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: 『Monthly interview』第4回にご登場いただくのは、最近、その独特のキャラクターがリング上で発揮されつつある、パンクラスismの佐藤光留選手です。パンクラスでは初の“メガネ"をかけての入場、颯爽と風に翻るマント、そして「何? この曲?」と思わせる、そのセレクトがちょっとマニアな一面をも覗かせる数々の入場曲など、佐藤光留を語る上で決して外せない、重要な3つのアイテムと、佐藤選手拘りの“足関節"についてお話を聞いてみたいと思います。よろしくお願いします。
■ 佐藤光留:ヨロシク哀愁〜。
: ・・・(笑)。早速ですが、入場曲は1月の後楽園ホール大会で使用した『サバンナ・チャンス』(Savachan Mega Mix)で、もう何曲目になります?
■ 佐藤光留:デビュー戦で使った曲(『メタルドラゴン』/2000年2月・梅田ステラホール)は、ブルース・リーの『死亡遊戯』のテーマ曲をアレンジしたものだったんですけど、あまりに普通で「佐藤も人の子か?」って言われてやめて、次(2000年4月・横浜)から『(星獣戦隊)ギンガマン』(の曲)になったんですよ。これはかなり長く使いましたね。それから翌年のネイサン・マーコート選手と試合をした大阪大会(2001年3月・なみはや)で、円 広志さんの『ハートスランプ二人ぼっち』。「何か面白いことしろよな」って言われて、大阪だったんで、そっちに走っちゃったんですよね(笑)。これ、関西地方の人だったら知らない人はいないんですけど。円 広志ベストアルバムを買いましたからね、このために(笑)。それからまた『ギンガマン』に戻ったんですけど、『真撃』(2001年8月・武道館)に出た時に、『ギンガマン』の曲が長いから、(リングに)バッって入れる曲をってことで、昔、川田利明選手が使ってた『ラストバトル』っていう、『バリバリ伝説』っていうアニメの曲を使ったんです。それからはその曲をずっと使って、冨宅さんと試合をした時(2002年5月・梅田ステラホール)に津軽三味線(『游-YUU-』上妻宏光)になって、7月に長崎で試合をした時(『Kushimaユs Fight2』)に、この前、1月の時のSammyさんの曲『サバンナ・チャンス』(Savachan Mega Mix)を使いましたね。初めて自分を観る人たちでも何か知ってる曲で、自分らしいのっていったら、Sammyさんのパチスロの曲だったんですよ。で、その後、10月(後楽園ホール)のVS山崎進戦で『仮面ライダー龍騎』の曲(『Alive A life』松本梨香)で入場したら、U-FILEの人もそれで入場してたってことでやめたんです。それで、1月(後楽園ホール)はどうしようかな?って思って、いろいろ候補はあったんですけど、あまり入場曲っぽくないやつで入場してみようと思って、且つ、Sammyさんへの拘り(笑)ってことで、あの曲になりました。
: あの〜、まずお聞きしたいのが、何故「人の子か?」って言われた後に『ギンガマン』だったのか?っていうことなんですけど。
■ 佐藤光留:デビュー戦の時の入場曲として2つ候補があって、カッコいい方を最初(デビュー戦)に選んじゃったんですよ、自分が。で、カッコいい方の曲(『メタルドラゴン』)で入場したら、「お前、人の子だな」「意外と普通だな」って言われて、こりゃいかんと思って(笑)。その時はそんなに意識しなかったんですけど、昔からそういうところがあって。それで『ギンガマン』にして、その大会の試合前のリハーサルで曲が会場に流れたら、みんな動きが止まって笑いが起きたんですよね(笑)。前奏だけで、まだ歌詞も流れてないのに、それだけで大笑いになっちゃったっていう。
: 『ギンガマン』って・・・。
■ 佐藤光留:主題歌じゃないところがポイントなんです。
: 番組を見てたんですか?
