PANCRASE 1998 ADVANCE TOUR 1998.12.19 東京ベイNKホール

第7試合 ノールールスペシャルマッチ 30分1本勝負
  • 船木誠勝
  • vs
  • ジョン・レンケン
○船木誠勝(5分50秒、ギブアップ)ジョン・レンケン×

レンケン選手は小柄なんですが、実にやはり経験豊富な技の引き出しの多い柔術の選手という印象をうけました。練習でもかなり豊富な関節の取り方をスパ-リングの中で駆使していましたのでこれは船木選手も一手掛け間違うと危ないぞという、そんな選手だったと思います。

この試合は5分50秒船木選手のマウントパンチによるギブアップ勝利という結果になりました。試合を振り返ってみますと先の2試合も含めてスタンディングからきちっと打撃で相手にプレッシャ-をかけて、相手が恐がってタックルをしてきたところをきちんとすかしてテ-クダウンを取る、さてこれは何かというと第1回のアルティメットの時にグレ-シ-軍団が行った作戦ですね。その時は相手がぼ~としているところを、もしくは隙のあるスタンディングの形から虚をついてタックルをしてマウントポジションをとって優位に進めるという、その展開を1手先を行ってタックルを取りに来る者をきちんと受けとめる、もしくは差し返す、 もしくはテイクダウンを切って潰していくという形で、優位な形でマウントを取っていくという柔術からまた一つ進化したテ-クダウンの取り方というもの、それからテ-クダウンを取ったらそれをきちんとホ-ルドしていつ何をすべきかという事をしっかり認識して闘っているというところでの進化した形というものをノ-ル-ルの中でも見せてくれたそんな試合だったと思います。

そのなかで私は今回船木選手に与えたキ-ワ-ドはコンビネ-ションなりなんなりの技におごるなと、目についたところを殴る、目についたものを取って壊すという本能に忠実になりましょうと、頭で闘うのではなく本能で闘うんだと、ノ-ル-ルなんだよこの試合はという事。そんな様な事で無傷で帰って来るなと、肉を切って骨を断つという気持ちで無ければ勝負は臨めないんだぞというところでの思いっきりの良さというのがこの試合を決めたと思います。チャンスと思えば畳み込んで行くというその勇気がやはり山宮選手、渡部選手はその部分で船木選手が一つ頭出てますから、それが時間切れドロ-とギブアップを取ったというところの違いだった様な気がしますね。立派な試合だったと思います。

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