ちょっと話は変わりますが、尾崎社長は以前から全方位外交を口にしてらっしゃいました。その中に新日本プロレスという外交先は、いつ頃からあったんでしょうか?
一昨年ぐらいからですね。2年・・・でいいのかな。それまではそういう流れはありませんでしたよね。プロレスはプロレス、総合格闘技は総合格闘技っていう括りの中で試合をやってましたから。ただそれが、鈴木VS佐々木健介戦、その前には対抗戦とあったわけです。パンクラスと新日本さんとの対抗戦っていうのが、前に挙がってたんですね。結局は駄目になりましたけど、そこから新日本さんとの接点が出来てきましたね。新日本さんは、『PRIDE』とか総合格闘技にも出て行き出してましたし、「あっ・・・(一緒に)出来るかな?」って思い出したのが一昨年、いや、去年の話ですね。鈴木VSライガー戦のずいぶん前ですけど。3年前には無かった流れなんですよ。でも2年前からは新日本さんとは出来るって感じでしたね。僕の全方位外交の中には蓋をしていた、蓋をされなきゃいけなかった部分っていうのがあったんですね。ただ、それが良い形に蓋が開いて、バーッと広がっていったなって感じですね。

尾崎社長は新日本プロレスをどういう風に感じてるんでしょうか?
まず、人材の宝庫ですよね。あとちょっと偉そうかも知れませんが、プロフェッショナルって言う部分で高く評価しています。一般への認知度も高いですからね。

自分も見てましたけど、昭和から始まったプロレスをずっと支えてきたわけですからね。
新日本さんにはレスリングのチャンピオンとかゴロゴロいるんですよ(笑)。そんな力のある人たちがプロレスという枠の中でやってきているわけですから、そこから一歩出ても光を持っている人が多いですよね。あと、プロフェッショナルとしての意識も高いですよね。非常に高いと思います。僕がよく二兎を追って二兎を得るって言いますけど、エンターテインメントと競技と両方追うわけです。お客さんを入れて楽しませるって言うことと、競技としての確立をしないといけないわけです。そういう意味でもエンターテインメントの部分で吸収させてもらうものは大きいと思いますよ。お客さんに見て、楽しんでもらうっていうことに対して、これ以上は無いっていうぐらい良い形で交流させてもらってると思ってます。

その交流の中で選手の意識も変わってきてますよね。
そうですね。これも大体去年ぐらいから変わってきていると僕は思ってますね。鈴木VSライガー戦では郷野が吠えましたけど(笑)、郷野が何を言いたかったのかっていうのも、僕なりに分かってますしね。自分たちがやっている競技の部分がエンターテインメントに喰われちゃったわけです。悔しいわけですよ。だから自分達でもっとお客さんを惹き付けないといけないって思っただろうし、他の選手もそう思ったと思います。バカにすることは誰でも出来るわけですよ。
じゃぁ、超えるためにはどうしないといけないのかって言ったら、やっぱりそいつに勝つしかないわけです。これ言っちゃってもいいのかな・・・実際、郷野も新日本の選手と闘いたいって言ってますし。

では、今後グラバカVS新日本っていうのもあるんですか?
あるある。大いにありますよ。菊田もそういう発言してますしね。僕は凄く楽しみですよ。両国のグラバカは良くやったと思います。郷野はホントに気の毒だったけど、佐々木も菊田も三崎も良かったですよね。ただ、お客さんの前でやる以上一本で極めたかったっていうのはあるでしょうけど。コレは本人たちが一番言ってることなので、そのあたりも含めて次に繋げてくれると期待してます。

社長の中でパンクラスの選手と新日本の選手で闘わせてみたいっていう選手はいますか?
そうですね・・・全員ですかね。新日本さんの選手に関しては全員ですね。さっき人材の宝庫と言いましたけど、強くて素晴らしい若い選手はたくさんいるし、上の方の選手もバーリトゥードを経験してきてますから。本当は名前を出したい選手はいるんですよ(笑)。ただ、迂闊に名前を出してしまうとその選手にも迷惑をかけてしまいますから。

では、書かないとして(笑)。どの選手なんですか?
まぁ、8月31日の両国大会でセコンドについていた選手たちには興味ありますね。パンクラスのリングで観たら迫力あると思いますよ。実際、迫力あったじゃないですか。何だ、あの四角い身体は!みたいな(笑)。あと、○○選手とか、○○選手とか面白いですよね。

あのリング上での新日本の旗を見て、山宮選手はそうとう頭にきたって言ってましたね。
いや、頭にこないと駄目でしょう。山宮とも話す機会があったんですけど、あいつも結構考えてるみたいで、現時点での自分の実績とか、これからどう形にしていくかとか、悩んでるけど前向きですね。山宮にはドンドン出てきて欲しいですね。あと渋谷かな。あいつもちょうど今出てきてて、良い感じですよね。パンクラスで最大の試合数を誇る男として(笑)。何て言うか、苦労して苦労してやってきて、今やっと表舞台に出てきつつありますよね。8月の両国でも第1試合でキッチリ勝って終わってくれましたし。やっと実力が出てきたって感じですね。これからもっと出てくると思いますよ。山宮もそれに続いて欲しいですね。そういう意味でも、8月の両国大会はもう一つの流れを作りましたね。選手の意識を変える流れを。流れに付いて来れない選手も出てくるかも知れないけど、それはそれで仕方が無いですね。こういう闘いの世界で流れに飲まれてしまうっていうのは、もう終わりになってもしょうがないですよね。そういう世界だから。甘い世界じゃないですからね。