PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.9.14 日本武道館

セミファイナル ランキング戦 20分1本勝負
  • 船木誠勝
  • vs
  • セーム・シュルト
×船木誠勝(7分13秒、KO)セーム・シュルト○

シュルト選手は前回のメッツァ-選手戦も含めて何となくパンクラスの闘い方のこつを掴んだことと自分が勝つ為に向けてのファイティングスタイルを何となく自分の中に持ててきたというかんは否めないでしょうね。ですから落ち着いて試合をするようになってきました。

テ-クダウンをとられたりするとちょっと目がいろいろ細かく動いたり考えて何かをするというようなところが見受けられたんですが今回はですね船木選手の方が考え考え、試合を運ぼうというところが見受けられた感じでした。

船木選手としてはシュルト選手の左の掌打とリ-ドの蹴り、左の足をすごく気にしていました。それを気にしているとそれだけ内側から低く入ろうとするとカウンタ-で右の膝が待っているという、もうこの右で何人もが今年リングに沈んでいるこの膝もたいへん注意しなければいけないという形で船木選手はどこからシュルト選手の攻撃を破っていこうかと、攻撃網を突破していこうかと、ちょっと迷いが見えたんではないかなと。それからちょっと立つ位置が中途半端の様な位置に立ってしまった様な気がしましたね。

なんと言っても序盤、開始早々いいリ-ドが船木選手のおでこをとらえたんですね。パシ-ンと。それで何というか二人の間合いがこうシュルト選手側ちょっと傾き試合が流れたと言うような感じだと思いますよ。あと軽く蹴っているように見えるんですが、あの足の長さと、手の長さとで本当に軽く左のロ-なんて軽くあわせてるんですよ。何ですがやはり重いですよね。

船木選手もしっかりガ-ドしてるつもりなんですが足もはじかれてしまいますしね。顔面のダメ-ジとそれからボディ-のダメ-ジがこう注目されてしまいますが以外にロ-キックの右足のダメ-ジも大きかったんですね。

船木選手さすがだと思うのはダウンしても冷静で、自分の呼吸を整えて、目がとんだり、うつろになったりしない段階でしっかり立ち上がって来ていましたし、試合運びとしましては何とか工夫しようなんとかしようというやはり二回も王者になり、ベルトを巻いてる男だけに、何とかしようという姿勢というのが感じられました。最後まで試合をあきらめない、2ポイント取られても、ギブアップをとればいいんだというその強い姿勢がさすが元キングだなといったところが見受けられましたね。

ですから何とかテ-クダウンをとって、グラウンドで勝負をかけたかったんですが、シュルト選手もグラウンドをすごく勉強してると思うんですよね。船木選手のグラウンドのポジションを返しましたからね。ですからそういうところでは船木選手もややあせりもあったし、シュルト選手も技術的に向上してるということで、船木選手が勝ちを落としたのではなくてシュルト選手が勝ちをとったんだという実力というものはきちんとみてあげなくてはいけません。

いつまでも船木選手がとりこぼしたんだとか、鈴木選手が取りこぼしたとか、そんな事をいってたらやはりいけないと思います。パンクラスのリングでは勝った者が実力があるんだと、素直にとってあげなきゃいけないと思います。ですから勝者セ-ム・シュルト選手、船木選手に2回負けたことを糧にいままで練習してきただけに勝利を得たんだと思いますし、試合が終わって勝者が決まった瞬間にシュルト選手が珍しくガッツポ-ズをとりました。それがやはり一生懸命パンクラスのリングでトップをとるんだというところで努力してる結果で、そういうところをお客さんはみてあげて欲しいと思います。船木選手が取りこぼしたのではなく、シュルト選手が勝ち取ったんだということです。

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