ホ-ン選手はたいへん実力者だと思いました。練習の段階からかなり試合馴れもしてますし、細かいところ要するに組んだところの距離からしっかり肘なり膝なりパンチなりというものをきちんとだすことを身に付けている選手です。ですからノ-ル-ル系ではやはりずいぶん闘い馴れている選手だということ。軟らかい身体から185cm身長があるんですが柔軟な体勢からおもいきりの良い技を繰り出してくる本当に恐ろしい選手だなというのが試合前印象的でした。
やはり試合もそういうパタ-ンだったんですが、ここで山宮選手の最大の特徴である立ち上がりの打撃とタックルというものの融合というものがこの'98年の一つの課題としてかなり消化してきたこと。それが充分伝わってくる立ち上がりの立ち合いで山宮選手マウントポジションをとって15分間それをしのぎきった試合でした。
ただ下からのホ-ン選手の肘というのはたいへん恐い攻撃だったと思います。4、5回ちょっと間違えば出血というような切れ味の鋭い肘が山宮選手を襲っていましたが気後れせずしっかりねちっこく自分のやるべきことをやってのドロ-だったと思います。
私がレフェリーをしましたが、この試合、次の試合に関しましてはドロ-だったんですが、両者が勝者だよという”BOTH ARE WINNER”という言葉を単独でいきなり使わせてもらいましたが、要するに引き分けという言葉ではなくてお互い命を賭けてリングに上がってきてそれで負けなかったわけですから、私は両者が勝ったという意味と尊敬を加えてドロ-という言葉を使いたくなかったものですからそういう言葉を加えて両者の手を上げたんですが、山宮選手やはりそうとう自分で心に記した事があったんでしょう。 それが上手くいかなかったという事もあって手をふりほどかれてしまいましたが、そういう意味で私は山宮選手の心の中の強さというものをあらためて感じました。この日のということではなく、この日にかける山宮選手の人となりというものを強く感じたそんな試合でした。