかそういうのがあるかなと思ったんですけど、本人の溢れるプロレスへの思いというか、早く3月10日に発表したいっていう、そういうのもあり…全然フォローになっていないですね。
■ 佐藤光留:にちゃんねるに書くなってことですね。
■ 坂本常務:いやいやいや、かまわないですよ。
■ 佐藤光留:書いていいんですか!?
■ 坂本常務:本人は非常に真面目に、前向きにプロレスというものを考えていて、正直今よりも厳しくなると思うんですね。パンクラスはプロレスの大会を開催するわけではないですから。よく言われるように、プロレスラーは一人で生きていかなければいけない、佐藤光留選手の魅力がないと声もかからないですし、そういう意味では今より厳しい環境にはなっていくと思いますけど、同じ会社の一員として頑張って欲しいなっていう気持ちで送り出したいと思います。