PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.10.26 後楽園ホール

第4試合 10分1本勝負
  • 鈴木みのる
  • vs
  • オマー・ブイシェ
×鈴木みのる(0分45秒、チョークスリーパー)オマー・ブイシェ○

ブイシェ選手の特徴というのは瞬発力があり、たいへんスピ-ディ-であるということとスピ-ディ-であるがゆえに、通常身体のバランス、動きのバランス自体が乱れる事が多いのですが、ブイシェ選手の場合はバランスのキ-プ力もたいへんあります。ですから懸念されていたのは僕はスタミナだったと思います。

そういう部分ではこの45秒チョ-クでギブアップ勝ちをおさめたというのは、本当にブイシェ選手の良いところだけが光った様なファイトに一般的には映ってしまった、そんな印象に残る試合なんですが、逆に言うと鈴木選手は今回試合の1週間程前に左肘を練習でちょっと痛めまして、それが何とか動かせる状況での試合でした。

たいへん素早いブイシェ選手のスピンキックで試合が始まったわけですが普通ですとそれで後込みしてしまったり、ちょっと余計相手をみるということになってしまうんですが、さすが鈴木選手そこはもうちゃんと見切っていたという形でそのままスタンディングで組んで半ば強引と思える様な首投げでテ-クダウンを取って行きます。そのへんはさすが鈴木選手だなという滑り出しでした。何ですが、ここでアンラッキ-な事に半ば強引に投げに行った為に、投げに行った腕がグラウンドで中途半端にはずれてしまいます。

その為に上になってグラウンドに入ったはずなんですが、掛けた腕がはずれてしまった為に逆に不利な展開に入ってしまいました。その辺がちょっと鈴木選手としては攻めに行ったが為の、調子が良かった部分もあって強引に攻めに行った為に逆にイレギュラ-的なハンディキャップをおうポジショニングに成ってしまったという部分、そこからの展開で痛めた肘が闘いのなかでちょっと再び痛めた様な感じに成ってしまったような形ですね。その痛みに一瞬身が止まった所で上手く首にスポンと腕が入っちゃったという形だったと思います。

いずれにしても今パンクラスの選手でチャンスカ-ドをひけば、ほぼ完璧に100%の形で勝利を手にする選手しかリングに上がっていません。ファ-ストカ-ドでラッキ-カ-ドを引けば必ずそれが得点に成るというのが今はもうパンクラスのリングにあがっている選手の絶対条件なんですよ。野球でいう打ち損じみたいな形には成らないですから、来たものは必ずきちんと打ち返す、安打にするんだという形で仕事をするのがパンクラシストの大前提に成ってますから、45秒の早い時点でアンラッキ-な形にはまってしまったというそんな試合だったと思います。

鈴木選手ファンの方たちはそんなに心配することはないと思います。敢えて自分から豪快に攻めに行っての、なんといいますかリタ-ンエ-スを取られてしまった様なそういう形だと思いますから、鈴木選手ファンの方たちはそんなに心配することはない試合だと思います。ただ45秒の久々の秒殺という形でブイシェ選手は株を上げました。もともとポテンシャルの高い選手ですからますます外国人選手から目が離せないですから、日本人選手も頑張らなくてはいけないといった所だと思います。

PANCRASE CHRONICLE | パンクラス年代記
point of view