■ 佐藤光留:もう、全部見ましたよ。
: 放送してたのは佐藤選手が何歳くらいの時ですか?
■ 佐藤光留:この間(笑)。高校2年の終わりから、パンクラス入門の半年くらい前までやってましたね。全部見て、今でも全員のポーズができますよ。
: 『ギンガマン』ってちなみに何人なんですか?
■ 佐藤光留:5人と1人です。で、その1人っていうのは後から出てくる黒騎士ってやつで、レッドのお兄さんなんですよ。まぁ、最終的には仲間になるんですけど。
: お気に入りは?
■ 佐藤光留:ブルーです。照英さんですよ、照英。最初出た時は、あの〜、敵役かと思ったんですよ。ゴツいですから。今でこそあんな感じですけど、昔はセンター分けで前髪を上げてて。ギンガマンって馬で移動するんですけど、レッドが馬に乗って遠くの夕日を見ていたら、みんなが自分の馬を引いて近づいてくるんですけど、ブルーだけ2頭連れて来て。僕、その頃バイトやってて、仲間内でも体が大きかったんですけど、ギンガマンで一番体が大きいヤツがブルーだったんですよ。パワー系で。だからブルーには思い入れがあるし。今「照英が好き」っていう女の子とかいたら、「何言ってんだ、あんなギンガブルー」とかって言ってますよ(笑)。
: 自分が進む道として、そっちの役者さんになろうとかは考えなかったですか?
■ 佐藤光留:なかったですね。あくまでバイトでした。その世界も厳しいっていうのは知ってましたし。
: アルバイトっていうのは、そういう戦隊モノの・・・?
■ 佐藤光留:それもやってたし、あの〜、NHKのホントに2歳や3歳とかの子供を対象にした番組の振り付けもやってたし、アンパンマン体操とかもできますよ。
: それって高校生の時?
■ 佐藤光留:高校生の時です。
: 高校はアルバイトするのは良かったんですか?
■ 佐藤光留:OKです、全然。だからちゃんと届け出しましたよ。「これ何のアルバイト?」って聞かれたから、「着ぐるみショーです」って言いました(笑)。
: どういうところに惹かれてそのバイトを選んだんですか?(笑)
■ 佐藤光留:誰もやってなかったからですね。まぁ、何かバイトをはじめたかったんですよ。あの〜日曜日に時間があったんで、パチンコ行ってるのも何か違うな〜って思って(笑)。そういう時にいろいろ見てたら、まぁ、職場が家から近かったっていうのもあって。入ったら全然違うもんで、戸惑いもありましたけど、面白かったですよ。
: では、そのギンガマンの後に、わざわざベストアルバムを買った円 広志さんの曲、『ハートスランプ
二人ぼっち』なんですが、何故またこの曲を?
■ 佐藤光留:あの〜、関西ではすごい有名な曲なんですよ。『探偵ナイトスクープ』っていう番組で流れてて。あの番組をず〜っと視てたんですけど、関東で視れなくなったんですね、なかなか。で〜、あの曲が好きだったんで、全部聞きたいなって思ってCDを買ったんです。その曲だけ聴いてたんですけど。それで、当時は入場テーマ曲の(大会)当日変更はダメだったんですけど、「今日、僕のできることはこれだけなんです」って言って、説得してかけてもらいました。何故かCDを持ってたんですけど(笑)。大阪までの移動の時に聴いてました。大阪のなみはやドームだったんで、半分以上の人が大阪の人だっと思うんですけど、すごい笑いも起きたし、ザワついたんですよね。でも、関東から遠征して来た人は誰もわからなかったんですよ。「何なんだこれ?」っていう(笑)。まぁ、いきなり円 広志が歌ってる中で恐い顔をした坊主が出てくる訳じゃないですか? レガースはめて。それでその後がネイサン・マーコートでしょう? 「何なんだこのリングは?」って(笑)。
: 『ハートスランプ二人ぼっち』は1回きりですよね?
