PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.12.19 東京ベイNKホール

第6試合 ノールールスペシャルマッチ 15分1本勝負
  • 渡部謙吾
  • vs
  • ジョン・ローバー
△渡部謙吾(15分00秒、時間切れドロー)ジョン・ローバー△

この試合仕掛けたのはロ-バ-選手。立ち上がりテ-クダウンから肩がためという形でかなり速い展開での勝負にでました。これは逆に言うと今までの渡部選手の試合を見てのスタンディングでの打撃というものをかなり嫌っていた部分はうかがえると思います。そういう意味で早くくっついて、早く倒して、早く側面からパンチの飛んで来ない角度から極めようというロ-バ-選手狙っていたパタ-ンだったと思うんですね。

試合前身体も絞りこんで来てまして調子も良かったと思います。逆に右臑にひかるパンクラスのマ-ク、入れ墨というのもパンクラスそしてそのル-ルを認めての今回はノ-ル-ルの試合ということで凄く嬉しかったですね。ノ-ル-ル派からパンクラスを認めてまたノ-ル-ルの試合に出るんだという、なんかこう一皮剥けたロ-バ-選手というのがそこにいました。

渡部選手はデビュ-から3連敗なんですが臆する事無くやはり自分から出ていったという事だったんですね。ただここで渡部選手、今だから言えるんですが、試合前1週間を切った状態で左のハムストリング筋とひふく筋、要するに脚の裏側に肉離れを起こしてしまいました。同時に練習中のヒ-ルホ-ルドで足首、膝をちょっと痛めてしまいました。ですから簡単な練習が再開出来たのが試合の3日前位に痛みが有る程度とれて、プ-ルの中とかで軽いウォ-キングならOKという様な状態での試合参戦でした。

前日廣戸道場で治療した時に今まで練習したことが出来るかどうかということで初めてぽろっと弱気になったところを見せたんですが当日になって己の事を信ぜよというアドバイスをしっかり聞いてくれたようで肩固めの不利な体勢から持ち直して逆に終始マウントポジションから、操縦する高橋セコンドからの命令を忠実に聞きながらロ-バ-選手を圧倒してしまいました。ロ-バ-選手が試合中に諦めた表情をみせたのは私は初めてみました。それぐらい渡部選手試合を優位に進めたんだなということですね。

こういうことで自分の打撃なりマウントでとりあえず相手を翻弄する逃げられないようにコントロ-ルするという事に自信を得て来るとますますパンクラスの本道としてのパンクラスル-ルの闘いもいろんな事で期待出来ると思いますから今年デビュ-した新人がいい意味での手応えを感じたそんな試合だったと思います。

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