point of view/廣戸レフェリー全試合解説
：PANCRASE CHRONICLE | パンクラス年代記

PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR 1999.01.19　後楽園ホール

稲垣選手はタフな試合といいますか、粘り強くベテランらしい闘いぶりといいますか、そういう点ではバックボ－ンもロ－キックなりなんなりというもの、打撃というものもかなりバランスよく放てるようになって来ました。バックボ－ンがしっかりしてきているんですが、まだ自分がどういう形で相手をおとしめるかという、攻めるというところからもう一つ自分の範疇にしっかりゲット出来る様な自分のフィニッシュホ－ルドといいますか、そこまで繋げていきたい、そんな稲垣選手の闘いぶりだったと思います。

それは伊藤選手にも言えると思います。せっかくのスピ－ドとバランス感覚で稲垣選手を翻弄してテイクダウン、マウントを取っていけるんですが、伊藤選手の頭の中のビジョンといいますか、最終形態、何の為にこの状態にいるのか、この状態からは何と何を出せるのかという所を、もう少し絞り込んで闘っていけると伊藤選手としては殻がまた破れるといいますか、また快進撃をおこして行ける一つの重大な武器に成ると思うので、逆に器用でやりこなせてしまうから、闘いの焦点がぼけてしまってる、逆に絶対に技に固執するようなそんな練習の仕方とか、試合に臨む姿勢が欲しいですね。