■ 佐藤光留:1回きりです。その後またギンガマンに戻って、それで『真撃』に出た時に『ラストバトル』に変えたんです。この曲は川田選手が使ってて有名な曲だったんで「どうかな〜?」って思ったんですけど、今はもう知らないだろうってことで。(曲が)始まってから入るまでがすごい早いんですよ。どうせ若手がカッコつけて長々入場したって、真撃を観に来た人に何がわかるんだろうと思って。だったら若手らしさを、パリパリ感を出したかったんですよね。バッて鳴ってバッてダッシュで入って、テレビカメラが追いつかないぐらい速く入ってやろうと思って。そうしたらこの曲だったっていう。暫く使いましたね。それで、真撃の会場で「これ、ラストバトルだよっ!」って気付いた人がいたんですけど、今、その人がP'sLABに入ってますからね(笑)。横浜の方に。
: 何試合ぐらい使いました?
■ 佐藤光留:真撃、・・・3試合? 意外と使ってねぇな。結構、思い入れがあったんですけどね。3試合ですね。
: その後が冨宅選手との試合での津軽三味線ですよね? これまた何故大阪で津軽三味線だったんですか?
■ 佐藤光留:「こりゃいかん」って思いましたね(笑)。どうせね、誰も僕の入場曲なんか聴いてねぇよって思ったんですよ。だったらこう、今のうちにいろいろやっとこうって思って。一度は入りたかった津軽三味線。
: あの曲はどこで聴いた曲だったんですか?
■ 佐藤光留:『ニュースステーション』で聴いて・・・。
: 演奏者が有名な方ですか?
■ 佐藤光留:あの〜、ちょっと前に車のCMで、金髪で三味線弾いてた人です。「伝統芸能が・・・」っていう、あの人です。だからあの人のアルバム全部持ってますよ、好きなんで。道場でよく聴いてます。反感買いながら(笑)。
: では、その冨宅選手との大阪での試合の後が、7月、長崎での『Kushima's Fight2』で、初めてSammyさんの曲だった訳ですが・・・?
■ 佐藤光留:あの〜、長崎の人が・・・知らない訳ですよ、僕なんか。パンクラスの佐藤光留なんて観るの初めてなんですよ。じゃぁ、どうやって憶えて帰ってもらおうかって考えたら、もう、派手にとかじゃなくて、ちょっと意外なところからくすぐってみるみたいな。そんなにね、強い拘りはないんですよ。まぁ、拘りはあるんですけど、そんなに深い意味はないです。
: いや、でも、そこでSammyさんのパチンコ? パチスロ?の曲っていう方向にいったのがスゴイですよね。もともと、佐藤選手がパチンコやパチスロ好きっていうのがあったと思いますが、ホールでこの曲が流れた時に、この曲いいなって思ってたんですか?
■ 佐藤光留:この曲がいいなじゃなくて、この曲が流れてる時の出玉がいいなって(笑)。なかなか訪れないんですけど、それは。でも一度流れ出すと連チャンするんですよね。
: ちょっ、ちょっと待って下さい。これはホールで流れる曲じゃなくて、機種から流れる曲ですか?
■ 佐藤光留:機種から出る曲です。あの〜、イッキにSammyさんがメジャーなるきっかけになった機種で『獣王』ってあるんですけど、その中心となる出玉の時に流れる曲なんですよ。付加価値だけで出玉を増やすっていう初めての機種だったんです。パチンコ、パチスロ含めて。現在の、4号機っていうんですけど、その初めての機種だったんで、それでこう、みんなが興奮のルツボに入る訳ですよ。当然もう、ホールでもかかるし、機種からも流れるし、携帯の着メロにはもともと入ってるし(笑)。だから有名な曲だし、Sammyさんだし。きっと会場のお客さんも半分ぐらいは知ってたかなって。入ったら、口を空けてポカーンとしていたお客さんもいましたよ(笑)。「な〜んだコイツ?」って、その時点でしてやったりでしたね。特に長崎っていう、ホントに誰も自分を知らないところにポンって出て行って、初めて観る人に憶えてもらうにはどうしたらいいかなって考えた時に思いついたのがそれでした。
: それだけインパクトを残した曲だったのに、その後の10月・後楽園ホールではまた別の曲、『仮面ライダー龍騎』の曲に変えたのは何故ですか?
