PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR 1999.01.19 後楽園ホール

第5試合 15分1本勝負 ランキング戦
  • 渋谷修身
  • vs
  • リオン・ダイク
渋谷修身(15分00秒、判定ドロー)リオン・ダイク

まず、挑戦者のダイク選手ですが今回はちょっと左足小指を痛めてまして左キックがちょっと出しにくかった様な感じですね。ただ痛みとかそういう事ではなくて、やっぱり出すのがちょっと恐かったという形だと思います。ランキング戦なので大切にいったのかもしれませんね。

それから以前ダイク選手はW・シャムロック選手に試合中にヒ-ルホ-ルドで足を壊されてますから、うかつにその壊された方の足で蹴りを出しに行くというのはやはり恐いもんなんですね。そういう事もあって左足の蹴りを温存した形で、序盤は右足の蹴りで活路を見いだそうとしていたんですが、とはいえたいへん速く重い、会場をどっと湧かすだけの蹴りをいくつも渋谷選手にたたき込んでいました。

ただ、渋谷選手も懐深く冷静にそれをガ-ドしながらロ-キックで返していくというような感じでしたね。見応のあるスタンドの序盤だったと思います。そこから何はともあれ見事だったのは渋谷選手のタックル技術でした。低くテ-クダウンして、相手の懐に入ってそれを上手く肩に乗せながらひねってホイップさせながら自分の形でマウントを取っていく。終始それでグランドレスリングの展開まで有利に試合を進めていました。そういう点では渋谷選手やはりバックボ-ンがしっかりしてきたという形でしょう。その中の拮抗からア-ムロック。これは殆ど腕が返ってしまったのではないかというぐらいかなり完成度の高いア-ムロックでした。そこをパワ-で押し切って来た(ダイク選手が)ところから今度は腕ひしぎに移行してというところでの渋谷選手の勝負にかけていた一連の決め技が出たんですがダイク選手はそれをパワ-と身体の柔軟性といいますかそういうものでしのいで互角の闘いにもってきました。

逆に終盤になってきたところでマウントをとったダイク選手がノ-ル-ル系でもずいぶん鍛えられていると思うんですが、上からマウント掌打のいいものをいくつか渋谷選手の顔面にたたき込んで、結果的にテ-クダウンとア-ムロックの部分を帳消しにしてしまったドロ-という形ですね。ですからお互いに攻めきっていましたし、一歩間違えばそれでどちらでもダウンなりギブアップを取れていた試合だったと思いますから、たいへん見応えのある15分だったと思います。

アスリ-トの資質という意味でダイク選手は全盛期のルッテン選手に徐々に近づいているぞ、という感じですね。まだ年齢的にも若い20代前半ですから、一回ランクインしたら、これからますますかなり手強い選手になると思います。ダイク選手は私個人としては気に入っている選手なので、すごく期待したいですね。渋谷選手もこれは負けではないですから、充分ア-ムロック等でお客様にもアピ-ルが出来たと思いますから自信を深めてキングに向かって突き進んで欲しいですね。

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