柳澤選手はランキング5位ではあるんですが、今回はちょっと闘いのビジョンというものがうかがいしれる前にタナ-選手にしとめられてしまったということですね。先にも話ましたが今のパンクラスのリングの上では渋谷選手vs鈴木選手の試合の様に絶対に自分から下にならないという事。それから出来るだけ相手を投げて良いポジションで先手を取って行く事。パンクラスの闘いでは一つのビジョンの流れがきちんと出来始めているんです。
それがこの後のノ-ル-ルの試合にはっきりとした裏付けとして、はっきり色づけされて出てきます。その部分からいうと、ちょっと柳澤選手は自分から簡単に下になっていったり淡泊な部分がちょっと見られるんですよ。ですからそれがタナ-選手得意の十八番肩固めの付け入る隙を作ってしまったとい形だと思います。柳澤選手ちょっと作戦失敗というか、自分の闘い方、ビジョンというものをきちんと確立して、それに相手を引きずりこむような闘い方をして欲しい、そんな課題の残る'98年最後の試合だった様な気がします。
しかしその隙を掴んだら絶対最後まで持っていくタナ-選手やはりベルトの数が裏うちするだけの実力者だと思います。ぱっと来たものを、ぱっと簡単に捕まえて、ぱっと極めてしまう為に何か拍子抜けしてしまったり、観る側の方が伝わって来にくい事があると思うんですが、いやいやどうしてその実力たるや物静かな折り目正しい良い選手ですから伝わりにくいと思うんですが1999年はタナ-選手から目が離せないそんな選手だということが伝わってくる試合だったと思います。台風の目になるでしょう。