■ 佐藤光留:久々に後楽園ホールだったんで、何かねぇかな?って思って。Sammyさんのにしようかなとも思ったんですけど、浮気心でカッコいい入場曲にしちゃったんですよ。て言っても仮面ライダー(笑)。あれもいろいろ言われましたね。急にファンの人が来て「応援してますんで」って言われて「ありがとうございます」って握手したら、「この間、龍騎の曲で入場しましたよね? 好きなんですか?」って言われて、「龍騎はオープニングだけ視たら寝るんですけど」って答えて。龍騎の前に放送してた番組、『ハリケンジャー』を視て、龍騎のオープニングだけを視てまた寝るんですけど、そうしたら「僕、ライダーはこうこう何号が良くて〜」って言われて。でも実は僕はあんまり仮面ライダーは好きじゃなかったんですよ(笑)。あの〜、バイトの中ではテクター系って言うんですけど、宇宙刑事とか仮面ライダーとかのプロテクター、テクター系のヤツにはあんまりカッコ良さを感じなくて、スーツ系のウルトラマンとか、戦隊モノの方が好きだったんで。だからまぁ、仮面ライダーの冠をかぶった佐藤光留は、今思い出してもちょっとアレだなって思いますね。
: アレだなって言うのは?
■ 佐藤光留:微妙。ホントの自分じゃないような気がする(笑)。
: 『仮面ライダー龍騎』は近藤選手が好きですよね? 何か言われました?
■ 佐藤光留:いや、試合前に道場でこの曲を流してたら、近藤さんに「これ、龍騎じゃない?」って言われて、「はい、今度これで入場します」って言ったら、「マジで? 佐藤ならいいよ」って(笑)。
: お墨付きですね(笑)。
■ 佐藤光留:お墨付きですよ(笑)。でも試合後は特に何も言われなかったですけどね。
: では、その近藤選手お墨付きの『仮面ライダー龍騎』だったんですが、微妙な感じで納得できないまま終わって。その後、何故また昨年7月の長崎で使用したSammyさんの曲、『サバンナ・チャンス』を使うようになったんですか?
■ 佐藤光留:何でだろう?(笑)。でも、たぶんこれからはずっとアレですよ。根底に「どうせ誰もオレの入場曲なんか聴いてねぇよ」っていうのがあるんですよ。だったらもう、ここでSammyさんを流して、心のシイタケばら撒いて入場しない手はない。あの〜、鈴木さんに言われましたね。「お前、次(1月)の入場曲、また仮面ライダー?」って聞かれたんで、「いえ、今度、Sammyの『サバンナ・チャンス』です」って言ったら、「『サバンナ・チャンス』って言ったらアレ? マジかよ〜。お前何試合目だっけ?」「2試合目です」。その時、大石(幸史)も一緒にいたんですけど、鈴木さんが大石に「お前、何試合目だっけ?」って聞いて、大石が「4試合目です」って答えたら、鈴木さんが「ごめん、佐藤の試合の後、オレ、いないかも知れない」って(笑)。「もしかして、これ?」って鈴木さんの携帯の中に着メロがちゃんと入ってて(笑)。僕の携帯の中には3種類のアレがありますからね。違うところの。それぐらい有名な曲なんですよ。
: それはアレンジとかが違うんですか?
■ 佐藤光留:アレンジというか、いろんな会社の、例えばSammyさんのホームページからダウンロードしたものとか、パチンコ雑誌のホームページからダウンロードしたものもあるし。まぁ、あのテーマ曲らしくないところがまた良いんですよね。
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